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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「抱擁を交わしていただけますか」
くまは言った。
「親しい人と別れるときの故郷の習慣なのです。もしお嫌ならもちろんいいのですが」
わたしは承知した。
くまは一歩前に出ると、両腕を大きく広げ、その腕をわたしの肩にまわし、頬をわたしの頬にこすりつけた。くまの匂いがする。反対の頬も同じようにこすりつけると、もう一度腕に力を入れてわたしの肩を抱いた。思ったよりもくまの体は冷たかった。
― 17ページ -
「ぼく」さらに小さな声である。
「ちょっとのあいだ」子供の声に戻っている。
「ニンゲンフシンになってみてたんだ」
焚き火を囲む人たちの顔が橙色に輝いていた。火をみつめる人たちの表情は、どれも同じように見えた。口をわずかに開け、嬉しいような悲しいような、どちらでもあるような表情なのだった。たぶんわたしもえび男くんも同じ表情で焚き火を見つめているのだろう。
「でももうやめたよ」えび男くんはつないだ手に少し力をこめた。
「だって、ニンゲンフシンて、かなしいばかりでいやなんだもん」
― 117ページ
みんなの感想・レビュー・書評
川上弘美は『センセイの鞄』しか読んでいなかった。不覚にも!
山崎ナオコーラに通じる部分もあるのだけど、もっとぶっ飛んでる。
だってくまって…くまって…。
「子守唄を歌って差し上げましょうか」ってきっとお願いしたら森のくまさん歌ってくれるんだよ…。
ウテナさんも河童も人魚もみんなとてもあやしくて魅力的。
そしてコスミスミコである。
ゆるくわらえるものが好きな人にはぜひ読んでほしい。
それにしたってくまって…(しつこい)
川上弘美の第一短篇集。まだ初々しい川上弘美の世界を堪能した。 川上の作品では、不意に日常に介入してくる《異形のものの訪れ》との関係性が問題となる(「神様」「草上の昼食」のくま、「夏休み」の梨の精、「クリスマス」のコスミスミコ、「河童玉」の河童、「離さない」の人魚など)。人物たちは、たんにそれらの存在と親しくかかわることになるだけでなく、肌と肌とを触れ合わせる身体的な接触を通じて、自... 続きを読む »
不思議なことが不思議なことでないように思えてくる。
解説の佐野洋子さんの言葉を借りれば、起きながらにして夢を、それも鮮明な夢を繰り返し繰り返し見ることができる、そんなお話たちだった。
川上弘美のお話は、「おはなし」という感じだ。
分類はファンタジーに属するのかもしれないが、ファンタジーと分類するには勿体なさすぎるように思う。
きっと、世界とのずれを感じている主人公のことが、好きだからだろう。
彼女の描く世界にいつまでもいつまでも漬かっていたいなあと思う。
『夏休み』というお話がいちばんすき。
私が川上弘美さんの虜になるきっかけをつくった作品の一つ。
出会いは高校の国語の教科書っていうね。
何度読んでもくまの話はぎゅうってなるんだこれが。
何回も読みたくなる。
この人の世界観が好きだと実感した本。
空想の世界と現実の世界の混じり方のバランスが絶妙。
個人的に、くまの話とおじさんの話が好き。
創作というよりは エッセイとか 絵本とかそんな風情。
雰囲気はほのぼのとしていい。
とても軽い読み物。ほのぼのずきな人にはいいかも。
電車の片道で読めるほどの分量。ちょっと僕には物足りない・・・
「だってくまにさそわれてさんぽにでるんですよ」学生の時に紹介してくれた先生の力説っぷりが忘れられなくて川上さんの作品で初めて読んで、そしてこの作品が1番好きです。
こういうのすきだな。
特にくまの話がお気に入り。
川上弘美さんの紡ぎだす世界観とか雰囲気とか、とてもすき。
この世界観に一気に入り込むのが難しかった。
くまさんなんかは、ほのぼのとして微笑ましかったけど。
高校時代、国語の教科書にデュークが載っていて、もとの文庫を読んでみたいなと思って手にとったのがこの本と出会ったきっかけ。
ふわっとした、でもどこかしっとりとした読み心地の良い文体で綴られるショートストーリーは、すべてにちょっとずつおかしな事象が織り込まれている。"ちょっとおかしな状況" があるからこそ、普段当たり前に思っていたことに色が付いて鮮やかさを増していく、その輝きに気付くことができる、そんな1冊でした。
高3の現代文の教科書に載っていた人魚の話を読みたくなったが、タイトルも作者名も思い出せず四苦八苦。やっと出会えた。くまと梨が特に好き。本の1行目が衝撃的でそこだけ4、5回読んだが、見間違いじゃなかった
この小説には、くまやら、白い妖精3匹やら、叔父の幽霊やら、カッパやら、壺の中に住む少女やら、雪国の妖怪やら、人魚やらが普通に出てくる。
そしてそれを、日常の様に受け入れるカタチで話は進んでく。
ファンタジーの様な、夢の様な設定が面白いと思った。
その中でもとりわけ異色だったのが『離さないで』の様な気がする。
この話は夢の様な設定、話の書き方、細部の描写が相まって、スゴい奇妙な、そして底知れない気持ちの悪さが存在してると思った。
それ以外は、とても可愛らしい描写が多かったので、その話が強く印象に残ったんだと思う。
ちょっと不思議な世界。
不思議なつながり。
神様に出てくるくまとの抱擁ってなにかいいと思う。
「離さない」が印象に残った。
魅入られていても、「離さない」なんて言われたら、ちょっと怖いだろう。
過去に読んだ本。
谷山浩子さんのアルバム「宇宙の子供」を聴いたのがきっかけで、手にとった。
ほんわかした短編集。登場人物がいいなぁって思う。
合わせることなんてないのに。
この本、すごい良かったよ!
超切ない~(T_T) あたしの好きな感じ。
泣いちゃう。

やわらかい日常。
きっと他人から見ればそれは非日常。
だけど、そこにいる当事者としての私にとっては彼らは日常で-。
好きだなぁ。彼女の作品は初めて読んだのだけれど。
手の平から今に...





