神様 (中公文庫)

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著者 : 川上弘美
  • 中央公論新社 (2001年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039056

神様 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短編集。

    高校の国語の教科書に載っていた「離さない」に衝撃を受けて以来、折に触れ何度もあの人魚を思い出していた。どうしてもまた読みたくなって探して、行き着いた本。

    「離さない」は勿論良かった。魅せられる静かな狂気。ぞっとするんだけど、最初に読んだ日以来私の心を「離さない」物語。
    人魚が人魚姫みたいな美少女じゃないのに魅せられるっているのがいい。狂気の描写が心情描写を延々書き連ねる、という風じゃないのがいい。あっさり描かれていて、だからぞっとする。
    人魚のお話は数多くあれど、私の中でのナンバーワン人魚。

    で、今回他の収録作も初めて読んだ。知らなかった、「神様」が川上弘美のデビュー作だったんですね。
    このお話含め、どれもこれものんびりぽかぽかしてでもどこか切なさを感じる。寂しさとかも。この小説を読み終わった今も、とても寂しい。
    いいな、私もそんなくまに会いたいなあ。熊、じゃないのがいいね。

    それから「花野」はもうドストレートに泣ける。人に勧めるならまずこのお話からにすると思う。でも変に泣かせようと肩肘張ってない、あっさりとした文章なんだよね。
    そら豆嫌いなのに、食べたくなった。

    あとがきも面白かった。オチが(笑)。

  • デビュー作「神様」から始まる連作短編集。
    くまと散歩に行く話、河童に恋愛相談される話、小さな人魚に魅入られる話・・・など川上弘美さんならではの幻想的な話にほんの少し怖さをまぶしたような短編たち。

    川上弘美さんの本の感想書くのってすごく難しいんだけど、(作品と作品の差をうまく表現できない)今まで読んだ川上さんの作品の中で2番目に好きかも。

    1番は「真鶴」。

  • 全体的に不思議な印象をうける読み物です。
    ストーリーの設定は奇妙なのに、日常的・生活感がある(?)みたいな。
    ちょうど、世の中が少し春めいてきた頃に読むといいかもしれません。

    私は「神様」「夏休み」「花野」「春立つ」・・・・大体全部好きでした。
    (「河童玉」だけちょっとニガテかな。)
    「神様」は「私」とくまがピクニックに出かけるお話で、森のくまがあまりにも紳士的で礼儀正しいとこが好感をもてますし
    「夏休み」はあの夏のへばるような昼の暑さと、じっとりとしたでも悪くない夜の雰囲気が伝わって心地よく、
    「花野」はおじさんと毎晩会う花野での舞台をよく想像できますし、
    「クリスマス」に出てくるコスミスミコは嫌いになれないし、
    「春立つ」も深い雪と愛の壮大なお話しのような気もするし、、、
    あと「離さない」は最後ちょっとゾッとしました。(人魚のイメージは彫刻作家の土屋仁応さんの人魚です)

    どれもこれも少し変わったお話しですが、おすすめします!

                            春の海にて 2017年4月9日

  • 3つ隣に住むくまとお弁当を持って川原にいく。二十分ほど歩いたところにある川原。捕った魚は上手に裏返しながら干し魚にしてお土産にしてくれた。別れ際抱擁を求められる。熊の神様のお恵みがあなたの上にも降り注ぎますように、と。悪くない1日。

  • 人ならざるものとあたりまえに共存するこの小説の世界観、大好き

  • くまにさそわれて森に出る。

    素晴らしい!わたしはまさにこういう現実離れした、けどそれが普通に受け入れられる不可思議な短編がすきなんだ!
    人の神様は人の形、くまの神様はくまの形。
    面白い話ばっかだったな〜。
    特に印象に残ってるのは、壺の妖精の女の子の話と、居酒屋を経営しているおばあさんの昔話!

    普通のお話だったら、まずその妖精が出てきた瞬間の説明とか受け入れ方とかにたくさんの説明とページを費やすだろうに、この作品ではすぐに受け入れられて物語が始まっていくのがいい。
    少なくともわたしは小難しい説明とか理論とか求めてないから、このくらいのテンポで進んでくれた方が頭に入りやすくていい。

    それでみんなが振り向くくらいのかわいい妖精でも、すきな男の子には振られたりしているのが普通の人間と同じ悩みで最高にかわいい。

    おばあさんの昔話も面白いけど、最後の張り紙の言葉が最高!

    あと星の光は昔の光っていうのもよかったなぁー。

    くまの手紙も良かった。料理をしなくなって忘れてしまったってところがかなしい。人の世界から離れてくまの世界に帰っちゃったら、どんどん記憶が淘汰されちゃう切なさ。

    あーもう感想短くしたいのに面白くてつい長ったらしくいってしまう。面白さっていうのは一言で伝えるべきものだと思うのに!ちくしょう!

    20151125

  • 「神様2011」という、本書「神様」の続編の存在を知り、いつか順番に読みたいと積読リストに入れていました。

    著者の作品は以前新聞小説でかろうじて読んだくらいでしたが、その時のファンタジー作品にはイマイチ溶け込めず、ノーチェックの作家さんでした。
    しかも、本書は私が普段あまり好まない短編。まったく期待薄で読み始めました。

    ・・・が、予想外に面白かったです。
    ファンタジーというよりメルヘンに近い、けれど童話のような子供っぽさははなく、さらりと読め、しかも再読に耐えるであろう夢を見たような読感。
    私は図書館で借りましたが手元にあっても良いと感じる本でした。

    人間の日常の中に「くま」や「人魚」や「幽霊」や「河童」などが普通に出てきてでも違和感がない、他の方のレビューで言われてましたが、ソフトバンクのCMのお父さんのような、犬だとわかっているけど、お父さんとして普通に受け入れている感じ、の世界観なのです。
    しかも、細かい描写がなくても、その姿形が頭に浮かぶ。
    ほのぼのしたり、切なくなったり、うっとりしたりと、いろいろ楽しめました☆

  • 再読。
    不思議な生き物たちとのはなし。
    夢みたいなはなし。
    「春立つ」が少し寂しくて、少し素敵でした。

  • よかった。
    図書館で借りて読んだけど、改めて購入したいと思う。

    さらさら、静かに流れて染み渡っていくような文章。

  • くまやら河童やら人魚やらよくわかんない妖精っぽい生き物やら、現実には普通にありえなさそうな生物がさらりと当たり前のように登場します。メルヘンな内容でメルヘンなんだけど、登場“人”物がすごく普通の人で、しかも結構普通に受け入れちゃってるものだから、日常を踏み外していないように感じます。夢をみたかんじの不思議な感覚。うまくいえないけど、こういう話、好き。

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神様 (中公文庫)の作品紹介

くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである-四季おりおりに現れる、不思議な"生き物"たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。

神様 (中公文庫)の単行本

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