考える人―口伝(オラクル)西洋哲学史 (中公文庫)

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著者 : 池田晶子
  • 中央公論社 (1998年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122031647

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考える人―口伝(オラクル)西洋哲学史 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 世界の変人、哲学者のことばを借りて、池田某というこれまた強烈な変人が、「考え」にその身体を貸す。
    哲学は学ぶのではない。するのだ。専門書や解説書をひも解いたところで、哲学はできない。自分のことばで言葉と向き合い、考えるとき、必ずわかる。語りえないものを語ろうとする情熱や苦労、わかってしまった驚きや恐怖が手に取るように伝わってくる。
    不思議だ。こうも考えていることが同じだというのに、なぜ、違ったことばで語られるのか。ヴィドゲンシュタインのことばを借りて池田某が語ろうとするが、そこには明らかな無理と苦労がある。なぜ、彼のことばであって、彼女のことばではないのか。なぜ違うことばなのに同じことについて考えることができるのか。
    Aであると言う時、なぜAでなければならなかったのか。なぜそれがAだと知っているのか。考えられるのに語れないことばの始原。絶対矛盾的自己同一…。
    それに気づいたギリシアの先人たち、ヘーゲル。その深淵を覗き込んでしまったために戻れなくなったニーチェにヒューム。翻って道徳を説くカントにベルグソン、レヴィナス。それでも書こうとしたプラトン。地道な意味づけから隙間を埋めようとしたアリストテレス。外堀から埋めていったヴィトゲンシュタイン。とりあえずそういうことにしておこうと「信じた」キリスト教哲学にロック。
    あぁ、真理は万人にひらかれているというのに、なぜ真理を万人が求めないのか。わからないとなぜ言えてしまうのか。物自体、神…ことばの絶える刹那―喝!問うのではない、問いそのものになれ!乾いた小気味のよく突き刺さる禅のことばよ。
    最後に斉藤某という人がことばを寄せている。池田某の所業について「遊び」だという。だが、それならどうしてこうも池田某はわからせようと先人のことばを借りたのか。「書く」ということは「慰み」なのだ。「遊び」ではない。池田某ならこう言う。「遊びだったらもっと楽なのにねぇ」

  • 答えはここにも無いし、ない答えを知っているような哲学者と、こざっぱりした作者。

  •  日本の哲学研究者による西洋哲学史の解説書・・・なんてことを書くと著者の池田先生に目ん玉飛び出るほどに叱られたに違いない。哲学関係とくに哲学史について書かれた本を手にとればだいたい、ソクラテスから始まってプラトン、アリストテレス、そんでキリスト教哲学、デカルトいってヘーゲル、カント、ニーチェ。マルクスとかフッサールが出てきてフーコーとかデリダとか・・・そんで訳わかんなくなって・・・。本書もそれに近い体系付けがなされているのであるが、軽快な文体とご自身の体験や世の中への不満を交えた論の進め方は読者を容赦なく引き込む。哲学史全体を網羅しつつ、ここまで興味深く読み込める哲学解説本といえば他には白取春彦先生くらいか。さらに歴代の著名な哲学者を絡めながらスカッとする世間批判をかませるのは他には中島義道先生くらいか。女性ならではの視点もさりげなく盛り込んでいるのも抜け目ない。ご病気のため年齢若くして亡くなられてしまったのが残念だが、老若男女すべて含めて日本、いや世界屈指の哲学研究者を超越した哲学者あるいは思想家だと思う。

  • 著者が考え、それをまとめた西洋哲学史。
    たぶん、賛否両論というより好き嫌いがハッキリ分かれる本だと思います。
    私は楽しく読めました。普通の哲学解説書を読むよりは、これを読んだ方が面白いと思います。

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