窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫)

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著者 : 橋本治
  • 中央公論社 (1995年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024748

窯変 源氏物語〈1〉 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 気障でいけすかない源氏。ほぼ中二病です。橋本源氏は源氏の一人語りでお話が進行しますが、文末全てに「フッ、参っちゃうよなァー!」を付け足して読むのがお約束。

    危うさを感じさせる程の美貌、全ての才に秀で、帝の子でありながら愛ゆえに臣下に降された境遇。潔癖だった思春期には、最低野郎としか思えなかった光の君ですが、今読むとなかなかに痛くて宜しい。

    なにより、当時の「通い婚」文化が案外魅力的に思えてくるから不思議。
    この巻には桐壺、帚木、空蝉、夕顔が収録されております。源氏出生から17歳まで。

  • 「女人」を入れたのでこちらも。「女性の物語」である源氏物語に男性視点で切り込んだ斬新な解釈が面白い。

  • 今更ながら源氏物語にチャレンジすることにしたが、潤一郎
    訳の前に、読み易さの点からこちらのシリーズからスタート。

  • Hashimoto's 14 volumes of Yōhen Genji mono
    gatari [The Transformed Tale of Genji]: He spent three years retelling the story as a confessional from Prince Genji’s soul, adding scenic grandeur that is not explicitly existent in the original text but that can be detected from the ancient writing.
    The archaic Japanese language has a seemingly
    magical capability to convey more meaning
    than the words themselves express. Few Japanese
    today value this tradition, but Hashimoto has made elucidating the delicacy, precision, and beauty that
    Japan’s language once embraced a part of his lifework.

  • 源氏物語を、源氏視点から現代語で語ってみた作品。
    とても面白い試みです、読みやすいし。
    感想としては

    はははは、光源氏サイッテーw

    知ってたけど、男性一人称で語られるとさらに際立つ気がする。
    光君が痛いくらい残念な歪み方をしているので、いっそ気持ちがいいです(※褒めてる)、よろこんで引き続き2巻とりかかります。

  • 全巻大人買いしちゃいました。まずは一冊目。とてもおもしろかったです。この本を初めて知ったのは遥か昔「小学六年生」という雑誌の付録小冊子で、荒俣宏さんが選ぶ百冊みたいな企画でした(チョイスがものすごく大人向けだった。「日々の泡」や「楢山節考」など。辛口チョイスで実に渋いです)。

    手に取るまでには実に二十年(…)くらいかかりましたが、本当いいですね〜。原文は語り手不明ですが、この橋本源氏では光君の一人称という明快さです。何だか光君がとても著者に愛されてると思いました。橋本さん光君に萌えすぎというか。「雨夜の品定め」のシーンでは光君の少しシニカルなものの見方が女性的で興味深いです。

    あと小君とのシーンが少女漫画的でいいですね。BLです(?)。空蝉の凡庸なれども頑なな存在感がリアルだなーと我が身に重ねて思いました。一般職の地味系OLさんみたいな。夕顔はかわいそうですが…。個人的には頭中将が大好きなので、彼が今後どれだけ活躍してくれるかを期待したいです。私は非常に好きな訳(?)ですね。源氏物語は女たちを通じて男たちが結びついている物語のように常々感じていたのですが、この本でも「頭中将は(中略)女から女へと渡り歩き、しかしその実、暗闇の中で女達の父親達と手を握る」という比喩があり唸りました。この時代、女性との付き合いは戦略的なものがありますね。続きが楽しみです。

  • 他の方のレビューでは絶賛されている方が多く見受けられました。
    が・・・残念ながら私は好みではありませんでした。
    男性目線で書かれているところも好みではなかったし、フランス小説を意識したところ(?)なども・・・。

    切り口が斬新だとは思いましたが、個人的におすすめの一冊ではありません。
    男性が読まれるのなら面白いのかもしれませんね。

    ※〈1〉以降省略※

  • とりあえず、1巻にレビューつけときます。

    私にとっての源氏物語はもう橋本源氏以外には考えられません。

    橋本源氏は光源氏による一人称の小説です。
    光源氏という特殊な男の視線から描かれることで
    多様な側面を浮き彫りにする物語。
    しかも橋本治が憑依してるから面白くないわけがない。

    きちんと原文を読んでいるわけではないので、
    どこまで彼の(補助的な)創作なのかあいまいなんですが
    キャラクターが見事に肉づけされて、
    豊かで深みのある複雑な味わいがあるのです。

    源氏物語
    =光源氏という絶世の美男(プレイボーイ)があまたの美女と繰り広げるラブアフェア、
    な単純を絵にかいたような認識の枠には全く収まらない壮大な人間模様。

    橋本源氏を読んでいると、
    女は政治の道具であり、自身(と一族)にとっての重要な駒であり、
    同時に政治を超えた個人の愛と性愛の問題であり、
    しかしながらやはり個人の問題だけに留めることのできないものであり、
    と、実に複雑に入り組んだ関係性であることが分かる。
    この駆け引きや、予想外の展開で様相を変えていく自分の位置、
    なんてのがもう本当に面白いのだ。
    もちろん話者である光源氏個人の考え方、
    ものの見方も掘り下げてあって唸ってしまう。

    言葉の美しさにとことんこだわった文章も素晴らしい。
    情景描写を読むだけで目眩がするような鮮やかな映像が頭の中に浮かんでくる。
    日本語ってこんなに美しくて味わいがあって豊かなんだと再認識。
    カタカナを一切使わず、日常では出てこないような絢爛豪華な言葉や漢字でも
    浮きあがらずに流れるような自然さで繋がっていく。
    セリフの中に出てくる古語も違和感なく、
    むしろかつて持っていた知識をくすぐるような感じがイイ。
    このへんはもう橋本治の持ってるインテリジェンスとセンスに裏付けされて
    間違いがない。

    これまでもう何度も読み返している橋本源氏だけど、
    読むたびに新鮮で気がつくことが多い。
    忘れてるだけと言う話もありますが。
    今回は特に登場人物の描き方に唸りまくってしまった。
    一般的な源氏の本や入門書にあるような類型的な性格や特徴ではカバーしきれない
    もっと入り組んで、その人物自身ですら把握しきれないでいるような様々な要素が
    光源氏の目線と、光源氏になりきった橋本治の冷徹な観察眼を通して
    重層的に描かれている。
    おそらく女性の人気が高いであろう夕霧なんかは
    もう身も蓋もない性格描写が、さらっと、それでいて言葉を変えて何度も出てくるあたり、
    なるほどなあ、と何度もニヤっとしてしまった。
    光源氏の子でありながら、低い階位を与えられ、
    勉学に励み階位を自ら登って行き、
    同時に幼馴染に一途な思いを持ち続け、最後には一緒になる、
    なんて女子好みの、真面目でひたむきで健気な美しい男、
    というのが一般的な夕霧像なのかもしれないけど
    むしろ夕霧の実直といえば聞えのいい子供っぽい頑固さとか、
    頭でっかちで融通の効かないセンスの無さとか、
    何考えてるのかよくわからないとりとめのなさとか、
    実に鮮やかに人物像が浮き上がる。
    で、最後の落葉の宮への対応の残酷さ(本人分かってない)なんかが
    「うわーありがちー」とストンと腑に落ちたり。

    あとわりと好印象だった花散里も、
    最初に出てきた時は存在感の希薄なジミな登場だったのが意外だった。
    源氏が長く面倒を見た女人の中ではかなりの厚遇だが
    美人でなくても、気立てとセンスと控えめさである一定の位置をキープできている、
    というのがよく分かる。
    なんかお母さんになった妻、って感じなんだよね。
    源氏からすれば、家のことは任せて自分は外で好きなことやって、
    一応大事にしてるけど抱くほどじゃねー、という。
    でも花散里の方も別にそれでいいやと思ってて、生活には困らないし、
    子供の世話なんかをやいて満足しているというところが。
    でもわりと女性の共感は得やすいような気がする。楽そうで。

    皇太后(弘徽殿)は、きっと書いてて楽しかっただろうなあと思う。
    筆がイキイキしてるもんなあ。
    源氏の中でははっきりとした陽性の悪役で、
    敬われ丁重な扱いを篤く受け、影響力も持っているのだけど、
    誰からも女性として扱われてないというのが不憫。
    逆に藤壺は捉えどころがないというか、
    実際に何を考えていたのか分からないし、
    政治的な面で力を見せて動いてくるあたりも不気味な印象。
    翻弄される源氏のことも生まれた子供のことも、結局どう思っていたのかと
    何か引っかかりが残る。
    また次に読んだ時に、違う印象を持つかもしれない。

    好きなのはやっぱり紫の上ですかねえ。
    少年のようなきっぱりとしたまっすぐな性格と
    屈託のない愛らしさ。
    美しさと幸せに満たされた後に待っている、徐々に苦しめられていく終盤は
    読んでいて胸が苦しくなってくる。

    今回読んで一番印象に残った帖は「野分」かなあ。
    台風をはさんで源氏が六条邸の各町を見舞っていく話で
    それぞれの女性たちの性格やら、
    見事な庭の前栽が風や雨でなぎ倒される様が
    美しい言葉で描かれていて。
    この時の嵐を楽しむような紫の上が魅力的なんだよねえ。

    源氏物語は女人だけでなく、男たちも個性的で面白い。
    朱雀院のなよなよとしてるのに執念深いところは、
    最後のクライマックスに行くほどに存在感を増して気持が悪いのなんの。
    イメージとして春風亭小朝が浮かぶのはなんでだろう。
    ついでにイメージが浮かぶのは朱雀院の息子の春宮=ルーニー。
    若いのに偉そうで好色なところとか。
    色白でむちっとしてる感じが浮かぶのだ。

    橋本源氏を読んでると、
    それぞれの人間的な部分がとても濃く印象に残る。

    平安の時代に厳然としてあるのが身分。
    それに基づいたたくさんの決まりごと。
    どうにもならない出自を、
    娘という武器を足がかりに、出世の糸口を見出す男や女の思惑、
    情勢によって移ろう栄華と浮き沈み。
    明石の一族や玉鬘の物語は当時の人にどんなふうなインパクトがあったのかと。
    服喪の期間も墨染の濃さも身につけていい色もきちんと決まっているような社会で
    思いをかけることの際どいバランス。
    簡単に行き来できない距離や身分、顔を見ることが性交渉に繋がるような距離感、
    今ではとても想像できないような時間や距離の感覚が
    読んでいていっそうもどかしさを感じて引き込まれていくんだよねー。

    あとは宮中や季節ごとの行事などがとても興味深い。
    五節の舞姫選出のエピソード、伊勢へ下る斎宮を朱雀院が送るシーン、
    五十日の祝い(いかのいわい)や三日夜の餅、
    薫物合せや女楽、と読んでいるだけで美しいイメージが膨らんでくる。

    少しでも興味のある方には、橋本源氏はものすごくお勧めなんだけど
    いかんせん量が膨大なのでね。
    でもどんどん読みたくなる内容ですよ。
    http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1951.html

  • 桐壷、帚木、空蝉、夕顔が収録さるています。
    光源氏の一人称で読みやすかったです。藤壷との恋が切なくてグッときます。

  • 桐壷・箒木(ははきぎ)・空蝉・夕顔編

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