長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)

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著者 : 佐瀬稔
  • 中央公論社 (1998年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122031371

長谷川恒男 虚空の登攀者 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 長谷川恒男もまた、山に魅入られた男。
    森田勝ほどの天然ではなく、常識をわきまえているゆえに、集団で行動できずソロクライマーの道を選んだ。
    ところどころで昔のパートナー、遠藤のコメントが入ってくるのだけれど、これが切ない。美化されているのかもしれないが、理解と尊敬の心があって。もっときちんと話せばよかったのに。

  • 登山に格別興味があるわけでもなく、長谷川恒男を殆ど知りませんでしたが、読了後安易にも山登りをしてみたいと思う自分がいます。

  • 戦後のハングリーな時代から、世界に通用する登山家が現れたという視点が面白い。想像するに、高度経済成長で世界進出した日本企業にも、同世代の熱い群像の活躍があったのだろう。それにしても、今の成熟社会で、同じような強烈な成功願望を堅持することができるのだろうか?純粋な達成願望だけで、命懸けの勝負を続けることができる人は希少ではないだろうか?
    全編にわたり、ピーク・ハントを競うアルピニズムの世界を読み進みつつ、日本の変質や人間の行き方についても考えさせられる良書でした。

  • アルピニズムはスポーツの埒外にあります。自分を表現するという意味で、むしろ芸術に近い…

  • 野球選手やサッカー選手の評伝なら、競技を始めた理由については、親に教わった、部活に入った、やってみたら面白かった、という程度の記述ですませても許されるのかもしれない。しかし、登山はそうではない。生命の危険を冒してまで、人はなぜ山に登るのか。「そこに山があるからだ」という、いかようにも解釈できる回答は、問いの深さを映し出しているからこそ私たちの記憶に長くとどまっているのではないだろうか。

    本書は、長谷川恒男(1947−1991)が山に登り始めた理由を、彼が生まれた時代に求めている。団塊の世代800万人が否応なく放りこまれた過酷な人生のレースというものがあり、そこから落ちこぼれた人々、反逆した人々が向かった先に登山があった、という説明には説得力がある。戦後日本の混沌のなかで山に向かった世代の生態描写は興味深かった(第一章「八百万人の風景」)。

    登山家の評伝は、登山を始めた理由だけでなく、登山を続ける理由にも紙幅を割かなくてはならない。本書は、登山家・長谷川の成功や失敗をつぶさにたどっているが、記述の中心は、なぜその年に、その山を、そのコースで登ろうとしたのか、という動機の掘り下げである。その点でも、登山家の評伝は他のジャンルのアスリートス本とは異なる。他の競技なら、自己記録更新をめざすのは当然、オリンピック出場をめざすのは当然であり、従って、動機の説明よりも、いかにパフォーマンスを向上させたかという技術論が中心になるのではないだろうか。

    同じ著者による森田勝の本(『狼は帰らず』)に続いて本書を読んだが、読み終わったいま残っているのは、明暗を分けた2人の登山人生のコントラストの余韻ではなく、同じようなコンプレックス、同じようなエゴに縁取られた、動機の描写の濃密さの記憶である。

  • 孤高の登攀者、長谷川恒夫。
    エベレスト登山隊での経験を契機に、「ソロ」の道へと突入していく。
    ヒマラヤ8000m峰に1座でも登頂していたら、もっと違う人生になっていたのでしょうが…。「ハセガワカップ」はこの人から名前を頂いたんですね。読んだ後に知りました。

  • 佐瀬稔の登山者シリーズ。
    知っているようで知らなかった長谷川恒夫の半生。
    幼少期から、社会人になり岩にのめり込んでゆく姿は鬼気迫る。

    本人の性格もあり、グループ登山から単独登攀へ進む。
    欧州三大北壁の冬季単独登攀を達成し、絶頂期に入るがヒマラヤでは最後まで頂を踏むことができなかった。

    登山が全盛だった時代を生きた一人のクライマーの生き様が強烈です。

  • アルプスでは素晴らしい業績をあげた長谷川恒男も、ヒマラヤではことごとく敗退。生きていくことについてまたまた考えさせられてしまいます。

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