赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫 し 18-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 70
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024670

作品紹介・あらすじ

「たとえば知性というものは、結局はなにか大きな大きなやさしさみたいなもの、そしてそのやさしさを支える限りない強さみたいなものを目指していくものじゃないか…。」東大入試を中止に追い込んだ既成秩序の崩壊、そして「昭和元禄」とよばれた大衆社会化の騒乱のなかでひとり静かに戦った若い魂の物語。「やさしさ」という言葉の原点となった青春文学の永遠の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 東大入試が中止となった1969年。高校3年生の薫くんが「みんなを幸福にするにはどうしたらいいのか」を考え悩む。薫くんの語り口調で物語は進むが、それがおもしろく時折クスッとさせられる。自分の知識では理解できない部分も多々あったが、薫くんの心情の揺れが見事に描かれ引き込まれた。女友だち由美ちゃんとの関係。銀座での女の子とのやりとり。彼が出した答え。そして最後のシーンがよかった。

  • サンパ・ミンセー?反代々木系・代々木系?イオニア派?ゲバ棒?学校群?日比谷高校?「あなた、ケーコートーね」ってどういう意味?うーん・・・。分からん事が多過ぎた。 今まで読んだ中で1番()が多かったかも。この人の他の作品も()が多いんかなぁ? 分からん事が多かったけど、とりあえず色っぽい?エロい?女医さんの所には行きたいと思った。

  • 2012年12月25日読了。青春文学の永遠の名作、とある。東大入試が中止に追い込まれ既存の権威が地に墜ち世間の大衆化が進む中、「やさしさ」「いやったらしい」ことって何か、考え続ける主人公カオルくんの日常。とりとめなく一人語りを続ける文体が「ライ麦畑でつかまえて」的で、確かに青春ならではの堂々巡り感・どうにもならない気恥ずかしさや甘ったるさを感じさせられ、読んでいてフレッシュな気分になれる・・・。女医さんとの息詰まるようなエピソードがいい。

  • 2012.9.16読了。

    何でも出来るということは、何も出来ないということでもある。青春の高揚と虚脱、それを「ほんとに大丈夫なんだ」「もう全然だめになっちゃった」と右往左往する青年は、まぶしい。

  • ページ一杯に活字で埋められている本は、昔から苦手なのだが、何とか読めた。昭和元禄。『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を読んだ日に、児玉清氏の訃報のニュースで、出てきたのでビックリだ。

  • 映画化されているはず。大昔だけど。
    続きを読みたいが、手に入れていない。

  • 定番青春小説と呼ばれるので読んでみた。面白かった。ストーリーは、東大入試中止になった年に高校三年生だった主人公が今年は大学を受けないことを決意し、そういう決断をした自分について考えながら、ガールフレンドや友達やおばさんとかいろんな人に会って、悩んですっきりする話。まず、あの女医のシーンがエロイ。軽く起き上がってしまった。そして感受性の強い18歳というものの描き方が巧いと思う。最後の一連のシーンだけど、どうでもいいことを無理やり自分にとって重要な出来事に変えてしまう、この青さはなかなか書けない。30年くらい前の本だけど、今読める度が非常に高い。

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