マンガ日本の歴史 1 (中公文庫 S 12-1)

  • 中央公論新社
3.77
  • (7)
  • (13)
  • (8)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 127
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028227

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マンガ 日本の歴史〈1〉秦・漢帝国と稲作を始める倭人
    1997.03発行。字の大きさは…小。

      マンガで日本の歴史を描いたものです。
      作画/漫画家・石ノ森章太郎
      原案執筆/帝京大学教授・義江彰夫

    此度は、縄文時代から弥生時代までです。

    水稲耕作が渡来した紀元前300年頃の日本は、縄文期の最末期です。
    すでにイモやアワの栽培を行われていましたが、基本的には狩猟や漁業を中心とした自然物の採集の時代です。

    大陸朝鮮から渡来人が、海を渡って稲を持って日本列島へ移り住んできます。
    稲作文化が、集落を作り、そして、より大きな集落を作っていきます。
    力が強い集落が、上に立ち集落が集まっていきます。

    そして、力を持ったものが大陸朝鮮の楽浪府(らくろうふ)へ貢物を持って、そして、後漢へ貢物を持って行きます。
    後漢王朝から、倭の奴国へ「金印」が……。

    【読後】
    歴史本を読もうとしたときに、たまたま、この本を書店で見て読んでみることとしました。
    マンガを読むのは、数十年ぶりです。
    このシリーズは、現代まで55冊有ります。気長に読んで行きます。
    2021.02.04読了

    【ポイント】
    ・縄文時代
     海辺に住む者は、漁や貝を獲って
     山地に住む者は、シカやイノシシを獲り
     自然の猛威のなか、人々は自然に宿る「神」をひたすら恐れ、
     自然(神)を宥めるため呪術・祭祀に頼りました。
     人口の増加や乱獲によって……
     縄文期末期の社会は相当に行き詰り、
     デッドロックに乗りあげていた。

    ・弥生時代
    《集落の形成》
     朝鮮から渡来人が稲を持って、倭人と交わり集落を形成していきます。
     貯蔵するために壺などを作り、高倉を作り、力がある集落は大きな高倉を作り、
     弥生時代の集落は、周辺をぐるっと濠が取り囲んでいます。
     いわゆる環濠集落です。
     それは集落が自覚的に意識的に作られた社会であることを示しています。

    《神遊び》
     神を祭る祭り方にも、大きな変化が生じるようになります。
     「神遊び」は、男女が交わり、神の持つ霊能を獲得しょうとしました。
     そして「神遊び」は、神を仲立ちにして、男女が契る場であった。
     神の許す場という限られた所での認められる行為であった。
     村境の神、道祖神が男女の契りを司る神であるのは、古代人の愛の形の名残りである。

    《百余国の王》
     水稲耕作を中心とする栽培農耕が定着するに従い、
     集落により力の差が出て来ます。
     そして強い力の集落が、周りの集落を従えて行きます。
     そして百余国の王と民衆が生まれます。

     より大きな国を従えるため、権威を、そのしるしとして印を、
     百余国の王たちは、中国の朝鮮支配の拠点である楽浪郡まで競って貢献に及んだ。
     それは、中国・朝鮮の文物の輸入が、王権の意向を高めるのに不可欠だったからである。
     そして楽浪郡を仲介にして、中国・漢王朝へ貢献に及んだ。
     後漢王朝から、倭の奴国王へ「金印」が授けられる……。
     朝鮮の楽浪の太守へは、「銀印」を……。
     匈奴王へは、「銅印」を……。
     漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)は、日本で出土した純金製の王印(金印)です。

    一夫多妻というよりは、多夫多妻の社会であった。
    王の墓を作り、より大きな墓を作りと、権威を高めるために、より大きな墳墓が出来ます。
    2021.02.06追記

  • 日本の歴史をもう一度おさらいしようと読んでみた。性描写があるため、大人向けだと思う。

  • 改めて日本の歴史を学びたく読み始めた。これは面白い。ストーリー自体が面白く読みやすい。紀元前後の縄文時代から弥生時代への変遷を書いている。狩猟中心の縄文時代に限界(獲物が獲れなくなる)が訪れ、ちょうどその頃、中国王朝(漢や秦)、朝鮮から人や情報が伝わり農作中心の弥生時代へと移り変わっていく。次第にムラを形成し、ムラ同士の争いが起き、王権が確立してくる。各王が領土拡大を目指し、奴国統一を図る中、より権力を誇示するための印を求め、朝鮮、中国へ朝貢を行っていったという流れは面白い(その結果の、漢委奴国王の金印)。また、神の扱いも面白い。縄文前期?は、神は自然を司どり恐れるものであったが、弥生時代の農作により自然のサイクル中心の生活、自然をコントロールできる部分が出てくると、神は祭るものとなっていく。

  • 水稲耕作の伝来とともに弥生文化が栄えゆき、やがて中国の統一王朝後漢に朝貢した「倭人」は、光武帝から金印を授けられる。

  • 石ノ森章太郎氏の日本の歴史。小学生の息子に読ませようとしたが、難解な様子。でも一番おもしろいな。

  • 稲作が始まり、食料を貯めることができるようになったからこそ、争い(戦争)が始まってしまったように思えてしまうのはなぜだろう。

  • 卑弥呼のイメージがよく伝わって来ます。

  • そんじょそこらのマンガ日本の歴史と違います。さすが石ノ森章太郎先生の作品、1本筋が通ってます。ざっと通史を追いたいときにも重宝するし、歴史物語としても楽しめる。

  • 中国の史書と日本の遺跡から推測される、古代日本の様子。内容的に、結構大人向けな感じ。

  • (1)〜(4)微に入り細に入り、詳しく想像も織り交ぜて日本の歴史が描かれている。そしてやはり風景などの絵も力が入っていて尊敬する。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

石ノ森章太郎

一九三八年(昭和一三)、宮城県生まれ。高校在学中に『二級天使』でデビュー後、一貫して日本漫画界の第一人者として活躍。代表作に『サイボーグ009』(講談社児童まんが賞)、『佐武と市捕物控』(小学館漫画賞)、『マンガ日本経済入門』、『マンガ日本の歴史』全五五巻(アジア漫画大会漫画アカデミー賞大賞)、『マンガ日本の古典1 古事記』など多数。一九九八年(平成一○)一月死去。

「2022年 『文庫 新装版 マンガ日本の歴史 全27巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石ノ森章太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×