新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)

  • 667人登録
  • 3.57評価
    • (54)
    • (76)
    • (171)
    • (7)
    • (0)
  • 76レビュー
著者 : 子母沢寛
  • 中央公論社 (1996年12月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122027589

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
永倉 新八
有効な右矢印 無効な右矢印

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「深雪太夫」と名乗る人のエピソードがおもしろかった。近藤が囲った妾で、病死した後その妹も近藤に見受けされた、というのに、本当はおばあさんになって生きていた?嘘とも思えぬ細かい身の上話。

    とにかくこの本はものすごい情報量で、難しいところも多いからある程度新選組を知ってる人におすすめ。資料という感じ。

  • ★3.5
    この本が初めて世に出たのは昭和3年、新選組をリアルに知る人たちがまだ生きていた時代。そして、新選組を扱った読み物で、後世の作家たちに特に影響を与えた1冊らしい。それもそのはずで、新選組を内からも外からも、時間をかけて研究し尽くしたような印象を受ける。中でも、「油小路の屍」のエピソードにただただ驚くばかり。御陵衛士の死体が他の衛士を呼び出すための囮とされたのは知っていたけれど、まさか数日もの間、死体がそのまま放置されていたとは…。それはそうと、古文・漢文をもう少し勉強していれば、としみじみ思う。

  • 1996年(底本1929年)刊行。
    著者は元読売新聞・毎日新聞記者。

     新撰組研究の古典だが、小説と同じく流れに乗っているので、本書の意味は書簡などが豊富に掲載されている点か。

     なお、山南敬助に関しては、著者は、土方歳三と新選組内での覇を競い、尊王派の志向を優先したために粛清されたとの立場にたつ。
     かように隊士其々につき、新選組(上京前、更には新選組と名乗る前の浪士組を含め)全体を追いかけた書だが、局長近藤勇の為人を開陳する件が多く、近藤勇論かなと思いつつ読了。

     60年間という戊辰戦争〜底本刊行より、刊行〜現代の方が長いのに溜息がでる。そこまで時代が隔たってしまったのかと。

  • 目撃談の箇所が少なく臨場感に欠ける、資料が原文のまま引用され読み難い、などの点で、個人的には、著者の新選組三部作のオススメ度はこの次の「新選組遺聞」が上回る。新選組好きにとっては周知の内容に満たされているが、これはそれだけ新選組関連の情報が本書を原典としている面が大きいからで、その(司馬遼太郎などの小説家含む)後世への影響力を考えると、読む価値が俄然出てくる。1928年(戊辰戦争後60年)の出版だが、この時期は、新選組関係者への取材などが可能な最後のタイミングでもあった点、ジャーナリストの仕事としても重要な作品と思う。

  •  隊士の心胆を練る(意味: 物事に動じないように、精神力を鍛える)ために、真剣を使う、隊の規律違反犯の切腹の介錯をさせる。そうやって人を斬る呼吸を会得させる…闇夜の中の真剣試合、寝ていることろへ突然切り込むなど、鍛錬は徹底していた(P216)まさに狂気の軍団である。時代背景もあるがタガが外れるとはこのことだ。赤軍派のあさま山荘事件と重ね合わせてしまう。

  • 新撰組の物語を書いた作家さんが名を挙げる方、子母沢寛。これは読まねば!と手に取りました。物語というより史実を記録したような一冊。それだけに迫力があり、歴史に触れているような感覚。三部作という事であと2冊…読まねば!(✧◡✧)2015.10.21読了

  • 新選組の事を学ぶには、欠かせない一冊だと聞いたので。
    三部作ということは、あと二冊あるということなのか……。

    当時の息遣いが伝わってくる。
    幕末の動乱の中にあって、「死」は殊更珍しいことではなかったんだなぁ……。

  • 新選組三部作の第一作。

    新選組の作品は、司馬遼太郎、浅田次郎等、
    数あるが、作家の皆さんが、参考にしたり、
    影響を受けた作品として上げられている。

    絶頂期であった、京都時代の新選組が、
    鳥羽伏見の敗戦から、坂道を転がるように、
    衰退していくのが、ものさびしい。

    時代の変わり目という雨に降られ、
    剣から銃器に、道具が変わって、
    時勢にも見放され、仲間にも去られる。

    ただ、最期まで一緒に戦い、
    生き残った者がいたのが、
    唯一の救いだろうか?

    小説というよりは、
    事実のまとめに近い雰囲気の作品である。

  • 新選組のことを本格的に知りたくなって3部作一気に購入して、夢中で読んだ記憶があります。あのマンガの元ネタはこれか!とか読むのがすごーく面白かったな。ここから、本格的に新選組にはまっていった記憶があります。子母澤さんがいたから、新撰組のことを知っている人たちのインタビューが残っていて、新撰組が歴史の中に埋もれてしまわずに、今のたくさんの新選組の創作本につながっていってる気がします。

  • 厚田村出身の子母沢寛の新選組始末記。
    小説というよりは、新選組の取材のまとめといった感じ。
    このままの流れで浅田次郎を読もう。

  • 司馬遼太郎の『燃えよ剣』も含め、新選組の本を読んでいると、ほとんどと言っていいほど参考書籍で目にする本、それが、子母澤 寛(しもざわ かん)先生の「新選組始末記」、「新選組異聞」、「新選組物語」です。
    かの司馬氏は若いころ「新選組始末記」を読んで、これは自分には越えられないと思って教えを乞いに行ったとか。

    「勝てば官軍、負ければ賊軍」と言いますが、戊辰戦争が終結してから昭和初期まで、新選組の評価は「逆賊」「悪者」というものがほとんどでした。(途中から薩長側が錦を立てていたので実際官軍だったわけですが)
    そんな中、元彰義隊隊士として箱館戦争に従軍した経験を持ち、新聞記者をしていた子母澤が色々調べていると、巷で言われる近藤勇のイメージとは違うものが出てきて気になり、研究を始めたそうです。
    そしてこの研究結果が発表された結果、新選組が再評価されることになったのです。

    この本のすごいところは、元新選組隊士や、新選組の屯所として使われた八木家の息子・為三郎さんへに子母澤先生がインタビューした内容が載っていることです。

    おじいちゃんになってからインタビューしているので、記憶があいまいだったり、言いたくないことだったり美化されたりで、これも史実とは違うこともあるのかもしれないです。あとは、創作も入っているということなので、物語のようで物語でもなく、論文でもなく、と不思議な本ですが、とっても面白くて、勉強になることがたくさんあります!

  • 今でこそ勝てば官軍の偏見も薄らいだが、これが書かれた当時には新選組といえば賊軍の代名詞、殺戮軍団そのものと認識されていたはずだ。よって、取材や記載は想像以上に難航したのではなかろうか。

  • 併せて異聞、物語と三部作読了。
    数々の小説や映画等は、まずはこれがベースになっているのか、と分かるとなかなか面白い。この記録があるからこそ、数々の名作が生まれたとも言えるのでしょう。
    ただし小説でもあり、創作も含んでいる点には注意が必要。

  • 新選組研究第一人者である筆者の研究による記録。

    物語というより取材して得た情報を随筆の形で綴っているという感じ。心打たれるストーリーを求めると肩透かしをくらうが、新選組の出来事に集中しているので時系列で流れをつかみやすく、簡潔で淀みなく読み進められる。(サブ情報は本文とは別に注釈として触れられてます)
    司馬作品など周辺人物のエピソード挿入が多い時代小説で幕末に馴染んでから読むと大筋が理解できスッキリ感が得られます。

    新選組入門者にもわかりやすく、割と知ってる人も基本としておさえたい教科書的一冊。

  • たくさんの新撰組のことを書いた作家の方々が、これを参考にしたのだなぁと、思いました。

    あ、これはこの本で読んだなとか。

  • 新選組に関する読み物の、バイブル的な作品。しかし小説ではなく手紙や記録をまとめ、新撰組の実像に迫ったもの。
    当時の手紙などには送り仮名もなく、読むのは相当に困難。
    しかし、それ故か、人がそこらじゅうで殺し殺されていく様子が淡々と綴られ、ある意味小説より生々しい。

  • 新選組関連の逸話を時系列でまとめたもの。近藤勇の行動と人柄を主軸に置いているため、近藤の死後の転戦の様子については記述が少ない。

    小説ではないため、事実関係や日時などに異説がある場合はそれも併記されているところが面白い。出版当時、関係者や親類が存命しているほどに近い時代であり、正確な記録が抜けている程度に遠い時代だったのだなと思う。

    新選組がいかに人を斬りまくってきたか、というか幕末の政変を巡っていかに人が死んできたか、ということが印象に残った。

  • 本著は、新選組の生い立ちから、近藤、土方の死までを時系列に実録として記されたもの。関係者(子孫等)からの著者自らのヒアリング等をベースに書かれているので、信憑性が高く、より身近なものとして読むことができた。
    子母澤寛の新選組3部作の1作目であり、次巻も楽しみ。

    新選組は、激動する時代の申し子である一方、普遍的な武士の価値観を追い求めたところ、ambivalentな存在に人気の要素があるのだろう。

  • 子母澤寛のデビュー作。昭和3年に出版された。

    本書は著者が旧幕臣の聞き書きを基に、幕末期における新撰組の活動をまとめたものである。
    昭和初期に出版された、歴史ドキュメンタリー作品といったところ。

    旧幕臣たちに実際に聞き取りを基に構成されていることもあり、斬り殺された死体を検分した際の記述は非常にリアル。
    特に清川八郎の死体に関する記述は素晴らしく、刀の切っ先がどの位置から斬りつけてきたか、清川が倒れた後に、顎から頸にかけて暗殺者がとどめの太刀を浴びせたなどが、リアルに伝わるほど詳細。

    物語調の演出が無いにも関わらず、幕末の空気感がイメージできるのは、描写のリアルさにあるのかもしれない。

    作品全体の構成としては、多摩で育った近藤勇が京で新撰組を結成後、池田屋事件・鳥羽伏見の戦い・甲陽鎮撫隊を経て流山で斬首されるまでを描いている。
    読者の方のほとんどの方が気になると思うのですが、池田屋事件以降の近藤の堕落っぷりが凄い。
    このあたりの人間の業を淡々と描くあたりが、非常にリアルで面白かった。
    近藤勇を、どこにでもいる俗物として描くことで、読者の心情的な距離感を近づける効果をつくりだすことに成功していると思いました。

    幕藩体制の基盤が揺らいだ時代、身分制度が崩壊していく様を新撰組のエピソードを頂点として描いた、幕末の社会現象としても読めると思います。
    著者である子母澤寛がこの作品の取材を行っていた大正時代というのは、武士の生き残りが、東京や京都の長屋に住んでいた時代。
    新撰組は歴史になっておらず、そこかしこに幕末の空気が漂っていたのかもしれません。
    そんな時代に書かれた、確かに居た武士たちの息吹を感じる作品。
    かなりオススメです。

    本書に描かれているのは新撰組以外の人物も多く、池田や事件における長州藩の武士に関する記述は興味深かったです。
    特に池田屋で殺された吉田稔麿に関しては、その師松陰が最も可愛がった長州きっての大人物であったなど、その後の歴史に対して感慨深くさせられるエピソードも豊富です。

  • 「壬生義士伝」映画のヒットを待つまでもなく、新選組ファンは沢山いる。私も子どもの頃から映画やTVドラマなどをよく見ていたが、新選組関連の本を読んでみようと初めて手にしたのが本書である。
    一読して、とても感心してしまったものだ。新選組って、近藤や土方や沖田ばかりじゃないのね、こんなにいろんな人たちがいたんだ、と。後に、かなり眉唾ものの話もあると聞き、ちょっとがっかりしたのだが…(笑)。そのあたりの真実はわからない。
    実際の関係者に取材して書かれた、小説というより“聞き書き”調の本である。

  • さすがだなー。石狩が生んだ作家さん・・・だよね・・・(何

  • 史実に基づいているので良い感じだけど、読み辛い;

  • 幕末のころ…、なんて人の命は軽かったんだろう。
    といきなり思ってしまうほど、バッタバッタと人が死ぬ新選組の物語。
    子母沢寛の処女作にして、あらゆる新選組関連創作物の原典ともいうべき作品。

    著者が新選組の事を丹念に取材して昭和初期に書かれた本だが、果たしてどこまでが史実で、どこからが創作なのか、非常に扱いに困る。

    でも、これまで様々な新選組の小説を読んだが、この作品の中の新選組の面々にもっとも生々しく生を感じた。

  • 子母澤寛の処女作。
    新選組の栄枯盛衰を
    史料や現地踏査、聞き取りなどによって
    細密に検証し、再構成した実録。
    新聞記者であった子母澤の圧倒的な取材力が
    行間からうかがえる。
    子母澤の祖父は徳川慶喜の警護にあたった彰義隊の一員であり
    上野戦争に敗れ、敗走して五稜郭まで行き、
    囚われの身となった後
    札幌付近で開墾事業に従い、
    さらに厚田村に移った。
    この祖父への思いがあり、
    明治維新の動乱を
    勝った官軍側から見るのではなく
    敗れた側から見ようという思いが
    この新選組始末記に結実する。
    読むと、史料を掲載しながら
    史実を再構成していくその筆力はすごい。
    近藤勇にスポットが当たっており
    江戸の小石川で道場を営んでいた近藤が
    時代の風に動かされて幕府の護衛として
    京都へ上り、新選組を結成し
    50~60人以上の人を切り
    時代の風にあおられ
    最後は板橋で処刑されるまでが語られる。
    時代は江戸から明治へと移り
    徳川幕府から明治政府へと移ったが
    その過程で幕府を奉った新選組
    近藤勇は歴史の結果論として
    敗者となっていく。
    しかし、その過程では
    それぞれの人物が
    それぞれにその思いを貫いていた。
    そうしたことを訴えかけてくる著作だ。

  • 新聞記者であった著者が、新選組隊士の子孫や当時の関係者から聞き書きしてます、のスタイルであり、史実好きにとってはたまらない構成であると思う。ただ、研究者からするとフィクション(脚色)も多々あるだろうと見解されており、すべてが事実ではなさそうだ。とは言え、現在でも貴重な史料となっており、幕末の物語を著している作家は確実に網羅しているであろう作品。三部作の一作目であり、他二作で内容がかぶっている章もあるのだが、幕末好きなら三部とも手に取ることをお勧め致します。。

全76件中 1 - 25件を表示

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)に関連するまとめ

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)の作品紹介

確かな史実と豊かな巷説を現地踏査によって再構成し、隊士たちのさまざまな運命を鮮烈に描いた不朽の実録。新選組研究の古典として定評のある、子母沢寛作品の原点となった記念作。

ツイートする