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- Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122027008
感想・レビュー・書評
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本巻では宇治十帖の寄生・東屋・浮舟1が収録されていました。
相変わらず薫のことを小馬鹿にしながら物語は進みます。
私自身も薫に(匂宮にも)魅力を感じないのでそのスタンスに異論はないけれど、これって当時の読者はどんな思いで読んでいたのかが気になりました。。
それはそうと今回注目したのは浮舟の母の心。
八の宮が(身分の違いや対面上から)自分を一人の人間として扱ってくれなかったことを相当恨み、分相応の女の幸せを求めるほうが幸せだと悟ったと語ったその舌の根の乾かぬ内に、匂宮や薫の見栄えや身分にクラっとして、七夕のような逢瀬であっても正妻になれなくてもやっぱりこっちが幸せ、と思ってしまうところ。
あんなに恨んでいたのに、とっても痛い目に合ったのにね。
身分によって人としての優劣も決まり、気高い人は身分も高く、身分が高くなければ姿容貌が美しいとはいえないという絶対的価値観はとても強固です。
生きづらい社会。詳細をみるコメント0件をすべて表示