西の善き魔女〈4〉 世界のかなたの森 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.84
  • (119)
  • (118)
  • (166)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 1028
感想 : 83
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045118

作品紹介・あらすじ

竜の被害に悩む隣国の要請を受け、伝統ある竜退治の騎士がグラールを発った。あかがね色の髪の乙女フィリエルは騎士を守ろうと心に誓い、ひそかに後を追う。しかし胸の奥には消えた幼なじみルーンへの想いが秘められていた。-母国のはるかに南の土地で、竜騎士団とフィリエルが出会ったものとは!?長篇ファンタジー、南方冒険篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 私の心がたどり着いてしまうのは、どうしたってここだ。

  • フィリエル、南へ。

    竜を見るため?ユーシスを守るため?何のために言ったのか、この巻でちゃんと答えが出ます。

    捨てられるものとどうしても捨てられないものがある。

    という最後の言葉が良かったです。

  • 南方冒険記。
    今までとガラリと雰囲気が変わるのは、4巻だけがロードものだからかな。
    再登場のイグレイン、なんか怖い。
    愛がありますから、には笑った。
    ユニコーンの名前はアーサーキャラから来ているんだけど二人ほどわからない。後日調べないと。(旧版5巻にはランスロットという新生ユニコーンが出ていた気がする)

    ルーン再登場、今まででいちばんイキイキしてる。

    フィリエルとバードの不思議な道行きの話、けっこう好きだった。作者いわく、4巻はSF強化篇だって。

    すっごい今更なんだけど、影の王子様というあたりでやっと、あーーーー、これも光と影の交わりの話だったかと気づいた。勾玉シリーズからの伝統だよね。光の姫と闇の王子なんだわ。なっ!とく!ポン!!

    追記。この本ではなく角川版に、未見の短編があると聞いたので図書館で角川版4巻を借りてみた。こっちを買うべきだったのだなーー。
    ガーラント初見参、という短編。ユーシス12歳、アデイル8歳。ユーシス父子がいろいろやばいという感想。20歳になったら急に傲慢になった印象になるぞ(笑)。

  • ルー坊……(苦笑


    あくまで前向きに自分の手で未来を切り開いていくフィリエルは、竜退治に赴くユーシス一行を追いかけるため、王宮を飛び出して一路南へ。
    ユーシスはいい口実にされてて、かわいそう。
    ここにきて、フィリエルの暴走気味で独善的なところが少々鼻につくようになってきてしまった。前向きでパイオニア精神あふれるところは多いに共感するけども。

    まぁ、乗りかかった船だし、読みやすさは健在なので、結末まで見届けよう。

  • 前作で、事件を起こして消えたルーン。宮廷に取り残されたフィリエルは難しい立場となります。南方に出没する竜を退治する騎士として赴くユーシスをひそかに追っていく決意をしたわけは…?!1巻から嵐が丘のような世界での孤児の少女物、2巻は女子校寄宿舎スリラー、3巻が華麗で危険な宮廷物に続き、今回は奇想天外な冒険物という感じですね。設定はけっこう変わっているのが見えてきます。ユニコーンが可愛い。

  • 2023年12月3日購入。

  • この作品にはいろんな典拠がありそうだなあ。
    「赤がね色の髪の乙女」に、「魔術使いの弟子」。
    そうすると、「影の王国」は一体何だろう?
    たぶん、自分に気づけないものもあるに違いない。

    前巻を読んで、うわあ、このまま王宮での権力闘争か、めんどくせえ…と思った。
    まあ、次期女王の座をめぐる闘争から離れることはできないけれど、場面は南国、竜退治へと移る。
    これで、ちょっと血沸き肉躍る雰囲気に。

    アデイルの兄、ユーシスは、新女王の一の騎士になろうと、グラール王国の南のヘリへ向かう。
    劉の侵入に苦しむカグウェル国を助けに行くのだ。
    フィリエルは、彼を助けるため、そして生き別れたルーンを探すため、ユーシス一行についていく。
    ここまでくると、フィリエルの今どきのヒロインぶりは明らか。
    名誉や外聞ではなく、自分が真に欲しているものを探り当て、自らの手でつかみ取ろうとする。
    行動するプリンセスだ。

    空間を自由に行き来する、女王の吟遊詩人、バートが面白い。
    でも、こういう人物が出てきちゃうと、後はなんでもありだなあ。

  • 4巻まで読み進めてみたものの、どうも世界観に入り込めない感じがする。なんか悪い意味の少女まんがっぽさがあって苦手かも。私には合わないみたい。

  • 竜退治に向かうユーシスについて行く事にしたフィリエルは、ユニコーンに懐かれたり、吟遊詩人と別の世界に行ったりとファンタジーを謳歌しています。ルーンと再会も出来たし、外に出てよかった。とはいえ、ルーンと一緒に得体のしれないところへ向かうことになるのでまだまだ一波乱の予感です。

  • いよいよ南へ。
    ユーシスを守るため、と言いつつ、ユーシスに追い返されなように別動隊で移動するフィリエル。そのお供になんとイグレインが。イグレインすらも振り回しながら、一路南へ。
    途中でアデイルとレアンドラの母であるオーガスタ王女のいる城に。そこで飼育されていたのは竜退治には必要なユニコーン。その描写はかなりド派手な毛色で、想像が難しいほど。
    アデイルたちが手に入れるはずだったかもしれないユニコーンの子どもをもらい受け、いよいよ竜に対面。
    草食竜に肉食竜。飛ぶ西洋の竜ではなく、ジュラシックワールドの世界のような恐竜でした。
    そんな古典的な世界の果てには壁があり、壁を越えると瞬間移動?といった感じでやけに先進的に切り替わる。
    いったいこの世界はどうなってるの。
    ルーンともあっさり再会してお互いに離れたくないといった感じで次巻へ。
    前巻からすっかりフィリエルが苦手になったので、世界の謎と女王選抜の行方だけが気になります。

全83件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原規子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×