マンガ日本の古典 (13) (中公文庫 S 14-13)

  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122036390

感想・レビュー・書評

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  • 一番ドロドロとした作品だと思う。
    読み終えた達成感や、満足感よりも胸糞悪い感じが残ってしまうがまたそれがいい。
    二条の情の弱さに所々苛立ちを覚える。
    御所様に対しては他の阿闍梨や実兼様よりも良くは見ていなかったはずなのに出家し、少し御所様に愛情深いことを言われただけで靡いてしまう。
    傷を覆っている瞬間の二条の弱さが様々なところで垣間見れる。
    また、一番不便なのは兼実である。
    いちばん純粋に一途に愛していてくれたのにも関わらず、阿闍梨や亀山天皇、さらにはいきなり出てきた大殿とまで契りを交わし、実兼は振り回れる一方である。
    そして、やっぱり最後に会いたいと二条は実兼に会いに行く。
    すべての人を蔑ろに扱うと最期には自分一人が残され、女同士の仲間も少ない惨めな姿を見て取れる。
    とはずがたりは謂わば恋愛の反面教師的な役割として、自分の罪深い人生(だいぶ自慢混じりの)を送った二条だからこそ後世に伝えられることが数多くあると思い、この作品を残したのかもしれない。

  • 彼女は恋多き、というよりも、性に奔放、というか、言い寄られた男達に、あ〜れ〜とことごとく体を許してしまいます。14〜15歳で御所様と初夜を過ごし、15〜16歳で最初の子を産み、次に実兼の子を産み、阿闍梨にも言い寄られて体を許し、近衛の大殿にも言い寄られ、阿闍梨の子を産み、阿闍梨が死に、また阿闍梨の子を身ごもり、亀山院にも言い寄られる・・・・結果、5人の男に抱かれ、3人の男との間に4人の子を産みます。
    http://naokis.doorblog.jp/archives/towazugatari.html【書評】『とはずがたり』〜我が名は女 : なおきのブログ

    <目次>
    其の一 大いなる転機
    其の二 愚かなりし我が心
    其の三 愛と死
    其の四 夢の彼方
    其の五 我が名は女
    登場人物関係略図
    あとがき
    参考文献


    2018.05.04 『京都ぎらい 官能篇』によると、持明院統の始祖後深草天皇の女房二条は、敵対する大覚寺統の始祖亀山天皇を女の色で籠絡する。
    2018.06.03 読了
    2018.06.04 朝活読書サロンで紹介する。

  • 入門編としてちょうどよかった。人物関係もよくわかり、自分の人生を男によって左右されてしまう、それでもその中でなんとか生きていく姿が感じられた。次は文章で読みたい。
    二条のことが好きなのに、目の前で他の女と交わる際の宿直にさせたり、他の男に貸したりする後深草院の業の深さったら。
    なかなかに乱れ絡み合った男女関係なのだが、終盤の「私はそんな自分を肯定するしか生きる術がなかった。否定したら死んでいた」が重い。

  • 中野京子「恋の嵐」から

  • 本棚整理のため再読。
    後深草院二条の『とはずがたり』のコミック版。
    流れを知るにはちょうど良いが、やっぱりこれは文章で読みたい。
    個人的に実兼がイメージピッタリでした。

  • 非常によくまとまっていると思います。
    初心者には超絶お薦めです。

  • 日本の古典シリーズのマンガです。このシリーズの中でももっとも好きなのが、この「とはずがたり」と「和泉式部日記」。どちらも平安の女性の物語です。そうぜつな恋のものがたり。

  • 鎌倉中期ですがまあ、宮廷関係のお話なので。

  • 愛する人を失うなんて・・そんなのツラい!
    モテ女にも悩みはあるのですね。

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著者プロフィール

いがらしゆみこ

1950年、北海道旭川市生まれ。漫画家を志し単身上京、東京の高校に編入する。1968年、高校3年在学中にデビュー、その後、少女漫画誌「なかよし」の専属作家として活躍する。75年以降、精力的に長篇を発表し、77年、第1回講談社漫画賞受賞。漫画家生活20周年を契機に文章を書く仕事も始め、漫画の原作および少女小説も執筆。主な作品に『キャンディ・キャンディ』(原作・水木杏子)、『ジョージイ!』(原作・井沢満)、『ムカムカパラダイス』(原作・芝風美子)、『メイミーエンジェル』『赤毛のアン』『ロミオとジュリエット』『おーい!動物キャラバン』他多数ある。画業50周年を契機に「週刊女性自身」に「エレクトラ」(原作・佐藤博之)を執筆中。

「2020年 『ワイド版 マンガ日本の古典13 とはずがたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

いがらしゆみこの作品

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