食は広州に在り (中公文庫 き 15-12)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122026926

感想・レビュー・書評

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  • 知性に満ちているのに軽やかに読める文章。
    中華が食べたくなる。

  • 広東の豊かな、贅沢な食文化がギュッと詰め込まれている。日本はグルメ番組が多くて、日本人は食べることばかり考えていると揶揄されるが、そんなの足元にも及ばないほどの食道楽、世界一。
    そして、食だけでない、中国、東洋の文化がたっぷり。
    初版が1975年だけあって、若干、女性蔑視な表現が多い。当時は多分当たり前で、笑いをとるために書かれている。まぁ、この本の本質はここにはないので気にすることはない。
    じっくり読めるお気に入りの本。

  • -108

  • 『壇流クッキング』を読むついでに、並行して『食は広州に在り』も読み返してみた。初めて読んだときほどの面白さはなかったとは言え、開陳される数々のエピソードや故事は秀逸で、暇な時間にチラチラと読んでいただけだったのに、あっという間に一冊読んでしまった。

    邱永漢の本は他も面白そうなので、もう何冊か読んでみよう。

  • 台湾でうまれ 香港、広州、日本で 生活した
    邱永漢の 身体には さまざまな 食が 通り過ぎていった。
    また お嫁さんは、広州生まれの料理にくわしい人だった。
    それを 噛み分けて、美味しい 文化比較論が さりげなく
    表現される。

    『人間は生きるために食うのであって、
    食うために生きているのは豚だ』
    食う楽しみを 単に食うだけでなく
    料理の作り方まで 懇切丁寧に 説明する。

    よく考えれば、なぜ中国人は これほどまでに
    豚が 好きなんだろう。豚を丸ごと食べてしまう。
    世界の半分の豚を中国人が食べているという現実は、
    なんともいえないほどの ブタフリークだ。

    邱永漢の 言葉の選び方が 実に素晴らしい。
    選んだ〈中国語〉から、話がひろがっていく。
    そして、縦横無尽に 中国の逸話が語られる。
    また、父親が 食べる事が好きで、
    カラスミに眼がなかったという話から
    邱永漢の 食のルーツがよくわかる。

    昆明で いっしょに食事した時
    学成食堂で 宜良ダックを 
    『北京ダックよりも安くて美味しい。
    それに、気軽に食べられるのがいいね。』
    と 笑顔で語られたのが、
    読みながら その笑顔を思い出した。

    食を楽しみ、人生を楽しみ、
    そして、日本 台湾 香港 広州 雲南を
    駆け巡る 人生に 終止符をうたれたのが残念。

    あの笑顔といっしょに 雲南で 
    おいしい物を食べたいと思う。

  •  ウィリアム・グラッドストン(元イギリスの首相)曰く、「人間は、生きるために食うのであって、食うために生きているのは豚だ」って著者はP16ページに紹介し、その手のひらを返すように彼は、食の喜びについて賛同している。如何せん、古い本なので、文字が小さく集中を欠き流し読み。

  • 著者は台南育ちで、香港人の妻をもつ。書かれたのは昭和30年というからいまから半世紀もの昔の作品である。
    かなりの良書である。文体も心地よい。

    中国人の本質は、軍事パレードではなく、こういった食の部分にあるだろうなと思う。
    中国人にとって何よりも大事なのは豚である。
    鶏肉はバラバラのもので買ったりせず一羽をまるまる捌くことがなによりも客に対してのマナーである等。

    タイトルを見て即購入して間違いはなかった笑

  • 図書館で。
    この本、絶対一度読んだことあるなあと思いながら読みました。包丁は中華包丁に限る、という辺りでああ、やっぱり読んだことあったわ、と確信。まあ二度読んでも面白かったからそれはそれで良いんですが。

    作者の写真を見ると脂っこそうな食事の割にスリムで羨ましい。やはり中国茶効果か。(まあ現在はどうだかわかりませんが)色々とおいしそうな料理はありますが蛇とかそこまで手をかけて食べたい料理でもないなあ…と思ったり。ゲンゴロウも食べたくはないかなあ…

  • 糸井重里さんが邱永漢さんの文体を称賛していましたので一読。確かに読みやすいし、おもしろいし、勉強になる。また、丸谷才一の書評に驚いた。食がテーマの本著から獲られる教訓は、人間は国が亡んでも生きてゆける。国は何度も亡び、王朝は何度も改まる。そして、それにもかかわらず個人は悠々として生きてゆく である。
    まさに邱永漢さんの事です。
    邱さんの本をもっと読んでみます!

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著者プロフィール

邱永漢
一九二四(大正十三)年、台湾の台南市に生まれる。東京帝国大学経済学部を卒業後、一時帰台し、台湾独立運動に関与。のち香港へ亡命し、対日貿易を手がける。五四(昭和二十九)年から日本に定住、五六年、「香港」で外国人として初めて直木賞を受賞し、作家生活に入る。八〇年日本に帰化。実業の才を生かし、株式投資、マネー関係の入門書の執筆や、ビル経営など多角経営を行い、「金もうけの神様」と呼ばれた。二〇一二(平成二十四)年、没。著書に『香港・濁水渓』『食は広州に在り』『中国人と日本人』『わが青春の台湾 わが青春の香港』『邱永漢短篇小説傑作選 見えない国境線』『お金持ちになれる人』『お金に愛される生き方』などのほか、『邱永漢自選集』(全十巻)、『邱永漢ベスト・シリーズ』(全五十巻)がある。

「2022年 『邱飯店交遊録 私が招いた友人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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