落窪物語―マンガ日本の古典 (2) 中公文庫 (中公文庫 S 14-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122034518

感想・レビュー・書評

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  • 平安のシンデレラ。
    まさにその通りであった。
    四面楚歌でいかにも悲惨な物語かと思っていたが実際には助けようとする阿漕や、周りの女房などもいたが継母の絶対的勢力に誰も叶わず酷い仕打ちを受けていて、継母という絶対的な存在に身震いした。
    どんなに自分が辛い仕打ちを受けても慎ましい落窪の様子と少将の落窪への変わらぬ愛に感動した。

  • 「床の落ち窪んだ部屋に閉じ込められている心美しく薄幸な「落窪の君」。現存する継子いじめ物語では世界最古の一つとされる物語が、瑞々しい感情描写と流麗な筆致で蘇る。作者不詳の『落窪物語』は、現存する物語としては世界最古のひとつとされる継子いじめ物語(灰かぶり物語)であり、高貴な生まれである主人公の生い立ち、親身に補佐する副主人公、迫害の際の家事の押しつけなど、その要素を備えた作品である。成立年については、『枕草子』(長保二・三[西暦一〇〇〇・一]年成立)以前、西暦九八六年以降の間の諸説がある。
     この後に出現する『源氏物語』などに比べてこぢんまりとはしているが、写実的要素が強く、存在感ある登場人物の造型、時制の前後する大胆な構成など、大衆的で現代的なものを感じさせるつくりが特徴的である。
     原典は巻之一~四で構成され、それぞれの巻が大まかに「女主人公への迫害」「男主人公による救出」「継母とその一族への復讐と和解」「両家のその後」にあたり、本書では、巻之一~三を中心に取り上げている。」

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/720444

  • 教科書にはあまり載っていない古典作品の一つ。

    シンデレラストーリーの原型にして、現代の私たちにとっても馴染み深い設定である。
    たしかに面白いし、ある程度のカタルシスは感じるのだが、それと同時に「拭い去れない不快感」のようなものも覚える。
    姫君を虐めてきた継母への復讐の為とはいえ、明らかに度を超えている行動の数々。白馬の王子座ポジションである中将の君もあまり性格がいいとは思えない。
    そういったことから、素直に姫君の幸せを祝福する気分になれないのである。

    原作を読んでみて、ぜひ漫画版と比べてみたい。

  • 物語なのだけれど、実際そういうこともあったのだろうなと思わせられる。落窪には少将のような人が現れたから良いようなものの、普通はありえないからこそ物語になったのかも。落窪は可愛いけれど、阿漕はちょっと目が怖い。別の方の書いたマンガ版でもう一度読み直してみたい。

  • 服装やお祭りなど当時はこんな様子だったのかと想像させられる。

  • ”世界最古の” と煽りがつけられる継母・シンデレラストーリー。

    学生が原作読んだら古典好きになるかも。

  • 古典文学をあまり読んだことがなくても楽しめる一冊。内容もいわゆる「和製シンデレラ」で面白かった。

  • 絵が繊細で美しく、内容も面白い。

  • マンガ日本の古典 で最初に読んだ作品。まるでシンデレラそのもの!といった内容に興味深々で楽しく読めた。とっつきにくい古典も案外面白いのかも?と思える始めの1冊でした。

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著者プロフィール

日本漫画家協会理事。SNBA(フランスの伝統ある美術サロン)正会員。漫画家。1959年、大阪で貸本漫画『虹』でデビュー。代表作に『霧のなかの少女』『花影の女』『花びらの塔』などがある。最近刊では、マンガ古典文学『源氏物語 全3巻(2013年 小学館)』がある。

「2014年 『再び大阪が まんが大国に甦る日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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