プチ哲学 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043442

作品紹介・あらすじ

ちょっとだけ深く考えてみる。それがプチ哲学。

感想・レビュー・書評

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  • 「哲学」なんて堅苦しいもんではなく、気軽に楽しめるパズルみたいな本。
    絵が多いので取っつきやすく、内容もツンツンと脳みそを突かれる感じで面白い。

    トイレットペーパーの寿命は?
    寿命というと普通は時間で測るが、トイレットペーパーの寿命は長さで測る。

    世の中には面白い構造が潜んでいる。
    故障してレッカー車に運ばれるレッカー車とか、今日の自身の売り上げも予測できない街角の易者など。

    「見えないもの」を見る。
    風鈴のリボンの揺らぎ、または美しい音を聞くことで「そよ風」の存在を認識する。

    意味から離れられない。
    目新しいものを目の前に出されると、無意識のうちに、それに意味を付ける作業を開始する。
    ちょっとした絵なのに、思惑通りに頭の中が二転三転して意味付けを変えさせられた。(レビューでは説明できない)

    佐藤雅彦ワールドの入門書としては、この本が最適かも知れません。

  • 無印良品には言葉や生活をテーマにして、厳選書籍を置いている店舗がある。年数回、フリーペーパー「縄文ZIN」を無料で頂くついでに、その棚を眺めて気に入ったものを買うこともある。よって、この本は最近の本ではない(2004年発行)。でもそこで買った本で外れたことはない。

    「プチ哲学」とは、哲学紹介とか哲学要約とか哲学入門とかの意味ではない。

    全部で31章。たいていは4ページ建て。見出し、著者が描いた可愛い絵のエピソード、解説から成ります。例えば「12 ツバメの実習」。電線に止まっている燕の親子の会話「お母さん、ボクあんなに速く動いている虫とれないよ」下には5匹ほどの虫がブーンと速く飛んでいます。「だいじょうぶよ」とお母さんは言っています。→次のページでは、親子飛んでいるけど、とまっているようにも見えます。虫も9匹ほどの・として描いています。お母さん「ほら速く飛べば虫は止まって見えるのよ」。→次のページを開くと、「今回のテーマ 動いているものは動いている者にしか見えない」と書いて新幹線の例とか挙げて解説しています。そして結論は「この世の中で、なにが1番ビビッドに動いているか知りたいとしたら、自分自身もビビッドに動いていないといけません」となるのです。

    「あぁなるほど」となりますか?私は、そんな風に納得してはいけないんだと、最後まであっという間に読めますから、全部読んで見て思いました。そんな「処世術」を結論にしていいんだろうか?これは実は「相対性理論」の解説ではないだろうか?時間の速さは実は相対的なものであり、見方を変えると別の世界が広がることを描いているのではないか?

    この本の解説欄は、実はかなりいい加減です。でも、大抵は「おっと、そういう見方があったか!」というのを狙って書いている気がします。

    最後の章は、「オリーブは、アイラブで出来ている」ということを解説していました。ちょっと考えてみてください。決して「世界の真実」じゃないけど、楽しいじゃないですか?

  • ちょっとだけ深く考えてみるプチ哲学。
    佐藤雅彦さんの"ちょっと"はとてもユニーク。モノは考えようだと思った。
    "ちょっと"だけと考えれば、肩の力もいい具合に抜けて気楽になれるからいいのかも。
    小難しい"哲学"も、考える=面白いと変換して、自身の身の回りのアレコレを、今までとはちょっと違った視点で考えて楽しく生きられればいいなと思えた。

    中でも気になったこと。
    ●不変について:「郷に入っては郷に従え」と言うけれど全てに従う必要もない。周りに影響されない自分だけの不変の価値観を持つことも大事。

    ●価値のはかり方について:あるものの価値を測るのに、世の中には色々な"ものさし"がある。ある場面に遭遇した時どの"ものさし"を自分が選ぶのかが大事。

    ●無垢について:自分自身やとりまく環境を素直に受け入れることも大事。

    ●詭弁にごまかされない:一見もっともらしい、実は理屈になっていない理屈=詭弁を見破るコツは、説明された気分に負けないで一度自分の頭を通して相手の言うことをかみしめてみること、冷静になることが大事。

    ●枠組みについて:見る枠組みを変えると、同じ行為でも逆の意味さえもってしまう。ものを見る時、必ずある枠組みからものを見ているということを知っていなくてはいけない。

    ●逆算という考え方について:最終結果(自分がどうしたいか)がはっきりイメージできるとそこから逆算して、スタートの時点で何をしておけばいいかが自ずと分かってくる。佐藤さん曰く「プッチンプリンの法則」=底にカラメルを先に入れる→ひっくり返す→頭にカラメルがのることになる

    ●弱点の有効利用:誰でも弱点の2つや3つは持っている。弱点を逆手に取ることによって強い点に変えればいい。弱点も含めて自分は自分なのだから。

  • かわいい、イラストと解説がついていて
    本当にプチ哲学!
    哲学は難しそうから、なんか面白そうになるきっかけになりそうな本でした。

  • 佐藤雅彦の本のなかで、いちばん好き。

    関係ないけど、佐藤雅彦の本の感想書きたいのに、全然ブクログに出てこない、なんで笑泣

  • 哲学者を紹介した本…ではなく、
    「ちょっとだけ深く考えてみると、いままで気づかなかったことが見えてきたりするよ」「その小さな気づきは、1日1日を生き生きとしてくれたりするよ」という考えのもと、
    日常をちょっとだけ深く考えるための
    目線を教えてくれる、絵本のような本です。
     
    まず目にとびこんでくる
    ゆるくてかわいい絵を見るだけで、
    心がなごみます。

    左ページにある毎回のテーマについて
    ちょっとだけ深く考えたことを読むと、
    自分の目線もちょっとだけ変われた気が
    してきます。

    絵本のような感覚で、あっという間に
    読み終えてしまったのですが、

    本を閉じたあとも
    「すこしだけ深く考えるだけで
    こんなにもモノの見方が変わるんだ」
    という衝撃が
    じわじわと心に染みこんできて
    びっくりしました。

    人には感じる力と考える力が
    備わっています。

    疲れたときには、ぼーっと休息して
    まずは感じる力を回復させるのが
    大切ですが、
    感じる力が少しずつ戻ってきたら、
    「プチ哲学」で少しだけ考える力も
    刺激してあげるといいかもしれません。


    著者の佐藤雅彦さんは
    「ポリンキー」のCMや
    「だんご3兄弟」などを
    手がけられた方です。

    「プチ哲学」を読むと、
    佐藤雅彦さんのモノの見方が垣間見え、
    「ポリンキー」や「だんご3兄弟」が
    佐藤さんから生まれたことも
    大大大納得できてしまう、

    「プチ哲学」はそんな1冊です。

  • 少し取っ付きにくい『哲学』という分野を、とーってもシンプルに、そしてユーモラスに表現した31の“世の中の法則”。

    『不変とは?』『無垢とは?』『価値のはかり方とは?』など、どうにも説明し難いテーマを可愛いイラストで子供から大人まで理解ができるよう的確に説明しています。「なるほど!」の連発です。物事を普段より少し掘り下げて考えることで、見えなかったものが見えてくる“面白さ”を教えてくれます。
    定期的に本書を眺め、凝り固まった考えをほぐしたいと思います。

  • 哲学と聞くと拒絶反応がしてしまっていたが、これはイラストが多くて読みやすかった。
    「日常生活でもこういうことがあったかも」とふと振り返えると、それまでなんとも思っていなかった日常が、面白い出来事だったのではないかと感じられる。コロナ状況下、いつも暇で憂鬱だけどちょっと考えることで楽しく過ごせるのかもなと思った。

  • 「時間」に負けない
    「価値のはかり方」について

    がとてもすごく刺さった。

  • 憧れの佐藤さんの哲学が書かれているとあって
    購入してから度々読み返しています。
    本質的なことがさらりと綴られているので
    項目ごとに自分の中で改めて考えながら読んでます。

    とはいえ、こんな豊かな考えも方も感性も
    まだまだ身に付いてはいませんが、
    読む度にちょっとだけ世界が楽しくなる本です。

    考えれば深い事柄を
    こんなにかわいく、ほっこりした表現に落としこむなんて。。。
    やっぱり脱帽です。

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著者プロフィール

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

「2024年 『宇宙ビジネスのための宇宙法入門〔第3版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤雅彦の作品

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