同じ年に生まれて―音楽、文学が僕らをつくった (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2004年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043176

同じ年に生まれて―音楽、文学が僕らをつくった (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 1935年生まれの2人が、音楽や日本といったテーマをめぐって交わした対談を収録しています。

    それぞれ音楽と文学の世界で世界に認められることになった2人は、随所で日本人の閉鎖的な性格を批判しています。しかしながら、みずからの人生を、「中国生まれの東洋人で、日本語しかできなかった男が、どうやって西洋の音楽を、死ぬまでにどこまで分かるようになるか、どこまでいけるか、という実験」と語る小澤と、「僕は、親父から伝わってきたものをいま持っている、それをみがいて、もっといいものにして子供に伝えてやろう」と語る大江を、「デラシネ」ということはできないでしょう。明確には述べられていないものの、音楽と文学が「開かれた共同性」を実現する可能性を孕んでいることに両者ともに気づいており、そのことが隠れたテーマになっているのではないかという気がします。

  • 初読。先週小澤征爾×村上春樹の『小澤征爾さんと、音楽について話をする』を読んで、この本を読みたくなった。村上さんとが2010~11年、その10年前が大江さんと。ひたすら音楽そのものについて話が進む村上さんのインタビューと違い、芸術論、教育論、日本人論へと話が広がっていく。(そこは企画した新聞社の意図でもあるのだが。)村上さんはスイスで、大江さんは奥志賀で、小澤さんが若手演奏家を指導する現場をじっくりと観察するのだが、そこから広がる話の類似点と相違点も面白い。この2冊読み比べるのもオススメです。

  • 様々な議論。固いのかと思っていたらけっこうざっくばらんに分かりやすく色々なお話をしている。光くんのお話とか。音楽のお話もおおい。読んでいるときにひたすら考えていたのは、わたしの人生とこのひとたちの人生は何が違うのだろう、ということ。文学に選ばれ、音楽に選ばれ、天才と呼ばれてきたお二人だけれども、最初から自分がそうなれるという確信はそんなになかったようで、そしたら何が彼らを芸術にかりたてたのだろうか、とひとしきり考えて、でもわたしは芸術にかりたてられることもなく、なんとなくふわふわと生きるのかとか、リスクとか人生の決断とかそういうレベルではなく、何か見えない手みたいなものに導かれ、こういう人たちはやらざるを得なかったのかとか、なんかそういう、色々考えていたらけっこう悲しい気持ちになってきて、涙でた。

  • 2000年台に入ったばかりの時の対談ではあるが、今の時代に照らしても問題点として考えられないといけないと感じられることがかなりあった。
    師弟関係について、子どもとの関係について、日本人の鎖国性と国益という考え方についてなど、とても素敵な対談であると感じた。

  • 坂書房で購入して、実家で読む。読みやすい対談でした。完全に、かみ合う対談ではありませんでした。僕が興味を持ったのは、バーンスタインの予言です。交響楽は滅びると予言したそうです。そのため、現在、交響曲を作曲する人はあまりいないそうです。多くの作曲家は室内楽にシフトしているそうです。僕も、バーンスタインの予言に同感です。オーケストラは、経済的に大変です。米国の有力オーケストラは、日本と比較して、経済的に恵まれています。これは、有力オーケストラが、豊富な寄付金に支えられていることを意味します。全収入のうち、入場料収入の占める比率は、20%だそうです。その他の大部分は、民間を中心とした寄附に依存します。つまり、経済的には、ペイしていないのです。室内楽は、寄附なしで、どうにかやっています。寄附が集まらなくなると、恐竜のように、オーケストラは滅びるかもしれません。

  • 再読必須
    新しい人、Mediator、Oneness、Passion、個人>Institution
    日本は閉じては決してダメだ。
    ダブルスタンダードではダメだ。

  • まだ読み始めたばかりだけれども、小澤さんが大江光さんのことを訊こうと思っていたというくだりは、とても興味深い話だった。村上春樹との対談との内容の違いがまた面白い。

  • 村上春樹との対談本と比較できて良かった。しかし私が大江健三郎を読んだことがないのが残念。

  • おもしろい。
    大勢で創る音楽と、個人で創る文学と、その違いはあれども、それぞれの作業で考えていることは同じ。
    (音楽だって個人でする作業はあるし、文学だって他者との繋がりかたの形の一つだと考えているから)

    引用したのは序の、過去のこの本の対談の40年前の対談の部分。

  • インタープリター

  • (2004.06.18読了)(2004.06.04購入)
    副題「音楽、文学が僕らをつくった」
    二人とも1935年の生まれ。2000年6月におそろいで、ハーバード大学の名誉博士号を受けられた。それを機会に対談してもらった。
    大江健三郎さんの息子さんの光君が、音楽をやっているので、大江さんが小澤さんの音楽についての話を聞くという形で対話が進められている。
    小澤さん「僕は子供が二人できたときに、この子供たちのためならば、音楽なんかやめちゃってもいいと思った。子供たちにちゃんと食い物が与えられたら、あちこち世界中を回らなければいけない指揮者なんかやめちゃってもいいと思った。人間というのは本当のエネルギーになるものは、案外すごい身近にあるんじゃないかなあと思っているんです。」
    (大リーグに挑戦した佐々木投手も子供たちのために日本に戻ってしまった。)
    大江さん「僕は、最初一つ日本にない小説を作ってやろう、というふうに始めたんですけど、人生のあるときから、身近にある、生まれてきた障害のある子供が、生きることと仕事とのエネルギーのもとになりました。」
    大江さん「光が音楽の法則に反することを書くことがあります。ピアノを弾く場合の指の使い方、どの指がどこを叩くか、あるいはヴァイオリンなら指の押さえ方が普通と違った順序になるように書く場合があって、演奏しにくい言われることがあります」
    (純粋に出したい音をもとに作曲するのだろうから、・・・。作曲家というのは、楽器の演奏方法についても気を配らないといけないとは、知らなかった。)
    小澤さん「僕は、言葉に関しては全く下手ですが、親父はもっとひどい人手ね。ヨーロッパへ行くときに僕は全然フランス語が出来なかったの。ドイツ語も出来ないし、英語も出来なかった。「お前、どうするんだ」って兄貴たちが訊いたら、親父が「征爾な、話したい奴の目を近くで見ろ。それで自分が思ったことを、日本語しかお前は出来ないんだったら日本語で言ってみろ」と、そしたら何割か必ず通じるというんですよ。」
    大江さん「現在のテレビは完全に消費文化で、テレビが映っている間だけ消費されるものです。バラエティー・タレントという連中が集まって、面白おかしい話をする。それも昔の言い方なら「楽屋落ち」で一貫して。」
    (何らかの芸で、笑わせているのではなく、個人の馬鹿さ加減やくだらなさ加減を笑われているだけ。)

    【目次】
    僕らは同じ年に生まれた  大江健三郎
    若いころのこと、そして今、僕らが考えること
    芸術が人間を支える
    〝新しい日本人〟を育てるために
    語り合えてよかった  小澤征爾
    解説  尾崎真理子

    著者 大江 健三郎
    1935年 愛媛県生まれ
     東京大学仏文科
    1958年 「飼育」で芥川賞受賞
    1967年 「万延元年のフットボール」で谷崎潤一郎賞受賞
    1973年 「洪水はわが魂に及び」で野間文芸賞受賞
    1982年 「「雨の木」を聴く女たち」で読売文学賞受賞
    1994年 ノーベル文学賞受賞

    著者 小澤 征爾
    1935年 中国・奉天生まれ
     桐朋学園短期大学卒業
    1959年 フランス・ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝
    1973年 ボストン交響楽団音楽監督
    2002年 ウィーン国立歌劇場音楽監督

  • お二方が同い年ってこと知って何となく購入しただけの対談集

  • 二人の偉人の対談。大江の考えには深く共感。

  • なんだか違和感のある対談

  • 音楽と文学をとおして世界的に活躍する二人が語り合っています。非常に勉強になりました。音楽・文学だけではなく「未来につなげていきたい」というおふたりの気持がまっすぐに伝わってきます。

  •  やはりこの世代の方とは埋めようのないジェネレーションギャップがあるのだなと思います。
     戦争を体験しているかいないかという違いは大きい。
     今後の世界についての話は面白かったです。
     ネット社会についてとか。

  • いい教育者については考えたことがあったが、いい学生については開眼だった。学生は積極的に学び取ろうと努める存在であるのが理想だろう。

  • 1935年に生まれた世界的指揮者とノーベル賞作家。この日本を代表する二人の巨匠は、同じ時代を少年として生き、芸術をこころざし、選ばれ、そしていま喜びをもって新しい世代を送り出す側にまわっている。「今のうちにもっと語りあっておきたい―。」この思いが実現し、2000年に対談は行われた。

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