プレ-ンソング (中公文庫 ほ 12-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.59
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本棚登録 : 1341
感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122036444

感想・レビュー・書評

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  • 猫が出てくるようなのでとりあえず読んでみた。実家の本棚にあった本で、誰が選んだものかも不明です。なんかよくわからないけど、全体を外側から眺めている人が主人公なのかな。いったい何の仕事してる人なのか不思議でした。

  • 作中ゴンタが語るように、普段映画が撮るのは殺人事件だったり特別な人間だったり。とにかくごくごく普通の人間が描かれることはめったにないし、ごくごく普通の人間がごくごく普通に描かれることはさらにない。ゴンタはなんだかそういうのが許せない。
    だから劇的な場面というのは映さないで、むしろその劇的な場面を受け入れる側の、人の何気ない表情を好んで撮る。

    そしてゴンタのこの姿勢が、そのままこの小説の解説として成立する。
    こういうのはありふれた手法だけど、個人的には作者が「どうしてこういうものを書いたか」みたいな説明を作中人物にくどくどさせるのは、好きではない。

    さて、こういう本だからちょっと評価が難しい。

    学校の教師が自らの教え子たちに残せるもの、長いあいだ覚えておいてもらえるものは、授業の内容ではなくて、彼自身の思い出話であるという話を聞いたことがある。つまり本来的なもの、本筋のものよりも寄り道のほうが生徒の心に引っかかると。

    小説もこれに似たところがある。ストーリーよりもそれに関係ない寄り道や風景描写、あるいは作中人物の何気ない会話がいつまでも心に残るというのはよくあること。

    だから筋のないこの『プレーンソング』という小説は、授業なんてほったかしで自分の昔話や世間話ばかりしている先生に似ている、かもしれない。

    もしそんな先生が本当にいたとして、ぼくならどう感じるだろうかと考えてみたら、こういう先生は人気取りの相当にいやったらしい奴だと思う。
    なるほど。

    でもって個人的には、ユーモアもなくただ長ったらしいだけの話はもっと嫌いである。

  • 2017/1/9読了。
    なんか、若者のふんわりした空気感が最初から最後まで流れていくような作品だったなぁと。
    これといって心に響いた場面もなく、こんな作風なのかなぁ、とふんわりして読み終わった一冊。

  • 20150410読了。
    評判の良さにつられて手に取ってしまった本。
    「評判」「高評価」など前評判が高いと期待値が高くなってしまう。なので、期待をしていたほど、という感じは否めない。
    何もドラマチックなことは起きないただただ日常を描いている。淡々と描かれているそんな本が好きな人ははまると思う。
    前評判通り一文が長く最初は戸惑ったが、いつの間にかそれにも慣れていった。

  • 何も起きない小説。全体的に曖昧模糊としていて、それがプレーンということなのかな。
    猫と競馬に興味がない自分としては、流し読みに近い形で終わってしまった。

  • 保坂さんの小説は時間の流れが緩やかに感じる。
    他の作品との違いが僕にはわからなかった。

  • なんつーか青臭い青春って感じ。良くも悪くもなく記憶にも残らない本。疲れてるときとかに読むのか?

  • 淡々とつづられるぼんやりした日々
    何かが足りないような・・・でもプレーンソングだからそれでいいのか?
    最後に海に浸かって展開する描写なしの会話だけで進むところ
    ああ、ある一時期になんとなく集まって
    なんとなく飲んだりなんとなく遊んだり
    ダラダラと過ぎる時間の中でこういうハッとするほど奇跡のように輝く
    瞬間(大げさ)ってあるよなーと思いました

著者プロフィール

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

「2022年 『DEATHか裸(ら)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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