ノラや (中公文庫 う 9-5)

著者 :
  • 中央公論新社
3.85
  • (178)
  • (169)
  • (220)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 1841
感想 : 225
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122027848

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 猫エッセイ古典ということと、中公文庫は旧かなだったので購入。表紙が町田康撮影猫写真だったというのも購入のきっかけに。
    暖かさも哀しさも、全てはただただ可愛くてたまらない猫、人生の一部に融け込みいつかは去って行く猫 。
    言葉にならない猫とのひきこもごもが老百間の円熟した文章から伝わってきます。
    我が家の駄猫のかけがえのなさを再確認した一冊。

    げに夢猫をうつつにぞ見る。

  • 「ノラや」「クルや」
    内田先生の嘆きっぷり、泣きっぷりがしみじみと心に染みる。

    愛する者を亡くした悲しみを、ここまでユーモラスに読ませるのはやはり作家たる宿命か。

  • これを読むと内田百閒先生が大好きになります。
    ゆっくり流れる日々と、それに添うようにゆっくりと動く心情の変化。
    時間の流れることがこれほど切ないものかと感じました。

    映画「まあだだよ」は黒澤明監督のもので一番好きな映画ですが、「ノラや」を読んだらぜひ、合わせて観てほしいと思います。内田百閒先生の随筆を原案に描かれた映画です。

  • 数ある内田百けん(門に月)の作品の中で、最も好きな本を敢えて一冊選ぶとしたら、間違いなく「ノラや」を挙げたいと思います。愛猫の失踪に取り乱す姿は涙を誘いますし、著者の「人となり」や内田文学の魅力の秘密が垣間見えて、内田文学に魅了され始めた方や猫好きの方にはお勧めです。

  • 内田百閒の小説。
    フラッと家に迷い込んだ野良猫「ノラ」とどこかの飼い猫かもしれない猫が迷い込んだ「クル」のお話。と、言っても主役は猫じゃない。百閒先生が主役。元々百閒先生は猫が嫌いだったのだ。
    その百閒先生が、野良猫のまま飼うとしながら名前をつけ、3月26日に居なくなる。
    そこから、百閒先生の嘆き悲しみが面々と続く。日記風。今で言うブログだ。
    その悲しみ方が半端じゃない。大正の時代に謝礼金3000円で広告を出す。
    そしてクルがやってくる。ノラと比較して、またノラ恋しと泣く。
    そういう姿を見て、笑えばいいのか同情して泣けばいいのか?
    これを読む猫好き読者はどうだったんだろう?
    百閒先生の心情は充分理解しながらどうしても泣けなかった。
    微笑ましくもなかった。「百閒先生、アホちゃうん」
    あ、これは小説なんだ。この本他に猫飼い人の随筆もあり、猫嫌いを自認していたのにすっかり猫好きに。後できた「クル」がやっぱり「ノラ」がいいと言われるので可哀想でした。

  • ≪内容覚書≫
    妻と二人暮らしのさびしい我が家に、
    野良猫が子猫を置いていった。
    野良猫の子だから「ノラ」。

    安易に名付け、安易に構っていたら、
    いつしかかけがえのない存在になっていた。

    行方知れずとなった「ノラ」に、百閒先生が語りかける。

    「ノラやノラや。」

    猫への愛情あふれる一冊。


    ≪感想≫
    あー、わかるなー。
    ネコではなく、イヌを飼っていたけれど、
    その時のことを思い出して、泣けてきた。

    猫の描写、
    一つ一つに愛が溢れていて、
    愛しくなる。

    小動物を飼っていた人には、
    伝わる温かさがあると思う。
    ない人にも、伝わればいいと願う。

    しかし、どんな堅物に見える人間でも、
    裏では、「ネコちゃ~ん。」とか、やってるんだな、と思うと、笑える。
    いや、百閒先生は、「ネコちゃ~ん」とは言ってないが、
    雰囲気としては、まちがいなく、そんな感じ。

    百閒先生のネコへの愛情に触れて、
    心癒された。

  • 「ノラや」「クルか」の呼びかけにしんみり。
    猫好きに(犬好きでも可…むしろ身近にこうやって生き物と共にあるならば)は文句無くお勧め。
    ちくわを千切ってあげるシーンにぐっときました。

  • 執着に執着したらこうなる

  • ノラがいなくなってからの内田先生の泣き虫っぷりに悪いとは思いながら苦笑してしまった。

  • とにかく内田先生の嘆きっぷりがすごい!
    愛していたのね…。

全225件中 81 - 90件を表示

内田百けんの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ほし よりこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×