実感的人生論 (中公文庫)

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著者 : 松本清張
  • 中央公論新社 (2004年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044494

実感的人生論 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 最終学歴は高等小学校。それを恥ずかしいと思ったことはない。たまたま家が貧乏で上の学校に進めなかっただけだ。と書かれてますが、劣等感はお持ちだったようで、それを克服するための、後の膨大な量の作品を支えることになる知識を得るための努力があったはずなのに、自分は努力をしてきた人間だとは思わないと片づけられてます。ひけらかしたくなかったんでしょうか。そこが知りたかったのですが。
    ただ学歴がないことで差別待遇を受けても、矜持は忘れない。懐の文学書を心の拠り所にされてた。このことを知っただけでも、読んでよかったなと思いました。

  • 松本氏は高等小学校卒業という劣等感を払い除けるための努力を惜しまなかった。自分が常に軽視されていることを承知していた。だから負けまいとする意欲はいつも持っていた。独学など勿論言うに足りないが、その闘志事態が何か心の支柱のようになっていた。大学を出ているくせに詰まらない人間にあると、やはり安らぎを覚える。大学だけは出たが、その後の勉強を放棄した人たちであろうと。
    人間は自分の信じる意志だけで生きられるとは限らない。それは社会生活という複雑な環境の中におかれている以上、その意志がときには外的条件と衝突したりそこを回避したり、また環境次第では自らの意思を曲げなければならないこともある。
    どんな下級の人でも、野菜いねぎらいの言葉をかけてあげてください。
    生活ということに対して、恐怖感を持っていた。自分に満足な生活能力があるだろうか、一家を構成し、それを世間なみに維持できる経済的能力があるのだろうか、という心配であった。
    我々は絶えず、自分の人間的な要求や社会道徳や秩序、あるいは家族制度のために犠牲にあんっていることに苦悶し苦しむ。

  • 清張は貧乏で学歴に劣等感を持っていたのは有名だ。最初の小説西郷札は賞金がほしくてほしくて仕方がなかったから書いた。本も映画も清張モノにはけっこう触れたが。前から一度本人の心の裡を聞いてみたかった。すごく聞きたかった。本書には清張のホンネがずばり書いてある。私は世間の主婦の方にお願いしたい。どんなに下級の人でも例えばあなた方の台所を訪問して品物を配達でもしたような場合。それが商売上の当然の行為であってもその人間に優しい労いの言葉ひとつでもかけてやって頂きたいのである。その人間はその一言でどんなに元気づけられ希望を与えられるか分からない。それはあなた方の想像以上かもしれないのである。相手方が人間的に認めてくれたことであり差別的な観念を持たれなかったことへの喜びである。

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