神様 (中公文庫)

  • 2710人登録
  • 3.75評価
    • (362)
    • (311)
    • (573)
    • (40)
    • (13)
  • 403レビュー
著者 : 川上弘美
  • 中央公論新社 (2001年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039056

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

神様 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短編集。

    高校の国語の教科書に載っていた「離さない」に衝撃を受けて以来、折に触れ何度もあの人魚を思い出していた。どうしてもまた読みたくなって探して、行き着いた本。

    「離さない」は勿論良かった。魅せられる静かな狂気。ぞっとするんだけど、最初に読んだ日以来私の心を「離さない」物語。
    人魚が人魚姫みたいな美少女じゃないのに魅せられるっているのがいい。狂気の描写が心情描写を延々書き連ねる、という風じゃないのがいい。あっさり描かれていて、だからぞっとする。
    人魚のお話は数多くあれど、私の中でのナンバーワン人魚。

    で、今回他の収録作も初めて読んだ。知らなかった、「神様」が川上弘美のデビュー作だったんですね。
    このお話含め、どれもこれものんびりぽかぽかしてでもどこか切なさを感じる。寂しさとかも。この小説を読み終わった今も、とても寂しい。
    いいな、私もそんなくまに会いたいなあ。熊、じゃないのがいいね。

    それから「花野」はもうドストレートに泣ける。人に勧めるならまずこのお話からにすると思う。でも変に泣かせようと肩肘張ってない、あっさりとした文章なんだよね。
    そら豆嫌いなのに、食べたくなった。

    あとがきも面白かった。オチが(笑)。

  • デビュー作「神様」から始まる連作短編集。
    くまと散歩に行く話、河童に恋愛相談される話、小さな人魚に魅入られる話・・・など川上弘美さんならではの幻想的な話にほんの少し怖さをまぶしたような短編たち。

    川上弘美さんの本の感想書くのってすごく難しいんだけど、(作品と作品の差をうまく表現できない)今まで読んだ川上さんの作品の中で2番目に好きかも。

    1番は「真鶴」。

  • 全体的に不思議な印象をうける読み物です。
    ストーリーの設定は奇妙なのに、日常的・生活感がある(?)みたいな。
    ちょうど、世の中が少し春めいてきた頃に読むといいかもしれません。

    私は「神様」「夏休み」「花野」「春立つ」・・・・大体全部好きでした。
    (「河童玉」だけちょっとニガテかな。)
    「神様」は「私」とくまがピクニックに出かけるお話で、森のくまがあまりにも紳士的で礼儀正しいとこが好感をもてますし
    「夏休み」はあの夏のへばるような昼の暑さと、じっとりとしたでも悪くない夜の雰囲気が伝わって心地よく、
    「花野」はおじさんと毎晩会う花野での舞台をよく想像できますし、
    「クリスマス」に出てくるコスミスミコは嫌いになれないし、
    「春立つ」も深い雪と愛の壮大なお話しのような気もするし、、、
    あと「離さない」は最後ちょっとゾッとしました。(人魚のイメージは彫刻作家の土屋仁応さんの人魚です)

    どれもこれも少し変わったお話しですが、おすすめします!

                            春の海にて 2017年4月9日

  • 3つ隣に住むくまとお弁当を持って川原にいく。二十分ほど歩いたところにある川原。捕った魚は上手に裏返しながら干し魚にしてお土産にしてくれた。別れ際抱擁を求められる。熊の神様のお恵みがあなたの上にも降り注ぎますように、と。悪くない1日。

  • 人ならざるものとあたりまえに共存するこの小説の世界観、大好き

  • くまにさそわれて森に出る。

    素晴らしい!わたしはまさにこういう現実離れした、けどそれが普通に受け入れられる不可思議な短編がすきなんだ!
    人の神様は人の形、くまの神様はくまの形。
    面白い話ばっかだったな〜。
    特に印象に残ってるのは、壺の妖精の女の子の話と、居酒屋を経営しているおばあさんの昔話!

    普通のお話だったら、まずその妖精が出てきた瞬間の説明とか受け入れ方とかにたくさんの説明とページを費やすだろうに、この作品ではすぐに受け入れられて物語が始まっていくのがいい。
    少なくともわたしは小難しい説明とか理論とか求めてないから、このくらいのテンポで進んでくれた方が頭に入りやすくていい。

    それでみんなが振り向くくらいのかわいい妖精でも、すきな男の子には振られたりしているのが普通の人間と同じ悩みで最高にかわいい。

    おばあさんの昔話も面白いけど、最後の張り紙の言葉が最高!

    あと星の光は昔の光っていうのもよかったなぁー。

    くまの手紙も良かった。料理をしなくなって忘れてしまったってところがかなしい。人の世界から離れてくまの世界に帰っちゃったら、どんどん記憶が淘汰されちゃう切なさ。

    あーもう感想短くしたいのに面白くてつい長ったらしくいってしまう。面白さっていうのは一言で伝えるべきものだと思うのに!ちくしょう!

    20151125

  • 「神様2011」という、本書「神様」の続編の存在を知り、いつか順番に読みたいと積読リストに入れていました。

    著者の作品は以前新聞小説でかろうじて読んだくらいでしたが、その時のファンタジー作品にはイマイチ溶け込めず、ノーチェックの作家さんでした。
    しかも、本書は私が普段あまり好まない短編。まったく期待薄で読み始めました。

    ・・・が、予想外に面白かったです。
    ファンタジーというよりメルヘンに近い、けれど童話のような子供っぽさははなく、さらりと読め、しかも再読に耐えるであろう夢を見たような読感。
    私は図書館で借りましたが手元にあっても良いと感じる本でした。

    人間の日常の中に「くま」や「人魚」や「幽霊」や「河童」などが普通に出てきてでも違和感がない、他の方のレビューで言われてましたが、ソフトバンクのCMのお父さんのような、犬だとわかっているけど、お父さんとして普通に受け入れている感じ、の世界観なのです。
    しかも、細かい描写がなくても、その姿形が頭に浮かぶ。
    ほのぼのしたり、切なくなったり、うっとりしたりと、いろいろ楽しめました☆

  • 再読。
    不思議な生き物たちとのはなし。
    夢みたいなはなし。
    「春立つ」が少し寂しくて、少し素敵でした。

  • よかった。
    図書館で借りて読んだけど、改めて購入したいと思う。

    さらさら、静かに流れて染み渡っていくような文章。

  • くまやら河童やら人魚やらよくわかんない妖精っぽい生き物やら、現実には普通にありえなさそうな生物がさらりと当たり前のように登場します。メルヘンな内容でメルヘンなんだけど、登場“人”物がすごく普通の人で、しかも結構普通に受け入れちゃってるものだから、日常を踏み外していないように感じます。夢をみたかんじの不思議な感覚。うまくいえないけど、こういう話、好き。

  • 『春立つ』
    呑み屋の女将カナエさんが若い日を暮らした雪降る町での不思議な恋の物語。

    雪の降るたびカナエさんは町のはずれで神隠しにあい、「あの人」の存在に抱かれて一冬を過ごす。

    愛しい、そばにいたいと思いが募るほど「あの人」に町に返される。そしてまた雪の季節には「あの人」のそばにいる。そしてまた帰される。春が来る。春も夏も秋も幻のような雪の降る季節を待ちわびて暮らすカナエさん。

    ある年カナエさんは雪の降らない町へ引っ越します。そして主人公の暮らす町で猫ちゃん達と一緒に呑み屋をはじめます。

    「あの人」と静かに暮らした恋物語を主人公に茶目っ気たっぷりに聞かせるカナエさん。主人公はいつもこまごまと世話を焼いてくれる彼女の親切を素直に受けながら杯を重ねます。

    そしてある時、張り紙一枚を残しカナエさんは主人公の町を去ります。カナエさんは残りの人生を雪の降る街で暮らすことにしたのでした。

    雪のような、幻のような「あの人」を愛したカナエさん。雪の降らない町にあってもずっと「あの人」を思っていたカナエさん。
    若かりしカナエさんの幸せ、「あの人」の幸せ、「あの人」がカナエさんに望んだ幸せ、年を重ねたカナエさんの幸せ。
    雪に思い、春の桜にずっと思い続ける心。永遠に雪の中に生きながらあたたかな春へと大切な人を送り出す心。そばにいる幸せ、遠くで思う幸せ。
    どちらも同じ愛情だとしても本当の幸せは自分の心にしかないことをあらためて思いました。相手を思えば思うほど、苦しくなるとしても。

    雪に閉ざされた町で、「あの人」と女将さんはいつまでもいつまでも降る雪を眺めて暮らすでしょうか。そうだといいです。

    しんしんと優しい、あたたかなお話でした。

  • 紀伊國屋のほんのまくらフェアでであった本。
    日常のなかのちょっとした非日常的な話。ほのぼのしてるけど少し泣きたくなるような話が多い。

  • 夢の中にいるような不思議な本でした。
    読んでいて気持ち良く穏やかな気分になれました。文体がとても繊細でキレイなので読みやすかったです。

  • 最初の短編集なのに、今になって初めて読んだ。
    大好きな、川上さんのお話世界にどっぷり浸れて大満足。
    不思議なのに日常と乖離していない、うっとりしちゃう楽しい世界。
    何度も飛び込んで、ずっと遊んでいたい。

  • 過去に読んだ本。

    谷山浩子さんのアルバム「宇宙の子供」を聴いたのがきっかけで、手にとった。

    ほんわかした短編集。登場人物がいいなぁって思う。

  • くまの湿り気や温もりが伝わったー
    どの話も好きでした。
    人魚がやけに怖かった。

  • 川上弘美さんに人間じゃないものを書かせたら
    さいこうだと思う。凄くおもしろかった。☆5つ!

  • 305号室にくまが引っ越してきた。律儀で古風なくまだ。どんな種類のくまか、わからないという。私はマレーグマのように思うが、ふるさとは北のほうだという。だから違うかもしれない。ふるさとはセコハンで行ける距離らしい。くまは料理が達者で子守唄を歌うのが好きらしい。

    主人公はのんきでぼんやりとしていて、さみしがり屋。いつもふわふわしていて、怪異もふつうにああそういうこともありそうだ。思わせてくれます。

    304号室にはおとなになろうとする小学生のえび男くんが住んでいて、402号室には美味しい珈琲をいれてくれるエノモトさんが住んでいる。

    主人公の部屋にはお友達のウテナさんがくれた真珠色に光る壺があり、中にはコスミスミコが住んでいる。

    連作短編集。小さいお話で区切られたひとつの世界に触れていると心の奥で小さな鈴が鳴り続けているようです。主人公が行く居酒屋「猫家」を営むカナエさんが聴いた鈴の音ときっと同じ音だと思う。

    小さいひとは邪気がない。とくまは言う。くまのほうが邪気がないよ。私は思う。オレンジの皮を背中を向けてそっと食べる礼儀正しい、くま。

    主人公はくまから手紙をもらった。私もほんとうに、くまから手紙をもらったようだよ。消しずみで描かれた絵が私にも見えたよ。

  • 川上弘美さんらしさがデビュー作にすべてつまっています。ぎゅーぎゅーつまっています。簡単に書けそうだけど絶対書けない。読んだときちょっと衝撃でした。

  • なんで読んでなかったんだろう。川上弘美。
    大好きな雰囲気と大好きな世界。
    くまさんとピクニック、っていいなぁって思う。

  • おもしろいよー。

    出だしでやられた。
    クマに散歩に誘われたって、あぁクマさんって人かぁ、散歩ねぇ普通の話だなーって熊なのね。動物。

    シュールでおもしろいなー。


    何の説明もなしにさも当然な感じでクマと過ごしているけど、クマだと困ってくる問題もあって、車の運転とかまぁイロイロ。
    非日常が日常として取り込まれているけど、解消できない非日常はそのまま残っていて、それも当然のコトとして描かれている。
    そこがもうにんまりとしてしまう。

  • 私もくまと散歩してみたい。

  • 本という本の中で、いちばん好き。
    好きな本はなんですかと聞かれたら、迷わず答えられる。

  • 初めての川上作品。
    まだ判らないが、掴みはOK

  • 役名:エノモトさん『離さない』

    コーヒーを入れるシーンあるし、最後の方の「魅入られたね」というセリフを言ってもらいたい。

全403件中 1 - 25件を表示

神様 (中公文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

神様 (中公文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

神様 (中公文庫)の作品紹介

くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである-四季おりおりに現れる、不思議な"生き物"たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。

神様 (中公文庫)の単行本

神様 (中公文庫)の単行本

ツイートする