海泡 (中公文庫)

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著者 : 樋口有介
  • 中央公論新社 (2004年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043282

海泡 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 東京から船に揺られて26時間。そんな小笠原諸島で巻き起こる青春ミステリー。住民のすべてに話が筒抜けの小さな町を舞台にした物語が書きたかったという著者は、わずか1週間しか住んだことのない小笠原を選択し、まるで青春時代をそこで過ごしたことがあるかのように描きっぷり。

    主人公は大学生の洋介。中学のときに小笠原へ転入。イケメンの彼は島一番の不良と言われ、モテモテ。高校卒業後、東京の大学へ入学し、2年ぶりに夏休みを過ごすために小笠原へ帰省。ところが同じく東京の大学へかよっていたはずの和希と島でばったり会う。和希は東京でストーカーに遭い、それから逃れるために小笠原へと帰ってきたのに、ストーカーが追いかけてきたらしく、おどおどした様子。数日後、和希が島の展望台から転落死。自殺か他殺か。

    噂が瞬時に駆けめぐる閉鎖的な町での出来事なのに、海が見えるせいだからか開放的。じめじめした印象がありません。もっともそれは多くの樋口有介作品に通ずることで、主人公の頭の回転の速さを感じさせるワイズクラック(挑発的)な話し方も他作品と同じ。おかげで非常にテンポ良く展開します。初恋を胸に抱えたまま成長する人、壊れる人。さまざまな想いにくすぐられました。「海泡」というタイトルも○。

  • 再読。
    大学生の洋介は二年ぶりに故郷・小笠原の父島に帰ってくるが、同級生の和希が転落死する。
    ミステリー寄りの青春ものという感じだが、語り口も主人公がやたらモテて、女性が美人ばかりなのもいつもと同じ。

    著者はスモールタウンものが書きたくて、小笠原を選んだという。
    今でも飛行機が飛ばず、東京湾から船で片道26時間かかるという小笠原を初めて意識して読んだ。
    いつか行ってみたい。

  • 小笠原の島が舞台のミステリー。絶海の孤島と言うシチュエーションが活かされていたのは、珍しい食べ物の話が出てきたり、登場人物が民宿をやっていることくらい。後はいつもの樋口ミステリー。一番らしくない人物が犯人だったり、出てくる女性のほとんどが美女だったり。別に小笠原である必要は感じなかったのが残念。

  • まるで小笠原に行った気になるような、匂い立つような描写。しかし不要な性描写も多くて苛々する。ファンとしては、あとがきが嬉しかった。

  •  二年ぶりに故郷、小笠原に帰島した主人公をまっていたのは、同級生の死だった。

     小笠原という特殊な所の感じは上手くできてるし、それによる必然、みたいなのも違和感はない。
     でもなぁ、ちょっと作りすぎって感じるのはなぜなんだろう。余命いくばくもなく、とっても美人な同級生の存在が微妙。物語のポイントになっているのはよくわかるんだが、でも都合よすぎじゃないか、って思った。
     あと、やたらHしてるのもね。
     小笠原って、そういう島なのって誤解されるよww

     最近ぞっこんの樋口有介なんだが、「魔女」読んだときは、あんまりいい印象がなかったのを思い出した。ようするに、若い子が主人公だと魅力を感じないんだな。オヤジをかいてるのが、好きってことらしい。
     困ったもんだ。

  • 2006年11月28日読了

  • ストーリー的には、そこそこおもしろかったが、何より色んな植物の名前が次々と出てきて、行った事のない小笠原の島の風景が思い描けて楽しかった。

  • この人の書く主人公って皆性格同じだよね。でも好き。この主人公は特にイケメンだから好き(笑)

  • 若者が中心のお話でしたが、主人公が落ち着いているせいか、小笠原という離島の話だからか、妙な偏見を持たずに読めました。

  •  一言で言うならば、大いなるマンネリ。またも主人公が同級生の死の真相を追い求めます。<br>
     洋介は2年ぶりに東京から父島に帰省したけれど、その2年間に同級生の藤井は精神を病み、翔子の命は風前の灯となるなど様々な変化があります。そんな中、ストーカーにおびえていたという同級生の和希が展望台から転落死・・・やがて怪しかったストーカーが殺され・・・犯人は閉ざされた島の限られた人の中に存在します。<br>
     「ぼくと、ぼくらの夏」でデビューして以来、樋口さんの作品にはこの「同級生の死」を扱う作品が多く、ストーリーとしてはワンパターンなのですが、独特の言い回しやセリフさわやかさ、切なさ・・・1度はまってしまうと癖になり、もう抜け出せません。初めて書いたという「あとがき」も要チェックです。

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