中国行きのスロウ・ボ-ト (中公文庫 む 4-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028401

感想・レビュー・書評

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  • 初めての村上春樹小説。短篇集。「貧乏な叔母さんの話」を読んでみたくて。直喩の多い物憂げな雰囲気に触れて、好みが二分する理由はなんとなくわかった。作品としては、「シドニーのグリーン・ストリート」のような、登場人物に愛嬌が残された意味のわからなさは好みに近い。「カンガルー通信」の語り口も嫌いではないが、このデパートの人事管理は大丈夫なのか。語り手の『僕』に何やら明るい狂気を感じた。

  • 「中国行きのスロウ・ボート」
    「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
    「シドニーのグリーン・ストリート」が特にすきだった。
    全体的にのんびりと流れるペースが夏休みが終わりかけているこの時期にぴったりだった。

    台風の日の動物園に行きたい。

  • 久しぶりに村上春樹の短編を再読。 今ももちろん素晴らしいのだけれど、この短編を書いていた頃の村上春樹は、ヒリヒリしたものがあった。この乾いた文体がやはり好きだ。比喩が独特で惹きつけられる。

    中国人教師の試験監督、百科事典を売り歩いている中国人の同級生、そして19歳の時にバイトで一緒になった中国人の女の子。

    初めてこの物語を読んだのは20歳の時だが、今でも鮮明に記憶に残っている。当時の自分の気持ちを思い出した。

    「彼女の熱心さには、彼女のまわりのあらゆる日常性がその熱心さによって辛うじて支えられているのではないかといったような奇妙な切迫感があった」


    「いくつかの希望を焼き捨て、幾つかの苦しみを分厚いセーターにくるんで土に埋めた」


    「中国。僕は数多くの中国に関する本を読んだ。『史記』から『中国の赤い星』まで。それでも僕の中国は僕のための中国でしかない。あるいは僕自身である。それはまた僕自身のニューヨークであり、僕自身のペテルスブルグであり、僕自身の地球であり、僕自身の宇宙である」

  • 今更ながらに初の短編集を。
    「らしい」けど今ひとつよくわからん、でも面白い、と思いながら読み進める。「午後の最後の芝生」が気に入り、最後に羊男が出てきて、知らない土地で知り合いを見つけた気がしてホッとする。

  • ちょっと難しかったです。

  • カンガルー通信は何度読んでも面白い。
    すごい人だなぁ


  • いいなぁこの本。
    なんとなく、小川洋子さんを感じた。
    それとも小川さんの中に村上さんを感じるのかな。
    コーヒーとか芝生とかリゾートホテルとか、夏のモワッとした空気にむせかえる。
    読み終えて夏の終わりの切なさと似たものを感じる。
    だって、中国はあまりにも遠い。

  • 死とか喪失とかを感じさせる話が多かった。
    犬の話は前向きな感じがしたけど。

    羊男と博士の話はハッピー。

  • 短編集。「中国行きのスロウ・ボート」が好き。
    山手線で逆回りを教えるなんて、さらに電話番号まで失くしてしまうなんて!
    かわいそうな感じがするし切ない感じもする、かといってそこまで気にする話でもない気もする。不思議。

  • 最近は村上春樹の長編よりも短編が好きになった。
    この本の中では「土の中の彼女の小さな犬」がとても好きになった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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