猫に時間の流れる (中公文庫)

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著者 : 保坂和志
  • 中央公論新社 (2003年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122041790

猫に時間の流れる (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 猫好きなので、しみじみしながら読みました。猫を取り巻く人間模様が親しみやすくて切なくて、早く帰って愛猫を抱っこしたくなる。

  • 保坂さんで猫に時間の流れるが一番好き。キャットナップはよくわからないから車に入れといてたまに読もう。
    猫が知らないところで生きてるのと死んでいるのに意味の違いはないとか。死んだ人間が残すわからなさは動物の場合には生きているあいだも常にあるとか。
    あとがきまで読んでてたのしい。

  • 保坂和志「猫に時間の流れる」 http://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204179.html … 読んだ、よかった!読むたび思うけどこの人すごい。同じアパートの住人と野良猫で一編(表題作)と病院敷地内の野良猫20匹の去勢に乗り出す一編(キャットナップ)。個人と世界の関わり方を小説で示した哲学本(つづく


    ここでも進行は平坦で目の前の事象だけ描写し会話で世界観を提示する。神の視点を用いない。この人は猫を良く判っているなあ。野良として死ぬのも運命。かわいそうという気持ちのなんと安直で無責任ななことか。同情は自己満足でしかなく対象のためではないことを理解できない人が多すぎる(おわり

  • 保坂和志「猫に時間の流れる」 http://www.chuko.co.jp/bunko/2003/03/204179.html … 読んだ、よかった!読むたび思うけどこの人すごい。同じアパートの住人と野良猫で一編(表題作)と病院敷地内の野良猫20匹の去勢に乗り出す一編(キャットナップ)。個人と世界の関わり方を小説で示した哲学本(つづく


    ここでも進行は平坦で目の前の事象だけ描写し会話で世界観を提示する。神の視点を用いない。この人は猫を良く判っているなあ。野良として死ぬのも運命。かわいそうという気持ちのなんと安直で無責任ななことか。同情は自己満足でしかなく対象のためではないことを理解できない人が多すぎる(おわり

  • 今まで読んだ保坂さんの小説には、猫がよく出てきていたけど、この本の『猫に時間の流れる』は、主題が猫だったので、終始猫の話題が続く。もう一つの『キャットナップ』は半分以上猫の話。
    『季節の記憶』に比べたら、理屈っぽさが少なくなったようにも感じた。

  • 「猫に時間の流れる」と「キャットナップ」を収録。
    保坂さんが、人間ではなく猫中心に描いたという、「猫に時間の」の方が、今回は読んでて心地よかったのは、猫好きでもなんでもない私にとっては不思議だった。作中に出てくるクロシロという猫の存在が大きかったんだと思う。ただ、かわいい、とか、愛らしい、とかいう猫よりも、ちょっと癖があって、悲哀があって、汚らしい匂いが届いてくるような猫っていうのは、ひっかかってくるもんなんだなあ。

    p41 美里さんのつきあっていた男とちがって弘美はぼくと美里さんのことをいっさいカンぐらなかったが、それから何ヵ月もしないうちにぼくは彼女にフラれた。理由は美里さんでも猫でもない。フラれることにはっきりした理由が必要なのかどうかもよくわからないが、ぼくはとにかく女の子と長くつき合おうとしない何かがあるのかもしれないと思う。ぼくは弘美というその子と会えなくなったのがしばらく残念でフラれる直接のきっかけになった事件さえ起こっていなければまだしばらくはつづいていたはずだ、もしかしたらずっと何年もつづいたかもしれない、もう弘美を好きになったようには誰かを好きになれないかもしれない、なんて思っていたが案外短期間で新しく好きな女の子ができた。そして美里さんにも新しい恋人ができたのだけれどこれがまた妻子持ちだった。

  • 著者とノラ猫との体験談、かと思いきや小説だった
    ものすごくゆっくり読みました。3週間くらい。


    「恋愛の話や人が生きたり死んだりする話と同じだけ猫の話があってもかまわないんじゃないだろうか?」

  • 猫に時間の流れるとキャットナップの2作。
    猫に時間の流れるは猫を中心にした話、キャットナップも猫はたくさん出てくるが、人間もよくでてくる。
    全体的に登場人物が気楽というかゆるいというかそんな感じで個人的にとても好き。

  • 良品

  • あたしは猫を飼っていて、だけどそんなに猫が大好き、というわけではない。人には猫を可愛がっているとかいわれなくはないけれど、いわゆる世間の猫好きとは自分は違うように思っていて、ただそう言うよりはもう無条件に好き好き大好き、と言った方が生きやすい。だからあまり人には言ったことがなかった。

    自分の飼い猫の世話をするのと、その辺にいる猫をなんでもかんでも可愛がるのとは、少なくともあたしにとっては天と地ほどに違っているのだ。

    だから猫好きの書いた本は読んだことないし、読む気もしなかった。この本だって多分、決して手にしなかったろう。もしあたしの本ソムリエがこういわなかったら。

    「この本、あなたは読んだ方がいい気がする」

    面白かったよ、でも、猫好きだったよね、でもない。放り投げるようにあたしに無造作に与えられたその言葉が気になって、つい手にしてしまったのだ。

    ソムリエがあたしの猫への思想をわかっていたとは思わない。ところがこの本はことごとく、あたしの想像を超えた猫本だった。


    「猫をちゃんとかわいがっている飼い主だったら多少の差はあっても猫の経験することを整然としたものにしようとしているはずで、複雑にしようとしない。叱りつけるような態度でほめたりしないし、楽しい時間は楽しい時間、静かな時間は静かな時間という風に区別する。」

    そうなんだ。あたしが猫と暮らすようになって思ったことそれは、言葉が通じないこの小さいものたちには、常に一貫した態度で臨まないと何も理解されないこと、伝えるには態度、それも極めて明快でクリアでないと学んでくれないイコール苦労が自分に返ってくる、と言うことだった。

    あたしはもともと、ものすごく自分ルールを持っている人で、相手も同じに理解するのだと思い込んでいたから人付き合いは下手くそだ。でもあたしが少しでも相手を斟酌できるようになったのは、猫のおかげとしかいいようがない。

    あたし以上に周りを気にせず、ダメと言われたことをか理解するけれどあえてそれをするひねくれもの。気紛れであたしのことなんかこれっぽっちも気にしない、あたしの同居人。

    あたしは奴らにとってはご飯の運び屋に過ぎなくて、でもあたしはそれでも仕方ないと思ってる。海を眺めるみたいに猫の仕草を楽しみ、たまに撫でる、その対価としてそのくらい、問題ない。

    この本はそんなあたしに、ぴったりだ。何も押し付けずに何もあたしに求めない。猫を好きになれともいわない。

    猫には哲学も、あるんだな。

    そんな本。

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猫に時間の流れる (中公文庫)の作品紹介

飼い猫のチイチイとパキ、野良猫のクロシロとぼくたちの関係は、微妙な緊張と調和を保っていた…。何かがわかっているような何もわかっていないような猫たちとの日々-。世界との独特な距離感に支えられた文体で、猫たちとの日常‐非日常という地平を切り開いた新しい猫小説の原点。

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