武揚伝 1 (中公文庫 さ 45-4)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042544

感想・レビュー・書評

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  • 2016.1.14(木)¥100+税。
    2016.1.20(水)。
    4冊セット¥400+税。

    一 2016.1.16(土)。
    二 2016.1.18(月)。
    三 2016.1.18(月)。
    四 2016.1.20(水)。

  • かつて北海道の地に「蝦夷共和国」なる諸外国も認める独立国があったことをご存知だろうか?幕府艦隊を率い箱根の五稜郭で明治新政府と戦った榎本武揚の物語。のちに新政府の閣僚を歴任した英傑。年末年始長編ドラマ「五稜郭」も合わせてみたいところ。

  • これは読まないと損。

    榎本武揚の半生を記した歴史小説。

    昌平坂学問所、長崎海軍伝習所、オランダ留学・・・
    彼が「学ぶ」ことに注いだ情熱には圧倒される。

    戊辰戦争から,五稜郭での戦いに到るまでのドラマももちろんだが。

    些末なことだが、個人的には、榎本武揚一行が、オランダ留学に赴く際、ジャカルタ(当時はバタビア)に逗留し、そこで、熱帯気候のもとで供される氷(つまり西洋文明)におどろいたというエピソードが印象的だった。
    ホテル・デス・インデスに滞在したらしい。

  • 主人公の榎本釜次郎(武揚)は非常に聡明で志ある、硬派な好青年として描かれています。
    勝海舟のウザいキャラ設定が新鮮!

    一巻で一番イケメンキャラだったのはジョン万次郎だと思います。
    期せずして単身アメリカに立つことになり言葉も通じずすごく苦労もしただろうに、
    帰国後に重用され、もてはやされても、言動は出自を弁えて節度ある感じで且つ穏やで、
    でもアメリカ帰りの啓けた物言いは快哉で。
    主人公より印象的だった笑

  • 読んだきっかけ:正月用に購入。幕府側からの幕末というのが面白そう。

    かかった時間:12/28-1/2(7日くらい)

    内容:榎本武揚の伝記。幕府側からの視点の幕末。1巻は、釜次郎(武揚)の誕生からオランダ留学まで。

    司馬遼太郎さん及び他の官軍側からの小説ばかり読んでいると、「幕府というのは閉鎖的で、世界の動きについていく順応性が不足していたため、打算はあったものの世界の動きに乗ることのできた薩長に追い込まれた」「幕府が続いていれば世界各国と渡り合うことはできず、清国の二の舞になったのでは」というイメージにもってしまいがちです。

    しかし、この小説は、「幕府(徳川家君主)政治のまま、世界に対応できる国づくりはできたのだ。薩長の野心に満ちた卑劣なクーデターがなければ・・・」というスタンスで幕末を描いています。(たぶん)

    この小説の中で、榎本武揚は、幼少時から英明で、先取的な見方ができるタイプの人間です。父が徳川家に見出された恩を大事に思っており、不満はもっても「倒幕」など思いもよりません。
    彼は技術屋として徳川家のお役に立とうと、勉学に励みます。その結果、幕府ではじめてのオランダ留学生として選抜されます。

    1巻はここまでですが、「勝海舟」が知識と口先はうまい政治屋、といったこきおろされかたが、非情に面白いです。

  • 地に足がついた大人になりたい。かっこいい大人になりたい。こんな男になりたい。そんな理想の漢がいました。榎本武揚。最高にかっこいい。
    読みやすい歴史小説、さすが佐々木譲さんです。名作です。
    勝さんは嫌いなんだろうなあ。

  • (欲しい!/文庫)

  • 分厚いけれど、読み応え充分。
    榎本武揚の生涯を描く。これほどつぶさに描かれた幕末小説は初めて。
    交渉の書簡を出せば、往復で数日は待たされる。
    その間のじりじりした感覚。まるで同時代にいるような作品。
    自由で平等なエゾ共和国の行く末を見たかった。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-4e17.html

  • 幕末。戊辰戦争~五稜郭で最期まで戦い抜いた榎本釜次郎武揚の話。明治維新の戦争の話ではあるが,武揚の思想にクローズアップされており,薩長側だけが開明派ではないということもあらためて認識された。武揚は幕府の力のなさを思い,日の本の国を民衆のための国に建て替えるためにいかにすべきか,それは,共和国制だと,明確に打ち上げつつも,徳川家臣団をまとめても行かねばならない矛盾におちいっていたように思える。薩長(ここでは官軍と敢えて書かない)についには敗れてしまうが,その負け方を見るに,本当に負けたのであろうかとも思う。数の上で,戦の上ではまけたが,思想的に明治政府は,最終的に武揚の考え方の方向に進んでしまう。結局,薩長側は新たな政府に武揚や大鳥圭介の力を借りざるをえなかったということからも,思想的にはどちらも同じように開国・国力増強であったのだと思う。いや,逆に,武揚側の方が民衆の元に平等と言う意味では民主主義的には薩長より更に先に進んでいたのではないか。武揚は,海軍を作ることは最先端の工業技術をものにすると言うことだ,蒸気機関から造船,製鉄,金属製蜜加工等,新しい産業を起こす鍵になると。そしてそれは,禄を失った武士の働き口にもなる。
    本小説では,勝海舟の捉え方についても現在の多くの方の認識とは逆であり,海軍奉行といえども船のことはよく分かっておらず,人望もなく,幕府のお荷物のような感じで書かれている。実質は,武揚ら海軍士官が幕臣をまとめ,暴発を止めていた。私も司馬遼太郎の小説に魅せられており,簡単に言えば,薩長=官軍=開明派,幕府=逆賊=保守派と捉えている一人だが,同様な方にはぜひこの本を読んでもらいたい。維新時の幕府側の認識を一転せざるを得ないものになると思う。
    全4冊。

  • 全4巻。
    榎本武揚の五稜郭までの話。
    留学してる間も。
    グローバル。

    や。
    来た。
    久々に。
    これは良い。

    著者は現代小説の人。
    こんど映画化される「笑う警官」ってのを
    ちょっと前に紹介されて結構面白かった。
    で。
    歴史もの書いてるのを知って。

    なんで文章は読みやすい。
    さくさく読める小説な感じ。

    頭でっかちで運の悪い海軍の偉い人。
    くらいしかイメージなかった。
    なんかそんな書かれ方してるし。
    だいたい。

    や。
    熱い。
    泣ける。
    そして悲しい。
    悲運すぎ。
    沈むな。
    船。

    歴史に「たられば」は....ってのはそうなんだけど、
    この先は見てみたかった。
    実際北海道が独立してたらどんなだったろう。
    日本。

    夢を見させてくれる、
    夢を思い出させてくれる、
    そんな話。

    ちなみに勝海舟がかなり狭量。
    口だけの目立ちたがり屋。
    イメージと違うけど、
    考えてみると実際そうなのかもと思えたり。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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