もうひとつの季節 (中公文庫)

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著者 : 保坂和志
  • 中央公論新社 (2002年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122040014

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もうひとつの季節 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 前作「季節の記憶」の続編。
    大きく変わる部分は無く、変わらない日常の中で変わらず思考しつづける話。
    主人公の息子のクイちゃんと猫の行動が本当に魅力的で、その描写だけでも読む価値があると思うけど、鎌倉でいい大人が好き勝手に生活している雰囲気がとても心地いい。
    前作を読んで気に入った人なら読んで損は無し。

  • 大人の童話のようでありながら、哲学的内容が随所に現れてきます。でも、なんといっても魅力的なのは、主人公とその息子クイちゃん、便利屋の松井さんとその妹、それと猫の茶々丸。この四人と一匹の関係のほんわりとした温かさが羨ましい。このような関係の永続性をつい願ってしまうのですが、悲しいかなそれは叶えられないものです。だから、その刻その刻の束の間の関係が愛しく、振り返ると切なくなるのです。

  • 作中に出てくる野菜スープみたいに、読むとほっこりしてしまう。

    冒頭から、クイちゃんはでんぐり返りに励んでいて、あいかわらずかわいらしい。朝食からクイちゃんは質問を飛ばしまくっている。
    「ねえ。パパ。あの写真はパパが赤ちゃんだったパパ、なんだよねえ」・・・
    「ねえ、パパ。猫はどうしたの?」
    「猫かあ。猫はもう死んじゃったな」
    「え! 死んじゃったの。ヒョエーッ!」
    「じゃあ、赤ちゃんも死んじゃったんだ」
    「赤ちゃんはパパになったんだよ」

    五歳のクイちゃんは、パパにも赤ちゃんの時代があることをだいたいは理解しているけれども、実際に赤ちゃん時代のパパの写真をみても、ちょっとそれがパパだとはうまいこと理解できないみたいで。この微妙な感覚を、クイちゃんを通して表す保坂和志という人が、私はますます好きになってしまう。

    大人達がちょっと真面目な話をしているところで、猫の茶々丸が炬燵に飛び込み、クイちゃんも茶々丸を追いかけて駆け回ったりして、会話が中断されたりするのも、小説を読んでいるはずの自分もその場の空気を共有しているような感じがして、終始心地いい。

    茶々丸を元の飼い主と思しき人のもとへ連れて行くかどうするかのくだりでは、僕と松井さん美紗ちゃんとおんなじ気持ちになってドキドキドキドキした。

    これから先、『さらにもうひとつの季節』みたいな続編が出ればいいのになと思う。

  • おもしろかった。哲学的なところは難しかったけど少し考えさせられた。

  • 『季節の記憶』の続編。解説はドナルド・キーンさん。
    「時間」について考えることが多い。終盤で猫の茶々丸が「迷い猫」として探されているという展開になった時は、今までにない、ちょっと大きなできごととして、読んでいる私の目の前にも立ちはだかってきて、同じ目線で一喜一憂した。居心地のよい関係の一部が喪失するかに思えたけれど、そんなことはなくてちょっと安心した。

  • 「季節の記憶」の続編。
    前作から間をおかず読み続けたが、もう少し時間が経ってから、続編を読めば良かったと思った。この小説は時間の流れが緩やかだから、それ位の間が必要だったと、少し勿体無かった。
    続編を読書中に、何故か前作の「言葉が持つ意味」を深く考える様になった。やはり時間の流れが緩やかなのか…。
    クイちゃんと茶々丸が可愛かった。

  • 「季節の記憶」の1ヶ月後くらいのお話。
    登場人物たちの哲学的な会話は相変わらずで、分かるような分からないような会話が続く。楽しい。新たに猫の茶々丸が加わり、夕食時の描写がにぎやか。鎌倉に住みたくなる。

  • 「季節の記憶」の続編。
    松井さん宅に居着いた猫の茶々丸との交流だったり。

    今回は挿し絵も入って短くて、ちゃんとオチらしいオチもあって、コンパクトで良かったのではないかと。

    しかし、中野さんみたいな父親を持つと、悪い意味ではなく、面倒くさいだろうなと思いました。

  • すこし最後は猫を動かして冒頭部分からの問題の『解決』にこだわろうとしたのが、「わかりやすくて面白かった」で済ませてよいものかとも思ったが、わかりやすくしないと勿体ないような小説だったかもしれない。いろんな人が手にとるといいなと思う。

  • やわらかな、のんびりした時間を過ごさせてくれる一冊。
    松井さん&美紗ちゃん兄弟がいいなぁ。
    子どもって、表現する術を知らないだけで、
    結構色んなことわかってるんだよね。

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