沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

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著者 : 岡本太郎
  • 中央公論社 (1996年6月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122026209

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何も無い場所、御嶽。八重山の悲歌。
    太郎が今、八重山に行ったらどう思うだろう。

  • 沖縄で見たものを、どのように解釈してよいかわからず、この本を手に取りました。
    岡本太郎は、奇抜な芸術家のイメージですが、
    ソルボンヌで文化人類学を学んだため、文化論に関する著書が数多くあります。
    この沖縄文化論は、1959年、1966年、沖縄を訪れたときのことについて、書かれています。
    彼の見た沖縄は、今の沖縄とは、まったく異なる景色だと思いますが、沖縄の、そして人生のひとつの見方、考え方を教えてくれる一冊でした。

  • ・沖縄の古典舞踊は、べた褒め。日本舞踊や歌舞伎をお座敷芸の影響を濃く受けてゆがんで発達したと批判的。
    ・入浴文化論。日本人が大の入浴好きなのは、身体をきれいに保つという実用的な意味だけではなく、多分に精神的でマジナイ的。毎日ミソギをやっているのだ。というのは面白い。
    ・久高島の風葬。
    沖縄には日本の原始宗教、古神道に近い信仰が未だに生きている。のろは、その神秘的な女性の司祭、つまりシャーマンである。古い時代、沖縄では神と交わるのは女だけの資格であり、直接神事に関する一切は男はタブーだった。
    すぶのシロウトにも子供にだってグンと訴えかけてくるようなものでなくちゃ仕様がない。(136頁)
    身を守る最低の手段として、美しさ、みえなど考えてもいないのに、結果は偶然に美しいのだ。(65頁)
    文化とは何だろう。土地の風土によって、、根をはったものが本当だと考える。その土地を耕すことによって生成するもの。その土壌とは、民衆の生活以外にはない。、、やがて貴族や特権層によって、形式の洗練をほどこされ、余剰の富と力の象徴、虚飾的な美となる。いわゆる高度な文化を誇ることになるわけである。(203頁)
    ・ひめゆりの塔〜異様な記念塔が構えている。デカデカと相当の金をかけたものばかりだ。ああ、ここに代表された無神経日本。聞けば地方選を控えて、昨年後半あたりにぞくぞくと建ちだしたのだという。(225)

  • 琉球王国には漠然としたよい印象を持っていたが、人頭税の支払いの厳しさは本当に恐ろしい。古代国家、近代国家のどちらがよいのか答えは出せない。

  • 鬼子母神社の手作り市の古本売り場にて購入。岡本太郎、沖縄と気になっていたキーワードが合わさった本!

    ・岡本太郎の考え方、モノの見方から沖縄の文化を考察した内容。
    ・約40年前という時代背景も伺える。

  • [ 内容 ]
    苛酷な歴史の波に翻弄されながらも、現代のわれわれが見失った古代日本の息吹きを今日まで脈々と伝える沖縄の民俗。
    その根源に秘められた悲しく美しい島民の魂を、画家の眼と詩人の直感で見事に把えた、毎日出版文化賞受賞の名著。

    [ 目次 ]
    沖縄の肌ざわり
    「何もないこと」の眩暈
    八重山の悲歌
    踊る島
    神と木と石
    ちゅらかさの伝統
    結語
    神々の島久高島
    本土復帰にあたって

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 石垣島訪問中に読破した本。
    岡本太郎が沖縄返還前の1961年に執筆したもの。その後、1972年に「本土復帰にあたって」という章を書き足している。
     沖縄を訪れ、感じたことを筆者の思うままに記載している。最も共感したのは、以下の部分。
    p40「私はまるまる一週間、島内をかけずり廻った。見るべきところはほとんど案内してもらったのだが、結果は予期に反した。いわゆる「文化」というべきもの、発見としてグンとこちらにぶつかってくるものがないのである。」
    漠然と感じても、なかなか言葉にできない意識、感覚。本質を捉え、それをずばっと、相手に悪い感情を与えることなく言い切ってしまうところが素晴らしいと思う。

    また、1960年代初めに、本島での時間の感覚、目まぐるしさと、沖縄のそれとを比較しているところも印象的。時代を超えて、共感できる部分が多い。

    岡本太郎が今の沖縄を訪れたらどのような感想を抱くのか、大変興味がある。

    沖縄訪問を重ねる度に、この本の良さがじわじわと分かってくる。何度でも読み返したい一冊。

  • 岡本太郎がここまで沖縄について取材をし、書いてあるのは、沖縄県人としてとても嬉しく、改めてウチナーンチュとしての誇りを感じました。

  • 岡本太郎が日本の源流である縄文時代を現代の沖縄に探求したという内容。書かれた当時とは随分状況が変わったように思われ、彼の見た沖縄でさえも、また忘れられつつあるのかもしれない。

  • 実に刺激的な文章であった。

    沖縄を考える。
    「沖縄人とはなにか?」
    という問題は、
    きわめて不思議な問題なような気がする。
    沖縄人と日本人を区別する作業は、ちがってくる。

    そんななかで、どのような視点で
    物事を考えるかであるが、
    DNA人類進化学という中で、
    宝来聰氏は、興味深い提案を行っている。

    ヒトは、どのようにして誕生したのであろうか?
    ヒトと他の類人猿との関係、現代人の起源とは、
    日本人は、いつ頃から、
    どのようにやってきたのであろうか?
    という中で、「沖縄人」についても、検討を加えている。

    私は、アイヌと沖縄人は、共通していると考えていた。

    ヒトの身体 およそ60兆個の細胞から
    構成されている。
    DNAには、受精して発生する過程からに
    地上生きていく過程で必要な、
    ほとんど全ての遺伝情報が盛り込まれている。
    進化の歴史が刻まれている分子化石と
    見ることもできる。

    地球上の全ての生物が
    35億年にわたる進化の産物である。
    そのDNAを調べることによって、
    進化が分かるというのだ。

  • 沖縄の湿気を含んだ空気が流れてくるような、本。

  • 多磨霊園に眠る岡本太郎が沖縄を訪ねて、感じたことを思うままに書いた一冊。沖縄に毎年行っていた頃に感じていた沖縄の良さを、こうやって別の人の、特に感覚的に鋭い感性の持ち主の言葉で描かれた沖縄の姿を見せられると、「あぁそういう背景も確かにあるかも」とか思う部分もあったり、次に沖縄に行く楽しみがまた少し増えた一冊になりました。泡盛を本土で飲んでるだけじゃなくて、やっぱたまには訪れたいな~。

  • 沖縄学と、岡本太郎の両方に一気に魅了された一冊。岡本太郎の切り取る、古い沖縄の姿がグッと心に入り込んでくる。何度読んでも面白い。

  • 久高島の聖地はぽっかりとして何もないところだった。それがまた、太郎さんの心をひきつけたのですね。芸術家としてだけではない、文化人類学の実践者としての岡本太郎の横顔が浮かび上がる。

  • 岡本太郎の返還前の沖縄への訪問。八重山、久高島の御嶽・巫女(ノロ)、風葬等の等の民俗等々を紹介。他の岡本太郎の著作に比べると、今一つ切れはないかなあ。

  • なんとなく岡本太郎の沖縄感が伝わった。

  • 岡本太郎っぽい、ロマンチックで感覚的な文章。
    当時の沖縄がどんなのか想像するしかないけど、きっと私も同じように感じたのではないかと思う。

  • 沖縄の文化は何もないことから派生した、という考察が鋭くておもしろかった。

    岡本太郎と同じく、島に恋する者として共感、感嘆する。

    他の著書より、言葉のセレクトがウィットに溢れていてグングン引き込まれた。


    岡本太郎が撮った、久高島の風葬の写真で、その習慣が断絶されてしまった事実が、わたしには衝撃だった。

    文化学に長けている、岡本太郎クラスの人でもこういうことを招いてしまうことも衝撃だった。

    その賛否についてはここでは述べないが、当時の世論のバッシングを岡本太郎は意に介さなかったというのが、岡本太郎っぽい。

  • 何度も読み返す沖縄本

  • 沖縄に対して漠然と感じていたものが文字化された良著。この夏に沖縄に行くのでその前に読めて良かった。

  • 沖縄文化に興味があって購入。岡本太郎の本だったのはたまたまだったが、意外というか普通に面白かった。ソルボンヌで民俗学が専攻だったとは。沖縄の八重山では庶民は昔文字が禁止されていたそうだ。沖縄は元々文学に対する拘りは弱いのだろうか、少なくとも知る限り歌はシンプルだし観念的ではなく、自然な印象を受けていた。口承だからシンプルになるんだろうか。岡本太郎が言うように沖縄を通して日本を再発見するというのは、小泉文夫の発言にも通じていてなんとなく頷けるものがあった。

  • 1959年の沖縄。まだ米国軍政下の沖縄。ようやく高度成長の軌道に乗ろうとする日本が失うであろうものを1959年の沖縄に見出す岡本さんはやはり天才。

  • 現代アートは好きですし、岡本さんの著作は「今日の芸術」も読んでいたんですが、この本がこれほど魅力的だったとは思いもよりませんでした。

    眼を剥いてオカシナ事を口走るオジサン、としか思っていない方は、一読、この文章の水準に驚くのではないでしょうか。

    感心したのは、この本、沖縄文化の魅惑を語りながら、単なる沖縄論に留まることなく、普遍的な文明論として素晴らしく、芸術一般を語る論考としても優れていることです。
    さらに沖縄の風を語る時は、一流の抒情的エッセイとしても読める。

    時に確かに納得出来ない論証、賛成しかねる描写もありますが、その考察の鋭さは、文化、文明の深い本質を覗かせ、わずかなそよぎとしか感じられない些細な現象から、魅惑をすくい上げて表現して見せる手並みは抜群です。
    芸術家としての感性と、表現者としての力量の両立を感じました。


    結局、沖縄という場所が、岡本太郎によほどの驚きと感動を与え、啓発したのでしょう。
    沖縄に惹かれている方はモチロン、優れた文明論、芸術論を読みたい方にはオススメの1冊です。


    ps
    沖縄は「踊る島」だそうで、1章が割かれてますが、以下@ブログ用に改変省略有
    「・・そして世界の踊りの喜びがみなここに入り来ているんじゃないか、と極端なことを考える。・・・のびのびと自由にやっているが、洗練されている。民衆自体によほど踊りに対する鋭い姿勢がなければ、とうていこの純粋さと新鮮さを長く保つことは出来ないだろう。凄みである」

    個人的には、このエッセンスが安室奈美恵に抽出されている、と考えます。
    やっぱり出自からバックグランドがあったのだ。

  • 返還前の沖縄を訪ねた岡本太郎による見聞録。沖縄の特に離島の数々に今も残る信仰や芸能にこそ、日本文化の原型が残ると説く。いわく、沖縄が日本に還るのではなく、日本が沖縄に還るべきという指摘が、本土の人間の心にグッと突き刺さる。

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沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)の作品紹介

苛酷な歴史の波に翻弄されながらも、現代のわれわれが見失った古代日本の息吹きを今日まで脈々と伝える沖縄の民俗。その根源に秘められた悲しく美しい島民の魂を、画家の眼と詩人の直感で見事に把えた、毎日出版文化賞受賞の名著。

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