南総里見八犬伝 (中公文庫)

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  • 中央公論社 (1995年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024151

南総里見八犬伝 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代後期に滝沢馬琴によって書かれた全98巻、106冊の超大作。

    物語を端折るだけで大変だ(笑)
    まぁ、伏姫を助けた八房と犬の首輪から、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」と書かれた
    小玉が飛び散り、日本中に、その玉を持った犬士がいるであろうと、銃を撃った張本人である「金碗大輔」は
    丶大(ちゅだい)と名乗り、日本中の玉と其の犬士を探す旅に出る。 っていうのが序盤。

    基本的に主人公は様々な犬士が登場した後は、それぞれ誰かの視点で描かれるため、主人公は存在しない。
    よってとても読みづらい。 さらに、文章が「上総館山城主蟇田素藤は八百比丘尼妙椿の助力を得て里見家に反旗を翻した」
    (wikipediaより)の様な感じなので、意味不明な感覚に陥る。

    だが、冒険物の原点でもあるし、良く内容が作られているので、一端慣れてしまえば、物語に釘付けになる。

    この本は、長大な物語をたった1冊で完結しようとしているので、結局は中盤以降は「語り」だけで終わらされてしまうが
    本当は後半の大団円の辺りがやっぱり面白いらしい。

    別のも読んでみたい衝動に駆られる。

    よって、初心者の入門編にはもってこい。。。 だと思う。 少なくとも面白かった。

  • 「良くも悪くも女の底力がものをいう物語である。」

    安房の領主里見義実は、戯れに言った我が言葉を信じ宿敵安西景連の首をとってきた飼犬・八房に娘の伏姫を与えることを余儀無くされる。これも自らの運命と悟り八房とともに富山に入った伏姫はやがて八房の気を受けて身籠る。彼女がこの世に遺した八つの生命は、やがて不思議な縁に手繰り寄せられて…。滝沢馬琴の大長編小説を、佐多芳郎の端正な挿絵と平岩弓枝の文章で愉しむダイジェスト版。

     里見八犬伝といえば、それぞれ犬の字のついた苗字に牡丹の形の痣を身体の何処かに持ち、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の字の浮かぶ玉をもった里見家ゆかりの八犬士の活躍でおなじみ。本書ではそれにもまして、八犬伝にはしぶとい悪女が幾人も登場することにあらためて気づかされることになった。このあたり、本編に挟まれた「八犬伝の女性論」とでもいうべき著者の「閑話休題」が興味深い。

     この物語のそもそものきっかけからして、妖婦・玉梓の怨念にまつわるものであることを皮切りに、八犬士や彼らゆかりの人々を悩ませるエグい悪女たち。悪女といえば、自分はデュマ 「三銃士」のミレディーを思い出すのだが、八犬伝には、亀篠(かめざさ)だの、沼蘭(ぬい)だの、妙椿(みょうちん)だのミレディーもまっ青の一筋縄ではいかない悪女が何人も登場。中でも横綱は毒婦・船虫(ふなむし)である。彼女は姿を変え場所を変えゾンビのごとく出現する。それにしても、悪女とはいえ仮にも女子の名前に「船虫」ってw

     さらに言えば、相対するように登場する若く美しいヒロインたちは、八犬士の母である伏姫をはじめとして一様に薄命だ。最近、ジェンダー観というか、男が女をどう見ているかということが女にとっては永遠の謎として非常に興味をひかれるのだが、里見八犬伝からは馬琴先生の「悪女はしぶとく美女は薄命」とでも言いたげな女性観が見えてくるという。この読み解きは、やはり女性作家平岩先生ならではなのでは。

     全巻読破しようとすれば98巻106冊に及ぶこの大部の物語を書くにあたって、28年の歳月を要した馬琴が、後年眼を患ったため息子宗伯の嫁・おみちが代筆を務めたことはよく知られている。書籍違いの話で恐縮だが、そのあたりの事情は数年前に読んだほるぷ出版版「里見八犬伝」の解説に詳しく、馬琴が字を知らないおみちにそれを教えることから始って、八犬伝執筆にあたり多大な影響を受けた『水滸伝』等で使用される特殊な漢字を彼女が使えるようになるまで、おみちも泣いたり熱を出したり悩み苦しんだ末の代筆だったことがわかる。

    〈早稲田大学図書館には今も、馬琴が手さぐりで書いた、行文がかすれてよろめいた草稿と、おみちに代書させるようになって整然と記された草稿とがすぐ連続して綴り合わされているものがあるが、その右の乱れた文面と左の美しい文面との対照は、見る者に熱い感動を覚えさせる。〉

     葛藤の果てに無心で筆をとる境地にまで至ったことを思わせるおみちと、書くことの執念にとりつかれた馬琴の二人の姿がここにあった。はたして馬琴先生は嫁、もとい、女の底力を見たかどうか?

  • 南総里見八犬伝の現代語訳。
    多少厚めとはいえ、見開きのイラストが多く入った文庫が1冊なので、ダイジェストに近い。八犬士の登場と浜路姫、親兵衛の再登場あたりまで。
    犬士たちの顔があまりみえてこないのは残念だけれど、その分悪役たちが生き生きしているし、登場人物が多くてしかも複雑な縁があるのをわかりやすく書いてあって、八犬伝初の人でもすんなり読めるんじゃないかと思います。
    豊富な挿絵も雰囲気があってよいです。

  • 入門にぴったりかも。
    挿絵もあって分かりやすかった。

  • なんとなく知っている気になっていて、実はよく知らない八犬伝。

    呪いによって犬と契りを結ぶこととなった伏姫が光の玉を生み出し、
    八犬士が終結するまでの序盤を現代文で解説をつけながら丁寧に描いている。

    さすがに全98巻を1冊にまとめているので
    中盤以降はあらすじをなぞっているだけの状態になるが
    「八犬伝に興味があるがあまりの長さに尻込みしている」
    「どんな話なのかあらすじだけでも知りたい」
    「うろ覚えをはっきりさせたい」
    という人には面白いと思う。

    入門書としてはぴったり。
    (逆にちゃんと読んだことがある人には物足りないはず)

    序盤部分だけでも夢中で読んでしまった。
    原作同様に名前が覚えづらいのが難点だが、
    この語り口で全話読んでみたかった。

  • 関東、館山、関東地方、千葉などを舞台とした作品です。

  • ダイジェスト八犬伝。
    かなり端折っていますが人間関係の説明や人名の振り仮名等、かなり親切で八犬伝入門として最適かと思う。
    以前、別の八犬伝を読んでいたのでちょっと物足りなかった。

  • 八犬伝を初めて読む方におすすめ。非常に分かりやすくまとめてあります!

  • 平岩弓枝
    古典文学で最も長編と云われているそうです。
    滝沢馬琴 全部で98巻106冊、28年かけて刊行されたとこことです。
    その一部を現代語に書き直されたもので判りやすい。
    TBS開局50周年記念番組としてもこの小説は番組化されています。
    南総とは南房総地域のこと、里見とはその地方の名家のこと、
    八犬とは八人の犬の文字がつく名字の侍、犬塚とか犬伏など、
    の侍がある宿命のもとに生まれて、里見家を再興するという物語、
    私の読んだのもこの表紙です。ブックオフで105円で購入しています。
    定価781円です。 読んだのは2005年頃でした。

  • 係長がすごく勧めてくれて、借りて読んだ。

    有名な訳者の現代語訳で、内容も里見に八犬士が集まるまでの略版で、
    内容も少し異なるらしい。

    でもその方が読みやすくて面白かった。

    でも、ただのファンタジーとして読めば面白いけれど、
    根底には薄気味悪さがあって、少しでもリアルに考えると気持ち悪くなった。
    そんな印象を受けるのは初めてだった。

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