言壺 (中公文庫)

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著者 : 神林長平
  • 中央公論新社 (2000年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122035942

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神林 長平
神林 長平
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言壺 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 古びないかっこよさ。
    SF的ガシェットのかっこよさもあるが(ワーカムが欲しい!)、作家としての神林長平の言葉=仮想に対する思想もとてもかっこよい。
    社会や世界認識が言葉によって構成された仮想存在でしかないのなら、言葉によってヒトの”世界”は変容し壊滅し支配することが出来るということ?
    そしてさいごには言葉がすべてを支配する。
    最高の一冊であった。

  • 「言葉」「枝葉」「育てる」などの語が比喩のような実体のあるような表現で不思議な世界観が表されている。一つ一つを読むと意味が通じない感じなのに全体像が浮かび上がってくる感じで、まさにこの本の世界のようだった。
    「言葉」が音声と視覚を超えた時はこんな感じになるのだろうなと思った。「理性」の存在はどこにあり、何によって確立しているのか。

  • 面白い。言葉とは何かを考えたくなる。
    最後の一文をみて、こりゃ負けたと痛快な気分になった。

  • 神林さんの代表作とも言える本で、「言葉」についての6篇の物語を集めたものだ。すべての作品では共通してワーカムというワープロに高性能な入力支援機構のついたような道具がでてくる。ワーカムがあれば、小説を書くのも、こういった書評とかを書くのもとても楽になるという。
    だが、僕もひとつ欲しいなって思ってもなかなか変えるものではないらしいのだ。それはワーカムが個々人にカスタマイズされていくため、なかなか現代のパソコンのように処理だけを切り売りするレンタルという形式を取れないため、相対的に高くなってしまうのだ。
    さて本作の主題としては、言葉が先か人間(意思)が先かというものだ。言語の世界は、ワーカムが主に担うところとなる。まだ私は未読だがスティーブン ピンカーの『言語を生みだす本能』にも関連していそうで、いずれは読んでみたいなと思っている。

    残念な点は、Amazonの書評にもあるが尻つぼみとなっていくところだ。最初の作品が一番面白く、徐々にそうでもなくなっていく。だけど、本書全体で見たらなかなかの出来で、やはり神林さんの代表作と言われるだけはあるのかなと思う次第だ。

  • 脳がぐるぐる引っかき回される感じ

  • 「言葉」をテーマにした短編集。
    読んでから随分経つんで細かい内容は忘れちゃったけど、神林哲学が凝縮されてて衝撃を受けた記憶だけはくっきりと残ってる。

  • とんでもない本に出逢ってしまった。

  • 言葉をテーマにした近未来ミステリー。
    世界は言葉によって定義されており、その言葉によって無意識のうちに支配されているという恐怖を感じられる。
    また、作中に登場するワーカムという創作支援システムの話は、検索の入力補助機能を想起させる。ワードの一部を入力すると候補が複数示され、そのうち一つを選択して検索するが、そもそもそれは本当に自分が調べたかったことなのか...。
    強ち突拍子も無いストーリではないような気がしてくるところも面白かった。

  • この本を読んだ後、似たような本が読みたくて、禁断症状になり、同じ作者の本を長らく探していましたが、見つけられませんでした。それくらい特徴的な本です。
    本の形態が変わってしまい、本の執筆方法も今とは変わってしまった近未来を描いています。古代の紙形態の本を未来の老人が釣り上げて思う感想など、今読むとさらに楽しめると思います。

  • 最初の綺文が元になって、ワーカムを通して感じる作家たちのお話だと思いました。
    没文とか栽培文、戯文が好きだなぁ…
    ちょっとファンシーな感じがいいです。
    栽培文の言葉ポットを見てみたい

  • 言葉とはなにか…言葉が自己を、そして世界を揺るがしていく短編集。奥深いテーマだと思うが、意外と読みやすく、それでいて読んでいる間自分の脳がしっかり刺激を受けているのを感じた。

  • 言葉が現実を規定しているのか?
    現実が言葉を生み出しているのか?
    言葉に関する不思議なストーリーが
    脳を刺激する傑作です。

  • 借本。
    読んでて気がついたけど、昔に読んだ事がある本でした。
    にもかかわらず、再度楽しめるので、買いかな?
    「ワーカム」の話をもっと読みたくなる。

  • 「言葉」について考える者はどうしてもこのような場所にたどりついてしまうのか?
    プラトンやウィトゲンシュタインがいっていたこと
    もちろん言葉に携わる筆者はそういう考えも知ってはいるだろうけれど
    それでもやはり、人が考え行きつく先はどうやら同じような場所なのではないかと感じさせられる。


    「言葉」を軸とした短編集。

    小説を殆ど読んだことがなく、薦められて読んだところ
    自分の考えていたところ↓にヒット。
    『日々、あたりまえに使用し、使っていると思っている言葉
     文字でも、どこかの言語でもない、その「ソレ」は確かにあるんじゃないか。
     言葉と世界はどちらが先か、どちらがどちらに起因するのか。
     あるものAを指し、Aと認識できるのはなぜなのか。
     なぜAはAであり、Bではないのか。』
    みたいなこと。

    いや、これは面白かったネ!

  • 。言葉についてのSFという面白いジャンルを扱った連作短編集。ワーカムという著作支援機械をネタにした「被援文」「戯文」は星5つ相当。他が退屈。ワーカムをネタにして、もっと書いて欲しい。

  • 高度に「機械」が発展し、人と「機械」が密接に結びついた社会をかきつつ、
    にもかかわらず、いや、だからこそか、「言葉」というものに
    深く考察された小説である。

    今回の「機械」は、ワーカムと呼ばれる文書作成支援ワープロ。
    「私を生んだのは姉だった。」という文章を拒否する
    ワープロなんてなんとシュールなことか。

  • 神林の真骨頂の言葉とは何ぞやがテーマ。
    神林節全開。
    コミュニケーションに必要不可欠な言葉これにほころびができて世界がもにゃもにゃ…。
    言葉が現実を認識する道具の一つである以上そこに何らかの異常が起きると現実が今とは少しずつ変わっていくみたいな。

    相変わらず面白い視点を持っていると思う。

  • この本はワーカムという言語支援機が軸にある作品だと感じました。主人公は小説家です。
    人間は本当に言葉を使っているのか不安になる内容でした。小説の書き方の説明書のようで、勉強になりました。

  • [SF][novel]
    「言葉と世界」は神林長平が一貫して扱ってきているテーマの一つだ。本作はまさにそれを扱った作品なんだけれど、あまりスリリングな体験はできなかった。
    一つ一つのお話は悪くないと思うのだけれど、全体としてどこか物足りない印象が拭えない。
    僕が短編より中・長編の方を好むだけなのかもしれないが、もう少し腰を落ち着けた作りの方が良かったと思う。

  • 傑作。再読しよう。

  • 言語とは初めからこんな風だったのか。未来もずっとこんな風なのか。突き詰めていって、ここまで行ってしまうのが神林さんのすごいところ。
    MsWordに文章を打つと、文章校正や誤変換修正が勝手に行われるけれども、これが洗練されていくと単語の組み合わせから小説を作り上げるソフトウェアへと至るのではないか。そういう不安をふと抱いたことのある人も無い人も、「言葉」の行き着いた先には静かな感動を覚えるはず。

  • 自分の中の何かが、ゆがんでいく感覚、ズレていく感じがタマリマセン。
    この人の作品は、難しすぎて読めないこともあるけれど、これはなんとか読むことはできました。面白かったです。
    言葉に対して、敏感でありたいですね。

  • 図書館で借りたので読了している。文庫が出ないのは何故?

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言壺 (中公文庫)の作品紹介

万能著述支援用マシン"ワーカム"に『言語空間が揺らぐような』文章の支援を拒否された小説家・解良翔。友人の古屋は解良の文章の危険性を指摘する。その文章は,通常の言語空間で理解しようとすると,世界が崩壊していく異次元を内包しているのだ。ニューロネットワークが全世界を繋ぐ今,崩壊は拡大されていく…第16回日本SF大賞受賞作品。

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