- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122027589
感想・レビュー・書評
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史実に基づいているので良い感じだけど、読み辛い;
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幕末のころ…、なんて人の命は軽かったんだろう。
といきなり思ってしまうほど、バッタバッタと人が死ぬ新選組の物語。
子母沢寛の処女作にして、あらゆる新選組関連創作物の原典ともいうべき作品。
著者が新選組の事を丹念に取材して昭和初期に書かれた本だが、果たしてどこまでが史実で、どこからが創作なのか、非常に扱いに困る。
でも、これまで様々な新選組の小説を読んだが、この作品の中の新選組の面々にもっとも生々しく生を感じた。 -
子母澤寛の処女作。
新選組の栄枯盛衰を
史料や現地踏査、聞き取りなどによって
細密に検証し、再構成した実録。
新聞記者であった子母澤の圧倒的な取材力が
行間からうかがえる。
子母澤の祖父は徳川慶喜の警護にあたった彰義隊の一員であり
上野戦争に敗れ、敗走して五稜郭まで行き、
囚われの身となった後
札幌付近で開墾事業に従い、
さらに厚田村に移った。
この祖父への思いがあり、
明治維新の動乱を
勝った官軍側から見るのではなく
敗れた側から見ようという思いが
この新選組始末記に結実する。
読むと、史料を掲載しながら
史実を再構成していくその筆力はすごい。
近藤勇にスポットが当たっており
江戸の小石川で道場を営んでいた近藤が
時代の風に動かされて幕府の護衛として
京都へ上り、新選組を結成し
50~60人以上の人を切り
時代の風にあおられ
最後は板橋で処刑されるまでが語られる。
時代は江戸から明治へと移り
徳川幕府から明治政府へと移ったが
その過程で幕府を奉った新選組
近藤勇は歴史の結果論として
敗者となっていく。
しかし、その過程では
それぞれの人物が
それぞれにその思いを貫いていた。
そうしたことを訴えかけてくる著作だ。 -
新聞記者であった著者が、新選組隊士の子孫や当時の関係者から聞き書きしてます、のスタイルであり、史実好きにとってはたまらない構成であると思う。ただ、研究者からするとフィクション(脚色)も多々あるだろうと見解されており、すべてが事実ではなさそうだ。とは言え、現在でも貴重な史料となっており、幕末の物語を著している作家は確実に網羅しているであろう作品。三部作の一作目であり、他二作で内容がかぶっている章もあるのだが、幕末好きなら三部とも手に取ることをお勧め致します。。
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再読。おそらく3回目。
3回も読見直す本か?というと、読むほどにすいすい。読みやすく筆者が何を書き記そうとしたのかも理解できる。よーな気がする、この頃。
一つは歳三は近藤あってのもの。二つが維新明治側からの記録で見ると誤解されて当たり前の近藤勇について、本人と親戚の言葉をもって本に残した。いわゆる書かれるべくして書かれた書物。
昭和3年の時点で50年前のことを取材し読み物に仕上げたもの。
言葉は100年でそれほど大きく変わらないが、人とその生きる社会は、今の私じゃ感情移入が難しいほど様変わりしている。 -
清川八郎の殺害時の話が面白かった。小説なのか、研究成果を分かりやすく書き記したのかは不明だが、土方歳三の恋にまつわる俳句が3本線で消されていた等のエピソードがあり、本人をなんとなく伺えて楽しい気分になる。
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著者の新選組三部作全て読みましたが良かったです。実際に新撰組と縁の深い人たちから話を聞いているので、とても信憑性がありますし、隊士たちの知らなかった一面が垣間見れます。
個人的には、近藤さんが板橋で処刑される際の
------江戸の空をしばらく見ていた------
と処刑の様子を目撃していた近藤さんの義理の子の勇五郎さんの証言にはぐっときました…
流山の朝という、近藤さんが官軍に捕らわれる前の心境を想像して書かれた小説も切なかった…でも、どこか吹っ切れた心境があったのかな、と私も思います。
後、新選組内で土方さんが嫌われていたのは分かりました…まあ、鬼の副長と呼ばれてた訳だし…九尾の狐って言われたのは本当なんですか…w -
新選組好きを語るならこれは必読書。
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史実に興味を持ち始めた頃買って、さっぱり意味がわからなくて放置していた一冊。幕末の流れをだいたい知ってから読んだ方がいいと思います。定説に慣れてから読むと逆にちょっと違う内容に出くわしますが、それも姿を変える「歴史」の一部とゆうことで。「~談」の文字を見るたびに、幕末がついこの間だった空気感がリアルに伝わってきて妙な感覚に…。随筆とも史談とも小説ともつかない内容はちょっと読みづらい部分もありますが、色んな新選組関連本がこの本を参考にしているそうなので、一度手にとってみる価値はあるかと思います。