日本の歴史〈2〉古代国家の成立 (中公文庫)

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著者 : 直木孝次郎
  • 中央公論新社 (2004年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043879

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日本の歴史〈2〉古代国家の成立 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 1巻に比べると本格的な研究の香りは少な目だけど,よりスタンダードで読みやすい入門書。肩肘を張らずに読める。文体もどことなくユーモラスで笑いを誘う。個人的には中大兄皇子が想像以上に「ワルい」人間で面白かった。

    (使えそうなところ)
    【飛鳥の地と飛鳥時代】
    ◆ふつうには奈良の時代が日本古代文化の華とうたわれるが,文化の質と高さでは,7世紀を中心とする飛鳥時代もこれにおとらないものをもっているし,政治的にも一種の停滞が見られる奈良の朝廷に対し,飛鳥期の調停には上昇期の波乱と緊張があるという。万葉集の中にも,政治の中心からはなれ,荒廃していく飛鳥の地をいとおしむ歌が数多くのこされている。大和朝廷が初めて飛鳥に都をおいたのは允恭天皇(倭の五王)の時代である。継体以降では次の天皇が飛鳥に宮をおいている(括弧つきの天皇はおいていない)。継体,(安閑),宣化,(欽明),(敏達),用明,(崇峻),推古,舒明,皇極,(孝徳),斉明【重祚】,(天智),(弘文),天武,持統,文武。このうち,安閑や欽明のころの都は飛鳥からそれほど離れていないし,飛鳥から遠方に都がおかれた(孝徳時代の難波,天智時代の大津)としても,すぐに次の代には飛鳥に都が戻されている。このように飛鳥が重視される理由としては,①朝廷を構成する貴族の本拠地が飛鳥の周辺にあったから,②北方をのぞいて三方が山に囲まれ,河や池,丘など地形が起伏に富んでおり(有名な天の香久山・耳成山・畝傍山もこのあたり),権力闘争の絶えない時代において防衛に適した地であったから。(~p21)

    【蘇我氏の台頭】
    ◆おそらく中央からの渡来人系の技術拡散や朝鮮経営の失敗・中国王朝からの庇護の喪失などが原因となって,6世紀初めより地方勢力が台頭してきた。これは日本の経済力拡大という面がある一方,越前出身の継体天皇の登場や磐井の乱の発生といった動乱を呼び起こし,中央政権は体制変革の必要性に迫られた。朝鮮経営の失敗を契機として没落した大伴氏に代わり,蘇我氏は継体-欽明朝のころから天皇家と婚姻関係を結び,一族の繁栄をはかると共に,地方台頭の時代を乗り切ろうとした。しかし,専制君主をめざす天皇家と,天皇を上にいただきつつも豪族連合政権の性格を打ち出し,自ら指導者になろうとする蘇我氏の間には必然的に対立が生じることになる。
    ◆蘇我氏は連合政権を固めるために,平郡や葛城といった主要豪族の多くを自らと同族として取り込み,最終的には天皇のたなあげに成功することになるが,その過程において保守派物部氏を打倒しなければならなかった。物部氏は大臣の蘇我氏と違って大連の家柄であった。臣姓の豪族はおおざっぱにいうと,元来土地に根をはった豪族で,古くさかのぼれば天皇家の祖先と質的にそれほどの差はなく,天皇家と婚姻関係をむすぶものもあった。これに対し連姓の豪族は朝廷に付属して何らかの職務を担当することで力を伸ばした一族であり,天皇に対する隷属性は臣姓の豪族より強かった。このような性質の違いは両者の関係を微妙なものにした。欽明朝のはじめには,大連の家柄は物部氏に限られていた。物部氏は失脚した大伴氏と同じように軍事を担当する氏族であったが,さまざまな伝承に見られるように目先のよさがあり,また大伴氏とは違って警察的業務を兼ねていたため,天皇中心の専制国家を目指すうえで彼らのような存在は便利であったのだろう。このような性質の物部氏は,豪族連合をめざす蘇我氏と必然的に対立に陥った。また蘇我氏は帰化系氏族とむすぶ進歩系経済官僚の元締めであり,開明的崇仏派の中心,一方物部氏は軍事力にたよる保守的氏族の代表,頑迷な廃仏派の急先鋒であったことも,争いに拍車をかけた。蘇我稲目と物部尾輿は仏教受容の可否をめぐって争ったがそれは小競り合いであった。本格的な対決は敏達天皇... 続きを読む

  • 第2巻では、蘇我・物部の対立から、持統天皇の治世までを扱っています。

    著者は、シリーズ第1巻を執筆している井上光貞と並ぶ日本古代史研究の泰斗ですが、第1巻が戦後の諸学説の批判的検討を読者にはっきりと示そうとしているのに対して、この巻では、著者自身の歴史の見方が一つのストーリーとして示されており、専門的な学説の批判・検討は、あまり読者に見えないような叙述になっています。

    第1巻に続けて読むと、ちょっと残念な気もしますが、入門書としてはオーソドックスな構成と言えるように思います。

  • 飛鳥に根拠をおいた天皇家は、豪族から一段優位な地位を確保しつつ統一国家を組織してゆく。大化改新、壬申の乱など緊張したドラマ豊かな上昇期を、微妙な一瞬にいたるまで再現し、聖徳太子、蘇我馬子、天智天皇、持統女帝など卓越した人物たつの立場を明らかにしてゆく。

  • 538年頃欽明天皇、敏達天皇の頃から、697年、持統天皇が位をゆずり文武天皇が即位するまでの歴史。聖徳太子の政治改革や、大化の改新、壬申の乱を経て、持統天皇による藤原宮の栄えを描く。
    文武共に優れた評判を得ていた大友皇子より、大海人皇子(天武天皇)が最終的に地位を得たり、才能・人望共に草壁皇子を超えていた大津皇子が、優れていたが故に排斥され殺害されたりと、権力闘争の無情さからしみじみと世の儚さを感じ寂しくなる。

  • 最近、古代日本に興味がありちびちび読んで
    終了。

    大化の改新って相当、革命的な出来事だから
    神代から蘇我・物部時代/聖徳太子/大化の改新
    /壬申の乱/天武天皇/記紀の成立
    までの紆余曲折とかがちょー興味深い。

    はっきりいって戦国時代や幕末よりおもしろい。
    戦後史並みだね。

  • 大和朝廷の基盤がある程度つくられたあと、中央集権国家の基盤が一通り完成する持統朝までを概観している。その前の、大和朝廷成立までの歴史は今後も明らかになる事はないと思う。
    本書の取り扱う範囲では、日本書紀を主な拠り所とはするものの、その限界性も明記しており、補完的に発掘調査結果などを交えつつ、常識的な歴史が描かれている。また巻末には最近の知見を加えており、up-to-dateも図られている。
    天智天皇が即位するまでの、妙に長い混迷など、そうあっさり流していいのかと思うところもあるが、いい意味で中庸であり、教科書的に使うと良い。

  • 本日購入分。当時の時代背景やら歴史の詳細を知ってないと辛い本です。いや、面白いですけどね。

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