日本の歴史 3 改版 (中公文庫 S 2-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044012

感想・レビュー・書評

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    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    この時代は班田収授法、墾田永年私財法とかを覚えている感じ
    本書では天皇による中央集権化が徐々に進んでいく様子が書かれ、律令や班田収授法もその施策の一つであったということか。
    一方でこの時代は仏教が国家の枠組みに組み込まれて行く時代でもあり、奈良の東大寺などはこの時代に建立されている。
    しかし、この時代に東北から九州までの全国に中央が支配することは難しかったようで最後の方は徐々に崩れ始めていたのだと知った。
    ただ、全てが無駄というわけでもなく、一度は中央が支配したことで日本という国家の一部であるという自覚が地方には生まれたのではないかと考えたよ。
    内容とはあまり関係がないが、トーハクの特別展で展示されていた国家珍宝帳が解説されており、どのような経緯で正倉院に納められたのかを知ることができたのは嬉しかった。

  • 奈良時代の話。

    奈良時代は、日本の歴史上きわめて重要な時期の一つであり(ただしそもそも重要でない時期などないが)、日本史の教科書でもそれなりのスペースが割かれているが、メインはどうしても大仏になってしまう。それと、正倉院が必ずといっていいほど出てくる。

    もちろん、大仏も正倉院も大切であるが、他にも大切なことはこの時代たくさんある。激しい権力争いはある意味この時代を象徴することであろうが、教科書にはあまり出てこない。本書では、権力争いとその顛末が詳細に描かれていて興味深い。

    それと奈良時代といっても、例えば聖武天皇は頻繁に宮を移している。これも、このくらいの本を読まないと分からない。

    このシリーズは、どれも新たな発見があり、読み応えがある。

  • 律令制度、聖武天皇、孝謙女帝、正倉院

  • そう言えば通史というものは、高校の教科書以来読んだことがなかった。まあ、それも記憶に残っていないし、いまさら教科書でもあるまい。何か適当な本はないかと、『日本書紀』の現代語訳を買ってみたのだが、10分で眠くなった。

    日本の通史を死ぬまでには読んでおこうと思い立った以上、最新の岩波に投資してもよいのだが、いかんせん敷居が高い。その点で原本が1965年から1967年とちょっと古くなったけど、中公文庫の日本の歴史は著者も名前くらいは知っているので、トライすることにした。

    まずは、好きな奈良ということで、『日本の歴史3 奈良の都』を選ぶ。井上光貞氏からスタートしてもよかったのだが、パラパラめくった感じで文体が平易な青木和夫氏を選んでみた。

    とにかく数字がよく出てくる。規模感が分かると、今と違った政治都市である平城京が見えてくる。

    但し、解説で丸山裕美子氏が指摘しているように、その後の研究成果により推定数字は問題がないとは言えなくなっている。例えば「都の人口二十万」という説は、もっと少なく十万と見る見解が有力なのだそうだ。半世紀前の研究水準であることには注意することが必要だ。

    谷沢永一先生が言っているように、どんな著者の話でも鵜呑みにしてはならない(『本はこうして選ぶ買う』)。

    索引まで入れて585頁あるので、電車の中で読んだらいつ読み終わるかわからないけど、しばらくはバックに入れておきたい。

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