奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)

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著者 : 宮城谷昌光
  • 中央公論新社 (2002年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039735

奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 紀元前3世紀中国戦国時代に、秦の始皇帝の父・荘襄王を擁立させた、呂不韋という人物の生涯を描いた作品。荘襄王が趙の国に人質となっていたとき「奇貨居くべし(価値のあるものだ、手に入れるべき)」といって跡継ぎにした。
    呂不韋はもとは商人の家の子で学もなく何もないまま家を出るが、旅の途中で和氏の璧という宝を拾ったことから人生が変わる。趙、楚の上の人と知り合いになり、荀子という師にや唐挙という有名な人相見や孟嘗君と出会い、人々を助け、助けられながらやがて王の宰相となる。人とは何か、人を知るとはどういうことか、と常に問いかけながら私欲なく生きてきた生涯が胸を打たれる。

  • この作品は、1997~2001年に書かれたものだ。
    1945年生まれの著者の年齢を重ね合わせると、著者が52~56歳位の時に書かれた作品になる。

    中国を舞台にした作品は、うん十年という年月の間、手にしていない。
    漢字が多くなり、読むのに少々疲れるというのが大きな理由か。
    まあ、情けない理由である。

    この春風篇では、
    秦と趙との間の交換約束(璧と15城の交換)において、秦の嘘を見抜いた藺相如の活躍が書かれている。
    この活躍が、完璧という言葉の由来だとか。

  •  秦の始皇帝の父といわれる呂不韋の少年時代のおはなし。読後、同著者の作品『孟嘗君』を読み始める。秦が中国統一をする前、戦国時代が面白い。

  • 少年呂不韋が、いたたまれない環境の家を出て、様々な人と関わって、困難を乗り越えながら成長し出世していく。周囲の厳しさ冷たさ、そして優しさがとても良い。人の「器」という事をとても考えさせてくれる。激動の中での人の生き様というものを本当に劇的に読ませてくれて、胸にぐっとくることがとても多い。読むと元気になる。何度も読み返しています。宮城谷さんの作品の中では、これが一番好きです。

  • 1冊完結だと思ったのだがまだまだ続くよう笑 キングダムで悪く言われてる呂不韋のストーリー。日本に戻って続き買うか。。。

  • 中国戦国時代、底辺民の商人「呂不韋」が泰王政(のちの始皇帝)の宰相になるまでの波乱にとんだ人生。全五巻ですが、読み始めたら止まりません。多くの登場人物が混乱なく、最後は感極まる号泣まで宮城谷昌光の筆が冴えてます。
    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=210661

  • 「奇貨(きか)居(お)くべし」は『史記』の「呂不韋伝」にある言葉で、珍しい品物であるから今買っておいて後日利益を得るがよいとの意と、得難い機会だから逃さず利用すべきだとの二意がある。呂不韋〈りょふい〉は中国戦国時代の人物で一介の商人から宰相(さいしょう)にまで上りつめた。始皇帝の実父という説もある。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blog-post_20.html

  • 第1巻。時代背景の説明や故事成語をさりげなく織り交ぜながら、宮城谷は読者を呂不韋の物語へといざなってくれる。ここでの大きな主題は、和氏の璧をめぐる外交・政治の駆け引き。物語は趙の外交を中心に、秦の魏冄をアンチヒーローに、楚や斉の思惑も取り混ぜながら進んでいく。とくに、死を覚悟した藺相如の立ち居振る舞い(pp.279-282あたり)、藺相如の死を確信したときの呂不韋のつぶやき(pp.298-300あたり)は心に浸みる。作者は壁をめぐり殺人事件まで空想しながら、ミステリー小説のように読者を楽しませてくれる。
    ちなみに、アメトーークで紹介されたのを見て、さいきん漫画キングダムを読んでます。そっちも面白いしキャラクターデザインとか大好きだけど、同じ主題でも私はやっぱり活字のほうがすき。だって、強者(秦)の側からだけ語られる歴史には、なんの興趣も情熱も湧かないから。

  • 感想は天明篇にて

  • 始皇帝が即位して統一が見えてくるまでの話しだ。
    今まで読んだのが、戦国時代の個々の国や、秦の末期からなので、話しが繋がった感じだ。
    面白いじゃん!

  • キングダム見て、呂不韋に興味持って読み始めた一冊。父の本棚より。
    呂不韋の魅力的な少年時代。面白い。蘭相如(漢字違うけど)かっこよすぎ。

  • 約10年ぶり2回目の読了。
    駑馬は千里の馬にはなれないという思いを持ち、努力を続け、商人から秦の宰相にまでなった人の物語。
    自分では駑馬だと思っていても、他の人から見ると千里の馬に見える人。
    たゆまぬ努力があるから幸運にも恵まれる。
    己を活かすことが人を活かし国家をも活かすという思いの人。

  • 秦の始皇帝の父であり、秦の宰相にまで登りつめた呂不韋の物語。

    呂不韋は商人(賈人)の子供として生まれた。3兄弟の二男。自分だけ兄や弟と異なる母を持ち、家では異物扱い。
    そんなある日父に命じられ父の元で働く鮮乙と共に旅に出ることとなる。
    ここから呂不韋の人生は大きく動く。

    1巻ではその呂不韋の少年時代が描かれています。
    呂不韋が外の世界を見て、多くのことを学んでいく様、そして大きくその才能を開花させる様はとても読んでいて気持ちが良いです。

    和氏の璧の事件に巻き込まれていく呂不韋の活躍がすごい。
    きっと大事を成す人はその運命にあうように様々なものに出会うのであろうなぁ……

    「仲さまは、ご主人にとって、他人ですか」P42

    これから如何に呂不韋が天下に名を馳せて行くのか、気になるところです。

  • 4122039738 356p 2002・2・25 初版

  • 秦の宰相呂不韋を主人公とした小説。商賈の道を捨て、理想の政体を造る為、政治改革に邁進するも、秦王政の理解が得られなかった呂不韋。自らの生き方問うて、悩みながらも人として成長して行く青年時代。その中で、孫子・孟嘗君田文・藺相如・春申君黄歇などとのからみがあって面白い。今まであまり、良い印象を抱いてなかった呂不韋に対する見方が変わった一冊である。

  • 秦の始皇帝の父といわれる呂不韋の少年時代。
    不遇な環境から少しずつ世に出ていく時代。

    『見聞の豊かさのうしろに知識がないと、見聞を位置づけることも深めることもできない。』
    『人の資質は苦難によって磨きをかけなければ、光を放するようにならない』
    『知恵のある人とは、無限の能力を誇る人のことではなく、有限の能力を見極めた人のこと』
    『どんなに知恵が豊かでも、徳を備えていなければ大業はなせない』

    『わしは死人を生き返らせたわけではない。当然生きる者をわしが立たせたにすぎない』扁鵲(扁鵲)の言葉

  • 宮城谷さんの小説はどれも面白いんだけど、まぁ、オイラ的にはこれが一番好き!と思えるくらいに面白い。

    なんで面白いのか?というと主人公が最初から活躍しているからかな?とそんなことを思ったりした。

    もちろん、孟嘗君・楽毅の後の時代なので、時代背景を知り尽くしているが故に、物語時代を単純に楽しめるという理由もあるけどね。

  • 春風篇、黄河篇、飛翔篇、天命篇、火雲篇

  • 秦の始皇帝をうみだした呂不韋の物語。この巻は幼少期を書いたもの。幼少期から有名どころの人がバシバシ出てくる。人生は出会いだなあと感じながら、ページをめくる。まだまだ序章であるが、この先どのようにして秦の大臣になっていくか楽しみである。

  • 主人公は呂不韋。人のために尽くし、適材適所の概念で身分にこだわらず人材登用した。商家の産まれで、戦乱の中華を行脚し事業を拡大。燕にいた公子・異人を太子として立てるべく巨額を投じやがて秦王(子楚)まで盛り立て、自身は秦国の丞相となった。(これは珍しい物だ。買っておくべきだという中国の故事=奇貨居くべし)
    文化人の面が強く呂氏春秋(当時の百科事典)を作成し後世の歴史家に重宝されている。
    孟嘗君、魏冄(ぎぜん)、信陵君、白起、李斯、楽毅なども登場。

  • 呂不韋の話。秦の始皇帝の宰相というイメージだけであったが、韓のそう大きくはない商家の次男として生まれ、不遇の少年時代から人生が展開していくさまは以外だった。

    楽毅や子産など宰相の地位にあった人の話では”国”に対する意識が強く、呂不韋は”人”に対する意識が強いように思った。呂不韋が目指していた統治方法は今でいう民主主義に近かったというようなくだりがあったと思うのだけれど、読んでいて”人”に対する意識が強いと思ったのはそういうことだったのだろうか。

  • 秦の始皇帝が繁栄する土台をつくった人物を描いた物語。始皇帝の生い立ちに同情を寄せ、始皇帝の母との不義密通という汚名で悪名名高いこの主人公を、やはり宮城谷さんらしい、既存概念に対抗する描き方をしている。ただ、他の作品の中にも、頭が良すぎてちょっとこわさを感じさせる側からまさに人格者と言える、ついていきたいと思わせるような人物まで幅がある主役たちがいるが、この主人公は前者側かなと思う。そして、前者の結末と後者の結末は、その雰囲気に似合ったものといつも仕上がっている感じがする。彼は偉業を成したが、幸福度はいかほどだろう。

  • 呂不韋と聞いて知っていたのは始皇帝の
    父疑惑とそれに絡んだ嫪アイの乱くらい
    だったから、さぞや薄汚い思考を持った
    商売人だったんだろうと思っていたけど、
    それが180度間違った認識だったと思った。
    駄馬と言え千里を歩いた時点で既に名馬。

  • 始皇帝の父とも言われる呂不韋。
    世界初の民主主義者ともいえないだろうか。
    戦国期を堪能できる作品。

  • 大好きな作家、宮城谷昌光さんの5巻からなる大作の第1巻。登場人物がすごく生き生きとしています。

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