- Amazon.co.jp ・本 (593ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122045477
作品紹介・あらすじ
第二次大戦後、画期的な進歩を示した歴史学と発掘成果いちじるしい考古学とは、古事記・日本書紀の世界に、まったく新しい光を投げかけた。これら諸学を総合的に協力させることにより、従来の歴史書には見られない鮮明さで、古代日本はその姿を現すこととなった。巻末に森浩一「四十年のちのあとがき」を付す。
感想・レビュー・書評
-
神話の時代と朝鮮半島の歴史の記述が多くて、ちょっと読み進むのに苦労したな。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本神話から仏教公伝まで。
謎に満ちた日本民族の生成について神話学・歴史学・考古学などの諸学の成果により解説されています。
著者の井上光貞(1917~83)は明治の元勲井上馨及び桂太郎の孫です。 -
大学生の頃に一度読んで以来の再読。読んだ記憶がほとんど失われていたので、新鮮な気持ちで読むことができた。
50年以上前に書かれた通史だが、いま読んでも大変有益だ。研究の進展により現在の通説とは異なる箇所もあるけど(江田船山古墳出土鉄刀銘の解釈など)、著者(井上光貞さん)の学問的情熱に心を打たれっぱなしであった。もう一度大学に入学したくなってきた。 -
中公文庫
日本の歴史 シリーズ1
井上光貞
自説、定説、異説に対する疑問点により構成された古代史テキスト。最高に面白かった
著者のスタンスは「わからないことが多く〜推古朝以前は歴史学の対象ではない」というものだが、著者はすでに仮説しており、次世代が史実として、仮説を検証してくれるという自信を感じる
石器や古墳など考古学の成果も取り入れることで、古代日本の姿が映像化される
-
日本史を通史で勉強したくて読み始めました。わかりやすい説明で、神話から始まるところも入りやすい。ところどころに時代ごとの天皇の系譜がのっているので、今がどんな時代なのかを迷子にならずに追いかけられます。出版されてから時間はたっているけど、とても参考になる本です。
-
中央公論の歴史本第1巻。古事記などの日本神話から日本の歴史の夜明けを描く。日本の神話、石器時代の日本、歴史の始まり、謎の世紀、最初の統一王朝、古代国家への歩みなど。特に日本神話は知らない話が多かったので参考になった。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou31001.html -
神話から仏教伝来まで。1973年初版48年前の歴史の本でも、今はどうかと疑ったり確認しながら読むから楽しい。
神話で天皇家を意味づけする四苦八苦さが人間らしくて面白かった。
騎馬民族論や前方公園分巨大化論は最近の本でもあれこれ議論があるが、韓国や中国など周りの国と協力しないと結局よくわからないのかもしれない
■備忘―国津罪(くにつつみ)のひとつである獣犯「馬婚、牛婚、鶏婚」は、うまたわけ、うしたわけ、とりたわけと読む。この、戯け者!の語源なのかなあ。
ちなみに近親相姦は上通下通婚と書いておやこたわけと読む。 -
神話時代から聖徳太子が登場する前頃までの話だが、単に「○○があった」という、出来事を時系列に並べているだけでなく、様々な学説を比較する内容となっている。むしろ、学説の比較の方がメインとなっている。
書かれた時期が古く、筆者も既に故人となっており、その後の研究で新たに発見されたであろう事実や学説については当然触れていない。しかし、研究所としてしっかりしており、読み物としても面白い。歴史学を専門とするのでなければこれで十分である。
本書では磐井の乱を古代史上の重要事件として扱っているが、中高の授業では名前すら出てこなかった。新たな発見である。
-
なんとか、一ヶ月かけて読了した。
この一冊を読んだだけでも、自分の義務教育と比較して、不確定な要素を除き、ほぼ確実であろうという事を主体に教えているように感じた。
まあ、それでいいと思うけどね。
[more]
それにしても、この巻で一番驚いた事は5、6世紀の日本が朝鮮半島に勢力を広げ、支配していた部分があるという事かな。日本という形ではなく、任那の支援国家と言った感じだけど、それでも予想外だった。
最期に古代日本においては国内の資料も重要だけど、中国と韓国の史料が先に類するぐらいに必要不可欠であると感じた。中国ならいまだに発見されていない史料が眠っているのではないかと期待してしまう。 -
神話の時代から推古朝の手前まで。
古事記と日本書紀の成立した年代の価値観をベースに神話を紐解いていく。考古学の成果も交えながら、古代の日本が語られる。
地方豪族の乱立時代から天皇家を中心とした中央集権国家の誕生を描き、最後は仏教の伝来とそれに伴う蘇我氏の擡頭までが本巻の主題。 -
副題の通り、日本の歴史のうち推古天皇前までの神話の世界である。
よく言われるように、推古天皇以前は歴史ではない。
そこは旧辞や帝紀を元にした神話の世界である。
筆者が最初に指摘しているように、本書の目的は旧辞、帝紀から可能な限り歴史の真実を読み解こう、ということである。
旧辞と帝紀の記述の違いから、どちらの話が現実と適合するか、自然な解釈ができるかを様々な学説を検討し、それらの良い点、悪い点を説明している。
古事記や日本書紀は聞いたことがある人は多いかもしれないが、旧辞や帝紀となるとそんなに馴染みがないのでは、思う。
本書で日本の成り立ちを勉強しておくのも一つの教養であろう。 -
一般向けの通史シリーズである中央公論社の「日本の歴史」の第1巻ですが、記紀神話と考古学における戦後歴史学の成果を紹介しながら、古代日本の真実に迫ろうとしています。
記紀神話の解釈については、津田左右吉の文献学的・批判的研究や、大林太良の神話学的研究などを参照し、さまざまな角度から、歴史とそれを記録する人間の営みについて、比較的詳しい検討がおこなわれています。また考古学的観点についても、井尻正二や森浩一らの研究成果を紹介しながら、戦後の歴史研究の新しい息吹を読者に伝える内容になっています。
邪馬台国論争や江上波夫の騎馬民族説をめぐる論争などにも立ち入り、それぞれの立場から寄せられた議論を比較検討しているところなど、一般向けの通史としてはやや踏み込んだ内容になっていますが、著者の議論の運び方は懇切で、分かりやすいと感じました。 -
謎に満ちた日本民族の生成を神話学・歴史学・考古学の最新の成果によって解明、神話の中の真実を探り、女王卑弥呼を語り、日本の歴史の夜明けを描く。
-
50年前の本だけど、大きな流れを捉えるには良い本じゃないかと思う。
-
神話の部分を読みたかったので、神話以外の時代は流し読みした程度だが、文献学的、考古学的、その他膨大な学問的な知識と批判精神で物事を分析していて圧倒される。歴代天皇が神話なのか実在なのか等、興味深い話が多い。
-
わたしは、今日本に留学しています、日本の歴史や、文化や、習慣を了解のは、必要です、それは、日本でよく生活できるに役立つと思います。