マッカーサーの二千日 (中公文庫)

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著者 : 袖井林二郎
  • 中央公論新社 (2004年7月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043978

マッカーサーの二千日 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 東日本大震災の時、ツイッターで情報を発信していた東京都副知事の猪瀬さんの著作【昭和16年夏の敗戦】【ジミーの誕生日;「東條英機 処刑の日―アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」に改題】を読み、マッカーサーという人が知りたくなり選んだ一冊。復讐心があったであろうに、現代日本の基盤を作った【マッカーサー】アメリカという大国が彼を作ったのでしょうか?彼が作った公平で自由な国。それから幾分経ち、今、平和ぼけ?している日本の政治と彼が対峙したら、どんな政変を起すのでしょう。

  • ダグラス・マッカーサーの占領軍としての仕事以前に、彼はフィリピンに従軍していた。フィリピンでの日本軍との戦いに敗れた彼にとって屈辱の経験を持つ。日本軍の比島日本軍最高司令官本間雅晴中将であった。マッカサーはこの敵を、東京裁判で私怨を裁判の形で討つこととなる。
    「「聖なる義務」と復讐
     マッカーサーはこうして戦争末期のフィリピンにおける日本軍の残虐行為の責任を山下
    奉文に負わせた。だが彼にはもう一つ果さなければならぬ目標があった。読者はブリスベ
    ーンで「パターン死の行進」の報らせを聞いたマッカーサーが、怒りに満ちて語った言葉
    − 「近代の戦争で、名誉ある軍職をこれほど汚した国はかつてない。正義というものを
    これほど野蛮にふみにじった者たちに対して、適当な機会に裁きを求めることは、今後の
    私の聖なる義務だと私は心得ている」1を覚えているはずである(第二章『アイ.シヤル.
    リターン』参照)。フィリピンに勝者として戻ったマッカーサーが「死の行進」の責任を問
    うべく心に措いていたのは、緒戦の比島日本軍最高司令官本間雅晴中将であった。本間こ
    そはマッカーサーを破ったただ一人の将軍である。
    「おそらくだれよりも本間の首をほしがったのはマッカーサーであった」(シドニー・メイ
    ヤー、新庄哲夫訳首本占領」)。本間裁判は彼にとって「聖なる義務」を果すことによって、
    自分の復讐心を満足させることのできる一石二鳥の裁判であった。
     本間は山下と違って退役して日本にいた。敗戦の報をきいたあと九月に入って生地佐渡
    を訪れていた本間は、ラジオのニュースでGHQが自分に戦犯として出頭を命令している
    のを開き、急いで帰京する。本間は英語が達者だったが、外国特派員のあびせかける「死
    の行進」という質問の意味が彼には判らなかった。日本人の誰もが実はその意味を知らななかったのである。だが巣鴨から大森、大森からまた巣鴨と拘置所生活を送る中で、本間
    は「死の行進」の意味とそれが自分にもたらすであろうものを次第に知らされて行く。十
    二月十二日本間はマニラへ護送され、翌日から検察側の訊問が始まる。「死の行進」はア
    メリカ国民にとって真珠湾奇襲攻撃以来のはげしい怒りをかりたてるニュースであり、当
    時の司令官であった本間は「パターンの怪物」として長いあいだ彼らの憎しみの的だった
    のだ。山下の場合と同じく有罪判決は最初から予定されていたし、訴状も同じく「指揮官
    責任」を問うていた− 「大日本帝国陸軍中将本間雅晴は・・・・指揮下にあった同陸軍軍人をしてアメリカ合衆国、その連合国及び保護国の国民、特にフィリピン国民に対し、残虐行為及びその他の極悪犯罪を犯さしめることにより、指揮下にある部下の活動を統率する指揮官としての同中将の義務を違法に無視し、その義務を怠った。よって本間雅晴は戦争法規に違反するのである」(角田房子『いっさい夢にござ候・本間雅晴中将伝」所収)。本間の妻富士子は夫のために証言する機会を与えられてマニラヘ行ったが、この裁判をみて直感的に次のように感じたという。
    「裁判はまさに復讐的なものでした。名目は捕虜虐殺ということでしたが、内容はマッカ
    ーサー元帥の輝しい戦績に、負けいくさというたったひとつの汚点をつけた本間に対する
    復讐裁判だったのです」(本間富士子「悲劇の将軍・本間雅晴と共に」「文藝春秋」昭和三十九千二」

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