マンガギリシア神話 (8) (中公文庫 S 19-8 マンガギリシア神話 8)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043886

感想・レビュー・書評

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  • とうとうこのギリシャ神話シリーズも最終巻です。
    前巻でのトロイア戦争で大活躍した英雄オデュッセウスが主人公。
    戦争を勝利に治めたオデュッセウスは妻子を残したイタカを目指して帰路の旅をするが困難の連続である。
    結局、20年の歳月を経て帰国する。
    妻のペネロペは夫を信じる従順さで、ただただ待ち続ける。
    二人の再会のシーンは涙もの。
    もう一生離れるなよ幸せになれよと祈りたくなる。

    後半はギリシャ神話の小さなエピソード集。
    聞いたことがある話もあり「王さまの耳はロバの耳」の話もある。

    私のイチオシは、「バウキスとピレモン」の話。
    欲がない老夫婦のひとつだけの望みは同時期に死ぬこと。

    人生最期の「その時」のシーンは最高!

    こんなふうに幕引きたいものだ。

  • 2014年11月20日読了。里中満智子によるギリシア神話まんがシリーズ最終巻。トロイア侵攻の戦いを経てギリシアで待つ家族の本に帰ろうとする智将オデュッセウスの辿った苦難の航海譚。トータルで言うと「人間が自分の力だけを過信する傲慢さを神がいさめる」という話なのだが、海の怪物が襲ってきたり岩が船を押しつぶそうとしたりという直接的な脅威に加えて「故郷を忘れてこの島で美女とたのしく暮らそうか」という誘惑にオデュッセウスが何度も捕らえられる(それでも帰郷を目指す)のが、リアリティがあるというかギリシア神話らしいというか面白いところ。それでも故郷に帰りついたオデュッセウスはいいが、彼を信じ付き従ってきたにもかかわらず残らずSATSUGAIされてしまった仲間たちは哀れ。彼らに比べると安穏とした暮らしのため島に残ったメンバーは正解、無理せずラクな道を選ぶのが人生の正解になることも時にはあるよ、ということなのか。うーむ。

  • 1〜8巻

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/771686

  • シリーズ8冊目にして最終巻。扱われているのは、ホメロス「オデュッセイア」全編と著者が気に入っている単発のギリシア神話いくつか。ちょっと前に「オデュッセイア」を四苦八苦しつつ読んだ身にはすっと入ってくる内容でした。オデュッセイアを苦しめたポセイドンの「自分の力だけで生き抜いていけると思うのは傲慢の極み。人間はすべて自然に、神によって生かされているのだ。大自然の力そのものであるわれわれ神に対して感謝と畏れを忘れているから思い知らせてやったのだ」というのは、当時の神々、人間、自然感が凝縮されていると感じました。著者は、古き良き神々の時代と新しい時代の生き方のせめぎあいを見たとのこと、その点は納得。

  • オデュッセウスの航海 / 里中満智子著
    https://libopac.shoin.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SB00033494

  • 8/8。オデュッセウスとペネロベ。

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著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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