サンフランシスコ平和条約・日米安保条約 (中公文庫 S 13-7 シリーズ戦後史の証言-占領と講和- 7)
- 中央公論新社 (1999年7月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122034662
感想・レビュー・書評
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日米行政協定(日米地位協定)について勉強するために図書館で借りる。
折りにふれやり玉にあがる、地位協定もその当時に綿密な検討がなされていたことを理解した。
60年前の協定署名時からは社会情勢も大きく変化している。国連は期待されている世界の平和機構としての役割を果たせていないし、東アジア・東南アジアの情勢はむしろ厳しさをましている。
東南アジアの友人と話していたときに、戦後の日本に米軍が駐留することは賛成であると言われた。それは当然、日本に対する共産勢力の影響を防ぐという意味ではなく、かつて暴走した軍隊にアメリカという鎖をつけることが彼らにとって保険になっているという意味だという。戦後60年がたち、そのような懸念を抱く国は少ないと思うが。
いずれにせよ、現状にそぐわない部分については修正をおこなっていくのが、協定を最初に起案した人たちの望みだったことが本書からもよくわかる。そして筆者ら当時の交渉に当たった人々にとって、その後の日本(国民と政府)が急速に硬直化していくことは予想しえなかったのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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