再読。
地図が途中から一切更新されなくなっているのが不満といえば不満。衛と琅の首都くらいはせめて……。
通して読むと、ちょくちょく記述が混乱しているらしいところも惜しい。如白と仲児その他の長幼や、揺珠が魁王家に嫁いだ年齢あたり。大牙の本名も、初出の時と漢字が違う。文庫落ちでこれってちょっとどうなんだろう。
盛り上がってきた。降した相手を自身の配下にあと腐れなく取り込む熱い展開にわくわく必至。広い中原で、たった数人の間の縁が強固に結びついて命運を変える。ドラマだ。降すのが戎族で元無頼、気ままが身上ときている羅旋だし、硬直化した体制のない琅の背景もあって、戦は待ったなしでも肩の力が抜ける思い。
国の在り方について語り合う琅の若き臣達、自身の作り上げる国の形が見えない無影、有力な嗣子を失い病に没した支吾と、明暗はこの巻ではっきりと分かれた印象。