秘録東京裁判 (中公文庫 B 1-34 BIBLIO20世紀)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122040625

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  • 清瀬一郎 「秘録東京裁判 」東条英機の主任弁護人による裁判後記。


    日本軍に戦争犯罪性がないとするのは 正当化しすぎだが、裁判の冒頭陳述、東条英機の遺書など 驚きの内容であり、太平洋戦争の全体像を見ることができる良書。


    軍事裁判の恣意性、国際機関の限界、拡大主義の無意味さを実感した。読む前と読んだ後では 東条英機の印象が大きく変わる。


    連合国側にも日本政府を裁けるほどの絶対正義はないとする論調
    *日ソ不可侵条約を破ったソ連と共謀し
    *明らかに戦争犯罪である原爆を投下し
    *ポツダム宣言の無条件降伏や真珠湾攻撃の奇襲について、事実と異なる演出をし
    *明らかに合法性を欠いた東京裁判により裁いた


  • 清瀬一郎氏は「東京裁判は、本来復習が目的であった。」「また、東京裁判では、判事のうちにも、これが事後法であるということを認めた人もある。」と述べている。確かにその通りだと思うこともある。だからと言って、日本の行った戦争によって特に多くのアジアの人々が亡くなった事実は消えないのである。百歩譲って、この東京裁判が無効だとしても、日本が行った戦争は悪であると言いたい。西洋の植民地政策や奴隷制も悪である、貴様らも同じじゃないか!と声高に叫んでも、それで悪を免れることはない。

  • 再読

  • 東京裁判で弁護側副団長を務め、東条英機の担当弁護を行った清瀬一郎氏による東京裁判の記録。

  • 東京裁判に弁護人として関係していた清瀬一郎の著書。
    この裁判自体がはたして裁判といえるものだったのか?
    戦勝国による報復でしかないと著者は当初から訴え続けるが、
    みとめられず判決に至る。しかし、判事、検事のなかにも
    判決、はたまた裁判自体を無効と考える人間もいた。
    巻末に全文が掲載されている冒頭陳述は、
    当時の国民にどれだけ勇気をあたえた事だろう。
    少々条件は違うが、サダムフセインの裁判についても言える事だが、
    終戦後、戦勝国による敗戦国指導層へのこのような行動は、
    決して合法的とは言いがたいものだが、では他にどのような事が
    出来るのであろうか。戦争は始めるよりも終わらせる方が難しいと
    誰だかが言っていたが、それは勝った側にも当てはまる。

  • 東條さんの弁護人です。
    素晴らしい方です。

  • 東京裁判で東条英機の弁護を担当した、清瀬一郎本人が書いたもの。日本側の弁護を担当しているので、当然、「日本が正しかった」みたいなスタンスが本全体を通して、ある。でも、裁判前に東条英機が自殺未遂をしていたことなど、自分としては新しい発見もあり面白かった。東京裁判についての本として読んでおきたい一冊かも。

  • 東京裁判を語る際には避けて通れない一冊。

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