名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)

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著者 : 升田幸三
  • 中央公論新社 (2003年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042476

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  升田幸三の現役時代末期は知っているはずなんだけどほとんど記憶になく、伝説の人という印象の方が強い。その伝説そのものがこの本だ。当人の口述を執筆者がまとめたものだろうけど、とても生き生きと人物が描き出されている。出る杭は打たれる今の時代に合わせて角の立たないように工夫はされているが、強烈な自我と自負は覆うべくもなく、まさに人間升田の面目躍如というところ。AI時代の到来前に世を去って本人は幸せだったろう。

  • 少年の頃から抱いていた大志を叶えた英雄譚なのだが、軽妙で演者染みた語り口で展開されるので、一体何処迄本当なのか分からない不思議な内容だが、そこも含めてキャラクターだろうから仕方ないだろう。士官を元の役職のまま登用する将棋はチェスに比べて人間的であるとGHQに抗弁した逸話はもちろん、「集中」を学んで棋士としての一歩を踏み出したという話も面白い。

  • 「升田・大山時代」を画した故・升田幸三の自伝である。羽生・渡辺に「指してみたい」「現代の棋譜に通じる斬新さがある」と言わせる人物であり、坂口安吾の秀逸な「散る日本」(「右か、左か」所収)にも印象深く綴られている。母親の被服の物差しの裏に「名人になる」と書き置き家出、弟子入り、出兵、過激な言動で大阪人に愛され、棋戦のボイコット等の問題行動?。破天荒さ・清濁あわせ持つスケールの大きさが魅力。ただ、もっと面白い本になるはずの人物であり、その意味では物足りない。小説「王将たちの謝肉祭」でも描かれる絶頂期後も含む評伝として、読んでみたいと思った。

  • こんな破天荒な生き様、将棋指しじゃなかったら有り得なかったんだろう。
    少年のころの夢を叶えた人がどれだけいるだろうか、ってあったけど、ほんとうにこの人は成し遂げた。
    生きて、指している姿を観たかった。
    仮に将棋が好きじゃなくても、魅力に満ちた本。

  • 強烈な自負心や関わる相手への愛憎むき出しの態度、そして類い稀な将棋の才能に好敵手の数々。これらを併せ持った升田幸三の自伝。
    今では考えられないような、名人と挑戦者の舌戦(挑戦者の升田幸三が名人の木村義雄をゴミ呼ばわりし、自分はゴミにたかるハエだという発言など)や対局拒否の事件GHQとのエピソードなどなど、将棋を知らない人でも十分に楽しめる傑作だと思った。
    とはいえ、ご自身も言うとおり、どこまでが本当なのかは分からないけど。。

    名人に対して香落ちというハンデを負って、それでも勝つ、少年の頃の夢を母親の物差しの裏に書き残して家を飛び出し、24年後にそれを実現する。病気や戦争で何度も死にかけても、それを糧にして勝ち続け、それを自画自賛し、最後は将棋指しになって良かったと語れる姿はあまりにもかっこよかった。

  • 戦前の将棋界が語られているのが特徴。新聞棋戦がなくおもに指導や突発的企画でしか将棋をささないというのに驚いた。昇段も師匠の判断のみで規定はなし。語り口は軽妙。将棋の歴史も知ることが出来た。

  • 841夜

  • GHQとのやりとりの場面が好きである。将棋は野蛮だとのアメリカ側の主張にチェスのほうがもっと野蛮だと、将棋は取った駒をその地位のまま登用するのだと切り返す升田幸三の頭の回転の良さ、自分の意見をはっきり言える度胸、升田幸三だけでなくプロ棋士という勝負師は本当にすごいと思う。

  • けっこう前に読んだが、非常に良かった記憶がある。
    おすすめ。

  • 勝負は無心でないといけない

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名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)の作品紹介

「名人に香車を引いて勝つ」と物差しの裏に書き遺して家を出た少年期、広島での放浪生活、大阪の木見八段への入門、終生のライバル大山康晴との出会い、阪田三吉の思い出、宿敵・木村名人との激戦、「陣屋事件」の真相、そして悲願の成就。不世出の将棋名人が自ら語る、波瀾万丈の半生記。

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