あるようなないような (中公文庫)

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著者 : 川上弘美
  • 中央公論新社 (2002年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122041059

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川上 弘美
川上 弘美
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あるようなないような (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • いつの話かな? と思えば95年の文章だった。
    どうりでパソコン通信とかが出てくるはずだ。
    あぁ、そんな時代もあったね
    と懐かしく思い出す。
    通信の世界は変化が激しいな。

  • 何度も読みたいエッセイ本ってあまりないですが、これは貴重な一冊。
    この人の、歩きながら真剣にぼーっとしている感じがたまらなく愛らしい。
    「真剣なぼーっ」の中には実は空想・思考がフルカラーでたゆたっているんだけれど、普通はそういうたゆたう思考はそのまま流れていってしまう。浅い眠りの夢みたいに。
    それをこともなげに言葉にして世界に呼び出してきちゃう強さがまた・・・嗚呼愛らしい。

    「立春」という言葉を聴いて、「さまざまな小さい生き物でみっしり埋め尽くされた一枚の絵のようなものにちがいない」と確信する、このみずみずしさ。
    春生まれだったら、なんかうれしいな。

  • 川上弘美という人は、毎日なにかにちょっぴり困って、うつむいている。かと思うと、ふと顔をあげて、いたずらを思いついた童女のようににっこり笑って駆けだしている。ただし行き先不明・・・というイメージ。
    いつもどっちつかずでとらえどころがなくてわからない。つまりこのタイトルどおり「あるようなないような」な人です。って知り合いでもないのに言い切るのもどうかと思いますが。少なくとも、彼女のエッセイはそんな風情を醸し出していて、それがたまらなく魅力的。

    なんにもやる気がでないときは、川上弘美ワールドに浸るとなんだか癒される。

    さらに、このエッセイ集のいいところは、「読書目録」とか「読書ノート」とか、彼女の好きな文学についてのエッセイも含まれており、本ガイドとしても良いところです。

  • 好みのエッセイを書く作家を、また見つけた。
    エッセイと物語が半々みたいで不思議なものがある。大学生のころ図書館で本を読んでいたエピソードが好き。
    理学部出身は、意外だった。

  • 2017.4.1市立図書館
    94〜99年頃にあちこちの媒体に書かれた文章をまとめた第一エッセイ集。
    川上弘美の文章はなんとなくとまらなくなる。波長が合うというか…ちょっとぼんやりとしたところとか、思考回路が近い気がする。ら抜きと母娘の葛藤をつづった「なまなかなもの」なんかおもしろかった。「ゆるやかに効く薬」のような読書周りのエッセイはやはり興味深い。いい年して児童文学を読んでいたことに共感を抱く。まじないとして読む漫画のチョイスに頷く。「しみこみやすい人」にでてくる、どんなに飽和状態でもしみこんでくる人物とは誰だったのか気になる。息子さんたちにその後「淫靡な」本をあたえたのかどうか後日談も気になる。結びの表題作9篇も現実と虚構のあわいを行き来しているような感じでよかった。
    借り物を移動の隙間でちょこちょこ読んだけど、返すのがちょっと惜しい。

  • 川上弘美は自分の中のどろどろとかもやもやが、そんなものか、という気になるからいい。

  • 「あるようなないような」生活や読書日記などが収められているエッセイ。「あるようなないような」っていう言葉が絶妙だなあ。暇でも「あるようなないような」だし忙しすぎても「生活」が「あるようなないような」って感じたりするし。パソコン通信からインターネットに移行し始めた時期のエッセイ。川上さんは結構パソコン好きというか通信好きなのね。
    にせの誕生日のエピソードがすごく好きだった。
    「蟹にもじゃこを食べさせてあげてくださいね」って言われたらきゅんとするだろうなー。

  • 川上さんて、すっごく現代の作家さんかと思ってた。蛇にピアスとか、あの世代の。
    だから、これ読んで、違うんだって驚いた。
    作家になるまでとか、文章についての話とかが面白かったな。白骨温泉でふやけながら読む。

  • 単行本で読んだことがあるようなないような気がいたしておりますけれども、再読してみてやはり良質なエッセイだな…と感じ入った次第であります…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    読書のエッセイとかが特によかったですね! いや、他人の読んだ本とか気になるタチですので…川上さんが普段どんな本を読んでいるのか把握できた点は良かったです。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    後は最後らへんの、まさに「あるようなないような」話は個人的に僕の感性と合致しているようで共感できました! 今後、また読み返してみたい本でもありますね…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • あるようなないようなことで、満足していたいなと。

  • 筆者の最初のエッセイ集。1995年~99年にかけて、様々な活字媒体に書かれたもの。10数年前ということになるが、インターネット環境などは隔世の観がある。「ネットカフェ」は「エロクトロニックカフェ」と呼ばれていたなど。エッセイなのだが、掌編小説の趣を持ったものもあり(「秋の空中」など)、川上ワールドが楽しめる。また、この人の文章は、こうしたエッセイでも独特なものがある。例えば「風邪をひいた」というところを「感冒を得たのであった」と書くのだ。まるで風格のあるオヤジみたいだが、彼女の文章はかくまで論理的なのだ。

  •  ちょっと前の話なのに 懐かしい(今はなき)パソコン通信 ポケベル なんていう単語がでてきた。そんなことで感慨深い。

  • うつろいゆく季節の匂いがよびさます懐かしい情景、日々の暮らしで感じたよしなしごとあれこれ―。
    うつつと幻のあわいの世界をゆるやかに紡ぎ出す、不思議の作家の不思議の日常。じんわりとおかしみ漂う第一エッセイ集。

    。・゜*・。・゜*・。・゜*・。・゜*・

    H25.5.1 読了

    2月の旅行の供に買い、帰ってからも少しずつ少しずつ読み進めた本。
    読み終えてしまった時の淋しさといったら・・・。

    川上弘美のエッセイで、未読の本があと一冊になってしまった。
    読みたいけれど、終わりたくない。
    ずるずると余韻をひきずってしまう、独特な読後感は何なのだろう。

  • 大部の作品の合間合間に読んでいたので、やっと読み終えました。特に面白かったのは「なまなかなもの」で語られる川上女史の母親のこと。話に落ちもあって、くすっと笑ってしまいました。また、「近所の大仏」も無気味さ加減が実によろし。

  • 今からもう15年も昔に各誌で連載されたエッセイたちを集めた一冊。

    大いに笑った。
    笑わそうとしていないのに(川上氏は本当は笑わそうと思っていたのかな?)、そしてこちらも笑おうとしていないのに、「つい」笑ってしまう。
    大真面目な文面で冗談をつらつらと書き連ね、若干ほくそ笑む姿がなんとなく浮かぶ。想像だが。

    彼女の育ったきた環境、文章を書くに至るまでも敬意、自分の作品とどう向き合っているか、癖や死生観について。
    もりだくさんてんこ盛り、川上弘美というにんげんがどう作られているか、ほんの少し覗き見たような感覚。

    しかし本当に笑わされた。
    バスの中で本を開いているときは、突然の可笑しみに噴き出すのを堪えるのが大変であった。

  • 自分の中の川上さんのイメージは、ドールハウスの様な家に住んでいる作家さん。語彙の豊富さや表現の可愛いらしさ、幼少の頃のことをたくさん覚えていて、そういう出来事を面白く書けるのがすごい。生肉の絵本が気になります!読んでみたい。

  •  川上弘美のエッセイの中でも、現実逃避できる度合いは低めだと思う。もちろん、現実と空想の境目に居る感覚に陥ってしまうような話はある。だけど、全体的には低め。
     90年代に書かれたものだから、2012年である今読むと、ちょっと驚いてしまうような内容もあった。特にPC関係の話とか。「カフェ?の中にパソコンがあるのか。へぇー」と読みながら思った。

  • 季節のこと、本のこと、幼い頃のこと…。作者の日常を中心としたあれこれを綴ったエッセイ集。
    基本的にエッセイ嫌いの私だが、あんな摩訶不思議な小説を書く人の日常って一体…、と思わず手にとってしまった。結果、何か解明したかというと、やはり摩訶不思議なままであった。そもそも、芥川賞を受賞したお祝いに近所の大仏が訪ねてくる(「近所の大仏」)なんてことがさらりと書かれているのだから、困ってしまう。一方では、好きな本の話や作者が嗜んでいる俳句について触れている章もあり、興味深い。つられて漱石の『文鳥・夢十夜』を買ってしまった。これいかに。

  • ちょっといいみたいな、そんな感じ。
    このひとの言葉が好きだなぁ、と思わされる。
    心地よい文章と空気、気取らない素朴さ。

    ちょっとずれた感覚が楽しい。
    ご飯がおいしそうなのも相変わらずいい。(そのことのルーツみたいな話を覗けるのもまた、嬉しい。)
    文章の巧さとしゃべりの巧さは比例しないのかしら、と勝手に親近感を持ったり。
    この飄々とした現実感のないひとが“お母さん”だというのが、なんだか想像できない。
    かばん症には共感。

    いろんなところから集めた文章なので統一感は全然無いのだけれど、川上弘美さんのその時その時の感覚に触れられる感じが贅沢にも思える。

  • 川上さんが川端さんの本をお布団の中でゆるっと読んだように、私もこの本を毎日少しずつ、ゆるっと楽しんだ。
    共感出来る大切なような事があちこちでちらりと光って見えたけど、いつもそのまま寝てしまって記憶に定かに残っていない。次読む時には引用をしなくては。
    長嶋有さんとお友達なのが分かって何だか嬉しかった。

  • ネットが出来るエレクトロニックカフェってものが1995年ごろにあったことを知った。30分500円もしたんだ。パソコン通信て言葉もなつかしい。すごい勢いで進化したもんですね。

  • 身辺の事や本に纏わるあれこれや読んだ本の事等、「毎日の生活で考えたよしなし事」を纏めたエッセイ集。この本を読むと著者は散歩を凄くしてる。髪が少し長くパーマのかかった(著者の写真もあるけれど)、ほんわかした女の人がてくてく歩いている様子が吉野朔美の絵で脳内再生された。再読した本しか本棚にいれないというのに驚き、仕事が上手くいかない自己嫌悪の時には「ガラスの仮面」を読んで北島マヤにも姫川亜弓にも速水真澄や月影先生にも感情移入出来なくて読み進む内に自己嫌悪の気分は薄紙を剥ぐように取れると書いてあるのを読んでそうなのかなぁと思った。

  • エッセイとか書評とか。
    川上さんのエッセイは東京日記ではまりました。
    ゆるゆるっと読めます。
    小説は読んだことないので昨日買ってきた!
    はやくよみたいなー。

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