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- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122037991
感想・レビュー・書評
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西洋思想史における「愛」というテーマを概観するとともに、現代において「愛」が可能かという問題を提出している本です。
著者は、アリストテレスの実践的三段論法を逆転させて、現代社会には「目的や価値の論理から手段や力の論理への移行」がさまざまな局面で起こっていると指摘し、「愛」もこうした危険性に直面しているのではないかという問題を投げかけています。ただ、それにつづいて展開されている、「エロース」と「アガペー」に代表される西洋における「愛」の理解についての説明は、おおむねオーソドックスな紹介にとどまっており、本書のなかで著者が提起している現代において「愛」は可能かという問題と、それほど密接にリンクさせられていないように感じました。
著者自身の「愛」の理解がやや古典的で、現代における「愛」をめぐる具体的な問題と、あまり接点がないように思われるところに、すこし不満を感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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