エンデュアランス号漂流記 (中公文庫BIBLIO)

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制作 : 木村 義昌  谷口 善也 
  • 中央公論新社 (2003年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042254

エンデュアランス号漂流記 (中公文庫BIBLIO)の感想・レビュー・書評

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  • 本書は、1914年に最初の南極大陸横断を目指したシャクルトンが、壮途なかばエンデュアランス号を氷に砕かれて遭難し、氷海に投げ出されて孤立無援となった探検隊28名を率いて、全員を生還させた報告書の抄訳である。
    その行程は、1914年8月にロンドンを発ち、同年12月に最後の寄港地南ジョージア島を出帆、南極大陸に接近しようとしたが、ウェッデル海の浮氷群に閉じ込められてしまう。1915年10月にエンデュアランス号が粉砕された後は、6ヶ月間浮氷に乗って漂い、1916年4月にエレファント島に上陸。直後、シャクルトン隊長は、22名の隊員をエレファント島に残し、救助隊を求めて、5名の隊員と共に全長わずか6mのボートで800マイル(約1,300㎞)離れた南ジョージア島へ16日間の決死の航海を敢行する。そして、南ジョージア島上陸後、3名の隊員を上陸地点に残し、2名の隊員と共に島の反対側にある捕鯨基地へ、雪に覆われた山と氷河を越える36時間の横断行を成し遂げる。南ジョージア島を発ってからなんと17ヶ月後が経っていた。更に、エレファント島に残った隊員を救助するために何度も船を出したが、浮氷に遮られて残留地に近づくことができず、彼らが救助されたのは1916年8月、シャクルトン隊長が救助を求めてエレファント島を離れてから4ヶ月半後のことである。
    シャクルトンの自著であり、筆致は意外なほど淡々としているが(現代のノンフィクション・ライターなら遥かにドラマティックな表現をするのではあるまいか)、その記録は、本当に人間とはこれほどのことに耐え、ここまでのことが成し遂げられるものなのかという、驚くべきものである。
    シャクルトンは、「わたしは当時のことを回想するとき、たしかに神の加護があったとしか考えられない」と記しているが、それに先立って、シャクルトン隊長と隊員たちの固い団結心、生死の境にあってなお失われることのなかった深い友情と信義、隊員たちの不屈の精神の、いずれかが欠けていても実現しなかったに違いないのである。
    数ある冒険・探検・遭難からの生還の記録の中でも、稀有な感動の手記である。
    (2017年10月了)

  • 高野秀行さんオススメの冒険記。いやまあすごいもんです。南極大陸横断を目指したものの、その手前の海で漂流の後船を失い、ボートと徒歩で救援を求め、全員が生還を果たすまでの顛末を隊長が綴ったもの。よくぞまあ生きて帰ってきたものよ、という危機の連続だ。

    しかしこれはもう百年も前のこと、素人にはイマイチ具体的な装備とかがわからないところに隔靴掻痒の感がある。ああ、誰か現代の冒険家で文章のうまい人がたっぷり説明をつけてリライトしてくれたらいいのに。このシャクルトン隊長がすごい人だというのはビシビシ伝わってくるんだけど、どうすごいのか誰かに説明してほしいなあ。

    リーダーシップというのは、「決断力」と「人を使う力」なのかも。そんなことも思った一冊。



    追記

    と、書いてからふと気になり、もう一度「辺境の旅はゾウにかぎる」を確かめたら、高野さんが「名著」と書いているのはこれではなくて、ランシングの書いた「エンデュアランス号漂流」の方だった。あらー、そっちを読まなくちゃ。

  • 1914年南極での英国隊遭難の記録。シャクルトン隊長、最初はあっさりした記述で、船が氷に閉じ込められようが沈没しようが淡々としている。でも後半ボートで救助を求めにいくあたりから俄然やる気になって記述も具体的。自分で動くのが好きみたい。この人はリーダシップを高く評価されているようだが、プレイヤータイプに見えた。
     
    寒いだけでなく、ずぶ濡れで、腹ぺこで、喉も渇いている様子がよく伝わってきた。これがいわゆるイギリスのジョンブル魂か。最後の3人での山越えで3人ともが「もう1人いるみたいだった」って回想する箇所がぶるぶるっときた。

  • 2017.2.26
    田久保さん本より

  • 図書館で。
    まだ地球に冒険が残っていた時代、といえば聞こえはいいのですがある意味はた迷惑な人達が活気づいていた時代だったんだなぁなんて思いました。
    だって。まるで違う土地に未知の病原菌を持ちこみ、その地に住まう動物を殺して食料にし、持参した器物や装備を荷物になるからと現地に廃棄する。南極の動物にしてみたらいい迷惑だよなぁ…

    でもまあそう言う言っては悪いかもしれないけれどもバカみたいな事に全力で取り組めるというのは中々羨ましいなと思います。命の危険を顧みずに挑戦できるってのはどういう事なのかな。面白いなぁと思いました。でも私は頼まれたって南極なんか行きたくないですけどね。寒そうだから。

  • すばらしい本だった。初の南極大陸横断を挑むも遭難。しかし、不屈の精神とリーダーシップで奇跡の全員生還を成し遂げた冒険録。

  • エンデュアランス号が漂流し、17ヶ月ぶりに無事に全員救出されるまでの話。
    実際に起こったことだから、それをデフォルメして欲しいわけではないが、読んでいてもあまり緊張感がわかない。本当は、かなり極限な状態であったとは思うのだが。
    淡々と、救援までの話が綴られているだけだ。
    ただ、遭難して、全員が救出されたというのは見事なことであり、統率者のリーダーシップや人間力が相当高かったのだろうと思う。

  • 南極横断探検隊、シャクルトン隊長の記録をもとにした、遭難、脱出、生還、救出の物語。「火星の人」のような、冒険小説としての脚色がない分だけ淡々としているように感じるが、地図とあわせてみたり、寒さを想像してみると、大変な状況が肌感覚で理解できる。シャクルトンのリーダーシップや危機管理能力についても学べる参考書。これはビジネスでもそうなのだが、徹底的な準備、慎重な分析、そして決めたことは即実行、ということ。

  • 山口周さんの「読書を仕事につなげる技術」に載っていたから読んでみた本。
    リーダーシップの本として紹介されていたけど、どーなんだろう。具体的なものとして書かれているわけではないため、ある程度推測しながら読めば得るものがあるのかも、、
    単純な読み物として読んでしまいました。
    読み物としても十分面白い本です。

  • そういえば、夏頃にこれもドキドキしながら読んだ。
    こういう極限状態にある紀行の本って、食事が美味しそうなんだよな~~

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