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- Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122025776
感想・レビュー・書評
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信ぴょう性の高い資料がほとんどない古代史で、日本では空前絶後の天皇家の内戦、壬申の乱を想像で埋めてダイナミックにとりあげた作品。
天智天皇は兄、天武天皇は大海人、弘文天皇は大友皇子、藤原鎌足は内臣、持統天皇は讚良(さらら)と表記されます。たくさんの登場人物が出てくるのですが、メインキャストはこの4人で、前半では弟の大海人から息子の大友に皇位継承の気分が移りつつある中で、誰が味方か誰が敵か、色分けに収れんされます。女性の地位はかなり低く(天皇になる人もいますが)、政略で親がまぐあわせるケースが続出するのですが、その関係は狭い狭い。例えば、天智天皇は娘4人を天武天皇に嫁がせてますが、天武天皇は弟ですから、天武天皇は自分の姪を4人めとったことになります。白村江の戦いに絡めて、百済・高句麗・新羅・唐との日本との関係もけっこうがっつり触れられているので、ストーリーをおいかけてくのは大変ですが、天皇家での内戦をとりあげた壬申の乱がテーマだと、日本ではテレビにも映画にもできないので、エンタメ作品として楽しむには小説しかないのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示