海軍 (中公文庫 し 31-3)

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  • 中央公論新社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122038745

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ井上武彦さんの『同行二人』に触発されて手に取ってみたのですが、これも一気に読んでしまいました。
    前半は海軍軍人となった谷真人、後半は真人の親友で海軍画家となる牟田口隆夫の物語で構成されています。タイトルを『海軍』としただけあり、前半と後半で海軍の描かれ方(視点)が少し違う事で奥行きが出ていて面白かったです。
    青春小説であり、戦争小説でもあります。終盤、真人が特殊潜航艇に乗って後の描かれ方は、時の趨勢もあり美談としてのみ描かれ、真人を愛した牟田口兄妹も、真人を喪う悲しみ以上に国の為に見事に散った雄姿に感動して終わります。現代の感覚ではモヤッとするかもしれませんが、それを含めて当時の戦争のあり方、市井の描かれ方(本音と建前)など読みどころは沢山ありました。
    何よりも真人と隆夫二人が非常に清々しくて微笑ましい。幸せになって欲しかったな…

    谷真人のモデルは横山正治少佐との事。
    『同行二人』ではモデルは言及されてないのですが恐らく坂田が酒巻和男少尉なんだろうな…

  • 岩田豊雄の時も読んだ

著者プロフィール

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』(以上、ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となった。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。


「2017年 『バナナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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