第三帝国の神殿にて 下: ナチス軍需相の証言 (中公文庫 B 1-7 20世紀BIBLIO)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122038813

作品紹介・あらすじ

追いつめられ、次第に孤立し疲弊していくヒトラー。そして彼を取り巻く側近たちの動揺と離反。絶望的状況の中、斜陽の帝国は遂に破局を迎える。ナチスドイツの実態をその内側から捉えた驚くべき記録の後編。

感想・レビュー・書評

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  • 次第に疲弊してゆく第3帝国。
    そして敗戦、ニュルンベルク裁判。

    出版時には、まだ存命の関係者が多数いたはずで、彼らの批判に耐えうるだけの内容なのだろうと思う。アウシュビッツ関連を除いて…。

  • 細部に渡り日時が明記されているものも多く、軍需物資の種類や量なども具体的で、それでいてつめたい組織経営論に堕する事はなく特にヒトラーへの感情は露見してきた身勝手さに対する呆れと、未だ捨てされない尊敬と没落するものへの同情が入り混じり、矛盾する一人間の心理をロマンティックとさえ言いたくなる程の筆致で記しており、単なるナチス期の優秀な閣僚としてだけでなく文学的価値すら包含するような、現代人必読の書である。現状手に入りにくい値段なので、新版なり出版社は出すべきだろう

  • 「Die verdammte Pflicht:Erinnerungen 1932 bis 1945」の翻訳(2001/08/25発行)。

    ドイツ第三帝国の軍需相を務めたベルトルト・コンラート・ヘルマン・アルベルト・シュペーアの回想禄の下巻。

    下巻では、第三帝国滅亡に向け歩み始めた1943年初旬から連合国によるドイツ軍政期についてまで記載されています。 上巻と同様にユダヤ人がらみのことについては虚偽があったり、都合の悪いところは触れられていなかったりされているようですが、7月20日事件(ヒトラー暗殺未遂事件)時のナチス高官の混乱した状況や、カール・デーニッツ大提督率いるフレンスブルク政府での行政(?)についてなど、なかなか興味深いことが書かれています。 

    多少の問題はありますが、戦後も生き残ったヒトラーの側近が書いた本と云うこともあり、読む価値のある本だと思いました。
    個人的には、記載されている内容から、評価は★★★★。

  • 戦争末期は全く疲弊した軍部の様子が伺えます。書いていた当時は恐らく獄中で落ち着いていたんだろーけど、描写する人々ほとんどが死んでいる中、どういう心境だったんだろう?とも思いました

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著者プロフィール

アルベルト・シュペーア

一九〇五年にマンハイムに生まれる。ミュンヘン工科大学卒業後の一九三一年、ヒトラーの演説を聞き、国家社会主義ドイツ労働者党に入党。ニュルンベルク建設総監、ベルリン都市計画立案責任者などを歴任。一九四二年に軍需相に任ぜられ、以後、戦争工業の推進者的役割を演じる。一九四六年、ニュルンベルク裁判で禁固刑を宣告され、一九六六年までシュパンダウ刑務所に服役。一九八一年没


品田豊治

一九一三年生まれ。三五年上智大学経済学部卒業、ドイツ・ミュンスター大学に留学。帰国後、上智大学経済学部講師。戦後は吉田内閣国務大臣秘書官、国会図書館館長次室長などを歴任。五八年上智大学名誉教授。九四年没。

「2020年 『ナチス軍需相の証言(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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