武州公秘話 (中公文庫)

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著者 : 谷崎潤一郎
  • 中央公論新社 (2005年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045187

武州公秘話 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 変態性癖の武将の秘話。女首、鼻もげなど、少年期に体験した、曲がった興奮を、密かに持ち続け、それが大人になっても。

  • チェック用に購入。

  • 何冊読んでも、谷崎潤一郎はいい!

    これは、戦国時代が舞台。最初は漢文の序章でスタート。戦死者の首の髪を、微笑みながら結う女。それを取り巻く静寂の空間、戦の興奮の残り香を伝える部屋に漂う匂い。そのすべてに飲み込まれた少年。それを再現するまでと、長い妄想を描く。

    たまたま、今、谷崎さんの「文章読本」を並行して読んでおり、谷崎さんが源氏物語を好きである理由を悟ったとこ。それを踏まえて読むと、なお味わい深い。
    源氏物語に因んだ、和歌などが出てくる。そして、文の長さが気にならない工夫をされて、長々と続く一文なども出てくる。

    最後の終わり方も、安逸にメロドラマの様な展開でないところもいい。続きが気になって気になって、夜寝るのが嫌だった。

  • 名著と言わざるを得ない。

  • 途中からの話の方で、面白いんだけど、本編からはだだずれで大谷崎にもこういうことがあるんだなあと面白く読んだ。でも面白いので、なんというか底知れぬすごみを感じだというほどもない軽快なずれっぷりのちょうしがいい。話の内容よりもそういうところが見ごたえ満点です。
    武州公はもうまるで何度も語り継がれた物語みたいにたんたんとした狂いっぷりなのに、においたつようなどろどろとした愛着、血のにおいはしないのにまみれた温度が伝わってくるような、やっぱり筆力の素晴らしさを感じて登場人物たちに対して思わず肩入れしてしまう。面白い。

  • 谷崎潤一郎の歴史ものは初めてだが、意外と読みやすかった。時は戦国時代、武州公こと武蔵守輝勝の倒錯した性癖と被虐趣味な妄想が描かれているせいか、迫力ある歴史絵巻ではなくコミカルな雰囲気が漂っている。その性癖発露の発端となった出来事――夜な夜な敵の首級を洗う女たちの姿も、本来なら気味の悪さが先にきそうだが、描写のうまさで奇妙なほど色気を感じた。主要人物も味があり、面白く読めた。

  • 読んだのは「聞書抄」も併録されている1984年版の方ですが、表紙イメージのあるのでこちらを登録。
    それに「聞書抄」は「武州公秘話」に比べて内容的に見劣りするように感じたので。
    最期まで飽きることなく貢を繰らせる筆力は流石です。
    貴人の厠云々の件は、「陰翳礼賛」を思い出しました。
    戦国物なのに所々当世風の台詞があったのが気になりましたが、些細な事です。
    真夜中の首装束の場面の描写がいい。
    武州公が空想する、あくまで冷酷な桔梗の方のイメージは中々魅力的でした。

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武州公秘話 (中公文庫)の作品紹介

敵の首級を洗い清める美女の様子にみせられた少年。それは、武勇と残虐な行状とで世にきこえた武州公の幼き日の姿であり、その心の奥底には「被虐性的変態性慾」の妄想と恐るべき奸計の萌芽が-。戦国時代に題材をとり、奔放な着想をもりこんで描かれた伝奇ロマン。雑誌『新青年』連載時に掲載された木村荘八の挿画を完全収載。

武州公秘話 (中公文庫)はこんな本です

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