私の聖書物語 (中公文庫BIBLIO)

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著者 : 椎名麟三
  • 中央公論新社 (2003年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042247

私の聖書物語 (中公文庫BIBLIO)の感想・レビュー・書評

  • 神を信じる者には、神を疑い、ためす権利がある
    ゴルゴダのイエスだって「エリエリレマサバクタニ」と悲鳴をあげた
    エリエリレマサバクタニ
    すなわち、「主よなぜ私をお見捨てになるのですか」だ
    イエスは、みずからの復活を預言によって知っていた
    にもかかわらず、死の間際になって迷ったのだ
    すべては幻にすぎなかったのではないか?と
    ニーチェよりもずっと先に、イエスは神に疑義を呈していたわけだ

    しかしイエスは三日後復活した

    唯物論的観点から、そんなの嘘だと言う人はいるだろう
    基本的に、この本はそういう主張に立脚してます
    しかしそれでもなお神を信じずにはやりきれないこともあって
    その点、人間は自由な存在なのだ

    逆にこうも言える
    イエスは、そうしてみずから神を疑ってみせることにより
    すべての人の弱さを肯定したのだと
    ぺテロ、ヤコブ、ヨハネら逃げ出した者たちも
    イエスを売り渡したユダも
    すべて信仰を維持できなかった者たちであるが
    それは要するに、イエスの奇蹟を目にしてもなお
    半信半疑だったということだ
    しかし預言者ならぬ人々が神の存在を信じきれないのは
    むしろ当然のことといえる
    それに対してイエスの提示した答えが「エリエリレマサバクタニ」
    そういうことではないだろうか

    そこまでイエスを追い込んだのは
    暴力と観念と倒錯の問題、だと思う
    椎名麟三という人はもともと共産党員だった

  • キリスト教はよく分からんが、そこに「神」を感じるというのは、宗教の垣根を超えた基本だろう。キリスト者の作者が街を歩き、生活して感じたこと。そこに神の教えを私的解釈でのせてゆくエッセイ。基本、この人の小説の方が好きなのだが、ものの捉え方、感じ方は相変わらずのハイセンス。

  • キリスト教作家、椎名麟三の聖書と基督と人生に対するエッセー。キリスト者でありながら、キリスト者でないと語る著者の気持ちはわかる気がする。聖書の神学云々ではない、私を生かしたキリストが大切なのだ。これは信仰者にはなくてはならない姿勢だと思う。自分の汚い部分もさらけ出して、それを許し愛し、生きる意味を与えてくれるキリストを愛する。キリストのようになりたい、という敬虔な姿勢とは程遠いが、これも一つの信仰の形なのだろう。最後の「罪こそが罰」という内容にはうならされる。

    人生のうねりの中でのキリストとの出会いによる、著者の人生論。


    09/4/12

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