五女夏音 (中公文庫 つ 22-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039049

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  • 自由と孤独を愛する駆け出しの作家大造が、生きた化石とも思えるほどの大家族栗原家の末娘夏音と出会う。大家族を統率する夏音の母道子に急かされるままに二人は結婚。大造は、著名人たちの結婚論や家族論を持ち出しては、論理的に自分の置かれた状況を把握しようとするが、次第に大家族にのまれて行く。
    辻氏の一連の作品とは随分とテーマもトーンも違う。テレビのホームドラマにでもなりそうな、おさまりの良い内容だ。それにしても夏音の描かれっぷりはすごい。かなりしたたかなおそろしい女だ。何かあったのか?辻氏よ…。

  • 題名がそうか。五女って夏音と。四文字熟語のように思い気が付くのが遅れた。がんばれ!大造って思いながら読み進めていたけれど、なんだか最後はほっとした。

  • かなりコミカルな作品。(当時の・・)結婚生活が投影されているのだろうけど ケンカや受け入れ切れない違いがあっても結局は許しあって家に帰っていくのが家族、という当たり前の原点がベースになっていて 読んでいて安心する書。

  • 核家族で育ち、孤独を愛する主人公が、大家族で育った夏音に恋をし結婚することになる。現代では滅多に見ることのできなくなった大家族に突然放り込まれた主人公の心境を描く。ドタバタだけではなく、結婚とは、家族とは何かを深く掘り下げた作品です。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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