- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122028906
感想・レビュー・書評
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(2016.02.06読了)(2016.01.31借入)
良寛さんの名前は知っているし、子供と一緒に手鞠をついて遊んでいた、という逸話も聞いたことがあります。でも、いつごろの時代の人で、ほんとうは何をした人なのかは、知りませんでした。
Eテレの「100分de名著」で取り上げられたので、番組を見て、テキストを読んで、興味を惹かれたので、関連本を少しずつ読んでいます。この本が4冊目です。
小説家の水上さんが書いているので、小説なのかなと思って、読み始めたのですが、良寛さんの評伝のようです。水上さんも、坊さんの修業をしたことがあるのだそうで、ときには、自分の体験と照らし合わせたりしながら、記しています。
丹念に描かれている評伝なのだろうと思います。残念ながら、良寛の作品について、現代語訳的なものが付いているのは、少ししかなくて、僕の日本語力では、良寛の作品を現代語訳なしに理解することができません。従って、水上さんが読者に伝えたいことをしっかり受け止めることができませんでした。ほかの人の本に当たってみたいと思います。
墨絵のような挿画が随所に入っていますが、安野光雅さんでした。寂しそうでもあり、ちょっとユーモラスでもあります。難しそうな文章に緊張を和らげてくれる役割を果たしてくれます。
デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説
良寛 りょうかん 1757/58-1831
江戸時代中期-後期の僧,歌人,書家。
宝暦7/8年生まれ。曹洞宗。越後(新潟県)出雲崎の名主の子。備中(岡山県)円通寺の国仙の法をつぐ。のち帰郷して国上山の五合庵にすみ,托鉢の合間に詩歌や書をたのしんだ。詩集に「草堂集」,歌集に弟子の貞心尼編「蓮の露」がある。天保2年1月6日死去。74/75歳。俗名は山本栄蔵。字(あざな)は曲(まがり)。号は大愚。
【格言など】うらを見せおもてを見せて散るもみぢ(辞世)
【目次】
良寛
あとがき
解説 篠田一士
●荘子(114頁)
何もないがらんどうの部屋にあった一冊の本は、祖師の語録ではなく、『荘子』だった。
荘子は周知のように、老子とともに中国における精神世界の帝王である。人を喰った諧謔で一切を茶化しながら、常識的思考や世俗的価値に反逆、何ものにもとらわれない自由人の生活をもった人である。
☆関連図書(既読)
「良寛 旅と人生」良寛著・松本市壽編、角川ソフィア文庫、2009.04.25
「風の良寛」中野孝次著、文春文庫、2004.01.10
「良寛『詩歌集』」中野東禅著、NHK出版、2015.12.01
「老子・荘子 世界の名著(4)」老子・荘子著・小川環樹・森三樹三郎訳、中央公論社、1968.07.20
「くさらなかった舌-日本霊異記-」水上勉著、平凡社、1977.12.05
(2016年2月9日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
寺僧の堕落を痛罵し、妻や弟子ももたず、法も説かず、破庵に独り乞食の生涯を果てた大愚良寛。その人間味豊かな真の宗教家の実像を凄まじい気魄で描き尽くした水上文学のエッセンス。毎日芸術賞受賞作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p14 宝暦8年12月 出雲崎の山本以南、秀子の間に生まれた
出雲崎の橘屋 代々名主 宝暦8年は落ち目
p23 出雲崎は同じ天領佐渡国と結ぶ要港で、とりわけ佐渡の御用金の陸揚げ地で繁忙を極めた
p77 岡山 玉島 円通寺
p149 宗派曹洞宗で永年の本山争いがあった 越前の永平寺と加賀の総持寺との間で行われていた 明治に総持寺が横浜鶴見へ移り、調停が行われてようやく決着がついた