ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)

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著者 : 吉本ばなな
  • 中央公論新社 (1998年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122032071

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吉本 ばなな
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よしもと ばなな
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ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 今の自分の考え方や感性の在り方に
    最も影響を与えた作家は
    高校時代にハマった
    村上春樹と吉本ばななです。


    特にばななさんは
    独特な切ない感性を
    かなり意識的に
    真似てましたね(笑)




    小さな宗教家の家に生まれた
    マオ。

    インド人の青年のハチ。


    刹那的に生き
    高校卒業前に死んだ
    「おかあさん」と呼ばれた
    大人びた少女。



    夜中の3時に聞こえる大学堂と呼ばれる
    ホットドック屋台の音楽。


    パジャマのまま歩く
    甘やかな真夜中の散歩。


    闇に潜む死の予感。




    ばななさんの作品に自分が共感するのは
    痛々しいほどの『切実さ』です。


    文章の隅々から沸き立つ
    その切実な想いに
    痛みを知る人であればあるほど
    強く打たれるハズ(^_^;)




    不思議な力を持ったおばあちゃんの予言
    「お前はハチの最後の恋人になるだろう」
    に導かれ
    インド人のハチと恋に落ちる
    17歳の少女マオ。



    本当に好きな人といると
    コーヒーが冷めていくことすら
    美しいと思える、

    そんな時間を
    読む者も追体験していく
    刹那な幸せ。




    別れることを前提に一緒に暮らす二人だからこそ
    平凡な生活が
    輝いてみえるのかな。


    いつまでも続きはしない「青春」というべきものを
    永遠に続けるべく奔走する二人の姿が

    本当に切なくて、潔くて、
    胸を締め付けられます。




    なかなか気づけないことだけど
    街は生きていて
    朝は毎日違う。

    単調で面白くない毎日に感じても
    街はセットや背景なんかじゃないし、
    今日の月と
    明日の月は同じじゃない。


    この作品から自分が学んだことは
    意識しなきゃ解らない
    精神の在り方や
    モノの見方でした。

    それは今も生きて
    自分を支えてくれています。




    いつか消えてしまうものへの情景と、

    過ぎ去ってしまうからこその
    刹那な輝きが詰まった、
    切なさいっぱいの小説です。

  • 私の1番の本。

    何かが噛み合ったときに読むと大号泣する。そんなこともなくさらーっと読める時もある。

    名作。
    言葉が過不足なくて、美しい。
    名言がたくさん。

    ハチ公との荒削りなとろける日々。
    マオちゃんの絵を描くときの心の動きと形、色彩。
    これがとってもわくわく、きらきらしてる。
    世界は輝いてみえる。

    おっきな話で、人生をゆったりのびのびと生きる勇気が湧いたよ。

  • 吉本ばななは読む時を選ぶべき。
    仕事に忙殺されているとき、人間関係に疲れきっているとき、失恋してしまったとき、何かに疲弊しきった状態で本を開くとひらがなばかりの緩やかな文体が自然と体に染み渡っていく。

    「なにか本を読むかー」で普段何気なく読んでも、つらつらと綴られた文章に味気なさを感じるが、傷心に浸りたいときや余計なこと考えられないくらい疲れてる精神のときに読むと、人間の心の生々しさみたいなものに触れているような気がする。
    わからないが。

  • 「サウスポイント」はこの作品の続編(?)みたいだったので、すぐにでも読んでみたくなって。

    いやぁ、ほんと、サウスポイントに繋がってて良かった。ほんと、良かった。

    この、身を切り売りしているような精一杯さ、完全であるから儚いという、太古から決まっている約束のような理に、それでも受け止めて愛して乗りこえて、「思い出」となって前に進んでいく正しさが、痛かった。

    そんなきれい事じゃ、分からないし、物分りよくなれないし、夢を見ていたいし、ハッピーエンドしか見たくない。なんて、実は生々しく痛々しく感じてしまったりするのだけど、それも全部ひっくるめて、「今」を感じて生きることへのキラキラなんだろう。

    そして、自分を生きて、奇跡を起こして、次の世代へ続いていく。

    ばななさん、すごいなぁ。

  • 宝物の一冊。
    大好きな人を思う心にとても共感。
    マオちゃんの目線とか。。
    周りの人との関係、環境、、それをどう捉えてるか。
    いい言葉がたくさん。。
    心が震えました。
    泣ける。。。
    自分の琴線に触れまくった。
    私も似たようなこと考えるなと思いました。
    あと、もっと自分の気持ちに真摯に向き合いたいと思いました。

    最後の描写は、私も新宿の大通りで似たような事を思った事があり、状況がかさなりました。
    お母さんとあーなったことも。変わるんだ…、、という気持ちも。。。
    私の中で、ハチは私の親友に似てます。私は親友と出会えた時に初めて心許せる人が出来たと思いました。世界が鮮やかになった。時間が美しくなった。楽しくなった。生きるのって悪くないなって思えた。真の友達ってこんなにこんなに良いんだって思いました。

    色んな事がすごい。
    この本に出会えてよかった。。

  • 2016/06/19
    いつかお別れするという確信。
    それは、このハチとマオのようなものではなくても、諦めのように持っている。
    今こんなに楽しいのに、この時間はすぐに終わってしまう。
    こんなにも気が合う私達なのに、いつかは疎遠になってしまう。
    そうやってみんな生きてきている。
    忘れないけど、忘れていく。

  • 今ある日常を大切に。
    終わりがあるからこそ気づくことができる。
    終わりがみえないから、その当たり前さにスポイルされて気づけない。
    同じような、違う毎日に感謝を。

  • 終わりがみえてる恋だからこそみえるものがあるんだね。タイミングが合わないからこそ気が合うんだね。2人の恋は違う形で続いていくんだね。なんだかちょっぴり切なくなったけど読んでよかった。

  • 宗教家の家に生まれたマオと、インドの山奥で修行するというハチ。スピリチュアルな2人の期限付きの恋。
    相変わらずのよしもとばななワールド。あり得ない設定ながら、終わることが決まっているからこそ、今を大事にする2人の恋が切ない。「なんでこんなにすばらしいことをみんな、毎日してるのに、みんな、特別には幸せそうじゃないの?」という言葉が印象的。

  • とっても良かったです♡綺麗な文章でとても切なく10代の恋愛が描かれています☆ハチの最後の恋人になるとおばあちゃんに予言されるマオ。別れる時が決まっている恋で2人で過ごす楽しい時間を読んでいるだけで切なかったです。夢の中でハチが「2人が年を取っても永遠に忘れないでいよう、待ちあわせのわくわくする気持ちを。同じような夜が来るのに決して同じではないことを…」って言葉素敵だなと思いました♡マオがハチに泣きながら訴えるシーンはいっぱい泣いてしまいました。ハチが生きているだけで嬉しいってところも感動☆素敵な作品です♪

  • 『嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。』

    この言葉。今まで社会生活とかネットで何度も聞いたり目にした言葉だけれど、よしもとばななさんの言葉だったのか。
    それともたくさんのひとが自分でそこにたどりついたのか。
    はっきりとはわからないけれど、びっくりした。
    こればかりが印象に残っている。

    あと、朝日の中、裸で無防備にダイナミックに泣くハチ。そんな彼に対するマオの『くだらん、と思いながら胸打たれる』ところ。うつくしい。

  • 昔はストーリーの奇抜な展開ばかりに気持ちがいってしまったけど、今読むと、もっと、温かなところとか心地いいところ、たいせつなところに気がつけるようになってた。

    ばなな作品は、突然スピリチュアルになったわけでなく、当時から既に、この次元にあったのね。

  • 主人公マオちゃんのほのぼのした語り口調にほんわかした気分になれました。「ずーっと一緒」という恋愛の形ではなくて、マオちゃんとハチのように限られた時をともに過ごした後、お互いの一番いい時、幸せだった時を胸に抱きつつ、互いの幸せを願って別々の道を歩んでいくというのも素敵だな、と思いました。一緒にいられないのはとても切ないことですが、すごく幸せな愛の形だとも思いました。

  • 「すべてのものごとには、変わる、ときと場所があるんだ。よかれあしかれ。」この小説から一番影響を受けた一説だ。だから、あがいてもあがいても動かないときもあるし、何もしてないのにあっさりと動いてしまうこともある。だからこそ、一瞬一瞬を大切に生きなくちゃいけないなと思う作品。

  • 切ないけど、悲しくない。ピュアでウブだけど、きれいごと過ぎない。読後は静かながらポジティブな気持ちに満たされました。その人がただその人であるだけで愛しいと思える。ほんとに恋って魔法だと思う。

  • 何度も読み返したくなる物語です。
    どうしてこんなにこの作品が好きなのか、自分でも説明できない。
    ぎゅっと心をつかまれてしまいました。
    ふとした時に思い出すあったかい言葉たちが埋め込まれてます。

  • 吉本ばななの小説は、デトックス。
    一緒に朝日を拝んで、夜を迎えて、夜明けを待って。読んでいるうちにからだの老廃物とかが消えていくような気がする。

    いまの人に見えないものが見えてる。ずっとずっと昔の人が見えてたものが見えてる。目で見てなくても見えてる。

    非現実を書きつらねて重ねて、そうして最後の一文ですごくリアルな石を置いていく、そのバランス感覚に心底惚れる。

    とぎれとぎれに読んだから後半間延びした印象になってしまったけれど、終わり方がとても素敵。

  • ラストの2文がすべて。好き。

  • 例えば私が明日限りで死ぬとして、私の生涯でいちばん幸福な日はいつだろうかと過去に思いを馳せてみた。
    旦那さんがまだ彼氏だった頃、私自身は大学生だった頃、二人で歩きに歩いて、車でじゃないと行かないような場所まで己の脚のみでたどり着き、でも大した用事は無いので寄り道しながら再び歩いて帰り、どこかで晩ごはんを食べて家でゴニョゴニョしながら一緒に寝たあの日、か、もしくはアートスクールというバンドの、ダウナーガールと歌う声の調子が面白くてリピートして聞きながらひたすら彼氏(今の旦那)と布団の中で笑い転げながら寝たあの日、のどちらかのような気がする。
    歩きに歩いたその距離を今調べると往復16キロもあった。地図上の最短距離でそれなので、実際はもっと長かったと思われる。

    もう10年以上前のことだけど、あれは本当に楽しかった!バカみたいに!と思える出来事が存在する人生というのは実に幸せで素晴らしい。
    旦那さんとはそういう無邪気な楽しさを今はもう味うことはない気がする。父として、母として、というその固さは二人の間の「遊び」を排除してしまったような気がする。家族観夫婦観、ズレがある場合はどちらかがとちらかに寄せる必要がある。寄せる努力をしたことで、私の中で何かが大きく損なわれたことは否めないが、その分平穏な家族や安定した生活や可愛い息子を得られたことはこれもまた失いがたきこと。

    しかしそれでも、「生涯でいちばん幸福な日は」と自問して、息子が生まれた日、などと『息子』に絡む出来事がひとつも浮かばなかったということは、やはり私にとって息子は良い意味で少し離れた存在であり、いつか手を離れ巣だっていく背中を見送るしかできない存在であり、私の生きる時間軸とはまた別の軸で息子は勝手に成長し、私はそれを眺めることしかできず、息子に係る諸々は「私の幸せ」とはまた少し次元の違う世界で起きていることのように思う。私のいちばんの幸せはやはり、息子とではなく旦那さんとの思い出の中にあり、これから先それを越えるようなとんでもない幸せな一日を、いつかどこかで得たいと思っている。

  • 帯にあった通りの愛と救済を与えてくれる本。
    素敵な言葉が沢山あって切り取りきれない。
    読み終わった瞬間に私が思ったことは、一つの方向からしか物事を見ようとしないから悲しいんだってこと。

  • 吉本ばななさんて本当スピリチュアルな感じお好きですね。
    平凡すぎるくらい平凡に生きてきた者には理解しがたいというか踏み込めない雰囲気というか。

    ただこの人の言葉は本当に美しいと思う。生々しい表現ですら。
    特に大好きな作家さんではないけれど、この人の作品読むとずば抜けた感じというか、私の中では他の作家さんとは違う唯一無二の存在を感じる・・・
    赤線引いときたくなるような言葉がたくさん。

    で、インド育ちのハチと17歳のマオちゃん。
    文学的には「そんな下らない結末にするな」と言われるでしょうが、少女漫画のように戻ってくるハチというのもちょっと期待しちゃった自分がいました。

  • とにかく題名がいいなあと思って手に取った。言いたい事があまりよくわからなかったし、マオの考えてることにもいまいちピンとこなかったけれど、ハチを想う時のまぶしい気持ちやできっこないのに自分の思うままにしてみたいと思う歯がゆさ、そういったものを眺めているのはなかなかいい気持ちがした。ところどころ時代を感じさせるようなところもあった。笑うべきところじゃないけど、出会って5秒で挿入に笑った。

  • 28.10.6読了。
    久しぶりのよしもとばななさんの本。
    前はすんごい好きだったんだけど、どの作品も同じ設定すぎて(大概、家族とか職場とか人間関係に悩みを持っていて、ちょっとスピリチュアルな才能を持った女性が主人公。大きな波がほとんどなく話が進んで、途中で心を癒しに長期で田舎に行ったり、恋人が遠方に転居したり、「場所が変わる」ことで話が転、最終的には「魂の繋がりが…」みたいなことに主人公が気づき、結。)、最近読んでなかった。
    今作もやっぱりだった。
    言葉は大好きなんです。ちょっと読み手に解釈を任せすぎじゃないかと思うときもあるけど、穏やかな清流みたいで本当に表現が美しいと思うんです。思うんだけどなぁ…

  • 友達に勧められて読んだ初「吉本ばなな」の作品でした。話しの展開やハチとマオの行動で理解できないところはあったけど、愛を深め合う二人の会話や情景を説明する言葉選びは凄くキラキラしていた。

    「嫌いな人がいたら、好きになるまで離れればいい」

    一番印象に残った言葉で良かった。

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