アール・ヌーボーの世界―モダン・アートの源泉 (中公文庫 う 17-6)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122041523

感想・レビュー・書評

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  • ロココ調が好きです!アールヌーボーが好きです!

    天蓋付きのベッド、猫足のバスタブ、金と白が貴重の家具、花柄のソファ…映画「マリーアントワネット」のセットみたいなお部屋で暮らしてみたい。ベルサイユの薔薇、宝塚…女子なら誰もが一度はお姫様に憧れたことがあるのでは。

    アールヌーボーと言えば、ビアズレーとミュシャ。よく並べて紹介される両者だけど画風は対極にあるような…

    ビアズレーは黒白、蠱惑的、悪魔的で線の美しさが天才的、一方ミュシャは優美で華やか、たおやかで慈愛を感じる濃やかな色使いの名手だと思う。どちらも大好きだけれど、ビアズレー→画集を眺めて溜息、ミュシャ→部屋に飾ったりポストカードを人に贈りたい、と言うのが個人的感想。
    手元にないですが折に触れ読み返したくなる本です。

    • まろんさん
      ミュシャ!大好きです♪
      あの柔らかな描線と色づかい!

      「たおやか」という表現、私がミュシャに抱いているイメージにまさにぴったりで、
      het...
      ミュシャ!大好きです♪
      あの柔らかな描線と色づかい!

      「たおやか」という表現、私がミュシャに抱いているイメージにまさにぴったりで、
      hetarebooksさん、さすが!とうれしくなりました。

      天蓋つきのベッドに憧れて、大学時代、狭い寮の部屋で
      備品の機能性一辺倒のベッドにフリルとレースいっぱいのカバーをかけ
      美術学部の友達を学食の「スペシャルランチ」で釣って
      ベッドの上にカーテンレールを張り巡らせた贋天蓋を作らせたのは、私です!
      そして、最近やっと猫足のピアノ椅子を手にいれて、
      眺めては悦に入っています(笑)
      2012/09/22
    • hetarebooksさん
      まろんさん、ミュシャいいですよね~!!本当に美しくてうっとりしていまいます。

      寮のお部屋がロココ調!さすがまろんさん!贋天蓋、私も作り...
      まろんさん、ミュシャいいですよね~!!本当に美しくてうっとりしていまいます。

      寮のお部屋がロココ調!さすがまろんさん!贋天蓋、私も作りたかった!!!
      他のお部屋はともかく、寝室だけはロココ!お姫様が着るようなふわんとドレープたっぷりのナイティをPJで取り寄せたものの、朝にはお腹丸出しで目覚めたのは、私です!(笑)

      猫足のピアノ椅子…うっとりしてしまいますね❤
      2012/09/24
  •  
    ── 海野 弘《アール・ヌーボーの世界 ~ モダン・アートの源泉 2000101 中公文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/412204152X
     
     Unnno, Hiroshi 評論 19390710 東京 多摩 20230405 83 /虚血性心不全
    /籍=中村 新珠/早稲田大学卒、平凡社に入社、雑誌《太陽》編集長
    などを経て独立。博覧強記で知られ、美術や都市論、映画など幅広い分
    野で評論活動、小説も著した。《江戸ふしぎ草子》で斎藤緑雨賞。他に
    《世紀末の街角》など。
     
    https://booklog.jp/author/%E6%B5%B7%E9%87%8E%E5%BC%98
     
    (20230520)
     

  • アール・ヌーヴォーの歴史と思想を分かりやすく解説した入門書であり、さまざまな分野にまたがってエッセイを執筆している著者の、単著としてははじめての本でもあります。

    歴史に関する解説では、とくにラスキンとの比較を通じて、アール・ヌーヴォーの特徴を浮き彫りにしています。ラファエル前派からラスキンを経てW・モリスのアーツ・アンド・クラフツ・ムーヴメントにいたるイギリスの芸術運動は、アール・ヌーヴォーと多くの特徴を共有しています。しかし著者は、ラスキンがターナーを評価する一方でホイッスラーを批判しているところに、イギリスにおける「狭さ」を指摘します。ホイッスラーは、芸術において道徳的責任からの自由をめざしており、そこに彼の近代的なデカダンスの立場を見いだすことができます。ラスキンが嫌ったのは、まさにこの点でした。さらに著者は、ホイッスラーが日本の浮世絵に色と形の抽象主義を見いだすことで、歴史的な枠からの超出をなしえたことに触れて、イギリスの線的なゴシックに対置される、平面の重視という性格を取り出しています。

    また、「見ること」をめぐって印象派の立場からの発展として、アール・ヴォーボーを特徴づけるという試みがなされています。印象派の絵画論からの脱却の道は、セザンヌによって見いだされました。このことを著者は、ルネサンス的な遠近法の中から「奥行」がせり上がってきたと解釈しています。こうしたアール・ヌーヴォーの特徴は、「見ること」を構成としてとらえようとしたK・フィードラーやA・リーグルらの芸術学、あるいは『見えるものと見えないもの』で現象学的な視覚論から「奥行」を梃子にすることで存在論への移行を図ったメルロ=ポンティの芸術論との共鳴が指摘されます。

    興味深い論点がいくつも示されており、おもしろく読みました。単なる概説ではなく、アール・ヌーヴォーの思想的意義についての著者の解釈が展開されている、意欲的な入門書だと思います。

  • アール・ヌーヴォーを知りたいときの入門編に最適。

    (1987年06月15日読了)

  • アール・ヌーボーの成立と影響を分かりやすく解説してた。

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著者プロフィール

美術評論家。1976年から平凡社『太陽』の編集長を務めた後、独立。幅広い分野で執筆を行う。

「2023年 『アジア・中東の装飾と文様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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