檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122040946

感想・レビュー・書評

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  • まさしく「檀流」クッキング。おいしければどこの国の料理だろうと、どんな材料であろうとトライしてみる好奇心旺盛な姿が子供のようで微笑ましい。食べることが楽しくて、作ることが楽しくて、食べさせることが楽しくて。楽しいことがたくさん詰まっている。「無いものは、なくてすませるに限る」繊細な一面もあれば、大雑把な一面もあり。毎日のことだから、こだわりすぎないことにこだわって、旬の味を楽しんでいる。楽しいが一番だ。

  • 作家檀一雄のレシピ本。昭和の巨匠のひとりである。坂口安吾、太宰治らと同年代、放浪の旅に出ながらモノ書きを生業とした。
    プロでもない人のレシピをサンケイ新聞に掲載されたものが人気を博した。その肝は、料理を通して、料理のあり方を提案したことにある。豚の角煮では、中国の杭州に伝わるトンポーローをリファーし、その歴史も含めて大切に作りたい気持ちにさせてくれる。ロシアのピクルスも、現地で食べたものだろう。

  • 壇一雄の料理の幅がすごすぎる。世界各地を歩き回った経験が大きいんだろうけど、個人の資質というか興味範囲も広いんだろう。文中に出てくる食材が現在では一般的でなくなっていたり(鯨など)、料理が一般化していたり(麻婆豆腐など)と40年の時代の違いを感じる。価格も肉類は大きく変わっているが、野菜のうち大根などはほぼ価格が変動していないことも興味深い。この間に日本人の食事の幅が広がったんだろうが、料理自体はどうだろうか。また、本当の食事の楽しさというのもどうなのか。
    全体的に酒の肴的な料理が多く、読み物として気楽に通せたのが良かった。

  • 料理は 中国に来て 一人で生活することに成って、
    中国のレストランは 一人で食べると面白くない。
    あくまでも、中華料理は 多人数で食べるものだ。
    必然的に 自分で 料理することに成った。
    最初は カレーばかりつくっていた。
    それでも、油だらけでトウガラシ込みの料理よりよかった。

    『壇流クッキング』を読んで、料理ってこういうことだ
    と改めて、感心した。
    料理のレシピは 何か ちまちましていて、
    めんどくさいのだ。適量でいいじゃないか。
    と思っていたが 『壇流クッキング』は、まったくおかまい無しだ。

    剛直、骨太、大雑把、オトコらしい、決断力がある。
    なんでもかかってこい という感じなのである。
    その地に行って、その地のものを食べる。
    それから、自分流儀にアレンジする。
    ポイントをおさえれば、うまいものができる。
    『ゴマアブラ』が、好きなんですね。

    ふーむ。読んでいるうちに 料理がしたくなる。
    アタマの中で 料理のイメージが膨らむ。
    すごい。本である。脳を活性化させ、
    行動へと導く。いそいそと 市場に出かけてしまう。
    それで、お目当てのものを ゲットして、
    いつの間にか 料理しているのである。

    なんだろ。やはり、料理するのは楽しい。
    そして、美味しければ もっと楽しい。

  • 他の料理本と異なり、写真が無いことにより料理を想像するので、余計に美味しそうなイメージが膨らむ。

  • 我が家のこどもたちなどこちらの方が好きである
    というような言葉が頻出するあたりがほほえましい。

    豪華絢爛な大ごちそうのレシピはもちろん、小鉢や箸休めのレシピが意外とリアルに使い勝手の良さそうなものが多くて楽しいレシピ本。

  • 川上弘美さん
    オクラおろし

  • 作家・檀一雄によるお料理メモをまとめた本。昭和44年からサンケイ新聞に連載された記事である。

    洋食、中華、和食まで、色々な料理を紹介。細かすぎず、おおらかな料理。「ちょっとやってみようかな」と思う。

    牛乳・米麹・ビオフェルミン・エビオスで作るヨーグルトが気になる。理屈では、ヨーグルトっぽいものができるだろうが・・・。

  • 食欲と料理欲を刺激する一冊。
    今の時期だとイカのスペイン風炒めがおいしかった。
    まさに大いにマネして、大いにつくり、食べてみる、である。

  • 太宰治とも御友達。そんな著者のお母さ 、著者が9歳のときに家出した。「3人の妹を食べさせなければならない」 こうして少年は台所に立つことになった。

    それから数多の年月と各国への放浪癖が鍛え抜いたスキルが存分に披露される一 冊。 「ナニ難しいコトはない。そんなコトはしなくても云々」として紹介されるレシピの数々は非常に実用的だと感じました。

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著者プロフィール

1912年、山梨県生まれ。東京帝国大学経済学部在学中に処女作『此家の性格』を発表。50年『真説石川五右衛門』で直木賞受賞。最後の無頼派といわれた。文壇きっての料理通としても有名。主な著作に、律子夫人の没後に執筆した『リツコ その愛』『リツコ その死』のほか、『火宅の人』『檀流クッキング』など。1976年死去。

「2016年 『太宰と安吾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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