- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122030343
感想・レビュー・書評
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鬼政一族の勢い盛んな時期から、
頭首が亡くなってから戦後にかけて廃れていくまでの様子。
それが、一族の養女松恵の目を通して描かれる。
松恵は聡明さと生真面目さからいろいろな局面で苦労を背負い込み、
それでも地道な努力で学び続け強く生き抜いているようにみえる。
一方、境遇・生き方が全く対照的なのが頭首の一人娘花子。
でも、とくに女の人が自分で道を切り開く事は難しい時代に
運命に翻弄されるしかないのは松恵も花子も他の女たちも同じで、
どちらが幸せとかは簡単にいえない。
そのどうしようもなさが、
すごい(語彙がなくて何と表現したらいいかわからないです)
文章で表現されていました。
最近の小説を読みなれていると、
本当にすごい文章だなと思ってしまった。
でも難しいわけではなくて、
一族の表と裏、人々の人間像も際立ってて面白いです。
映画になっていたけど、この小説自体が映画のようでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高知が舞台の時代物。
夏目雅子さんの映画のほうが有名か。
宮尾登美子さんの文章は画が見える。 -
不条理な松恵の人生へのやるせなさ、松恵の諦観への腹立ちなどで、しっかり読むことができず斜め読み。
現代とは時代が違うのだ。 -
夏目雅子で有名なあの映画の原作。
男稼業(ヤクザのことをこの本では任侠、侠客、男稼業と呼んでいる)の養女になった松恵の目を通して鬼龍院家の繁栄と没落が描かれている。
頭がいい事と、それを生かせる運があるかどうかは別次元の話。ただし、自分の人間としての器を大きくしていく事で運を引き寄せる事は可能。流れに逆らうのは不毛。
どこの世界でも頭のいい(切れる)人はいる。この本では歌と松恵。
(2004.11.27) -
宮尾さんの作品でははずせない本。